氏神様・産土神様・鎮守様
2016.02.24 08:16
私たちの家の近所には必ずその土地の鎮守様(ちんじゅさま)があり、氏神様(うじがみさま)あるいは産土神様(うぶすなのかみさま)と称しています。
鎮守様は、村や町を開いたご先祖様、あるいはこの土地をお守りする神様をお祭りした神社です。その地域に住む人たちを氏神様の子どもという意味で氏子(うじこ)と呼び、それ以外の信奉者を崇敬者といいます。氏子・崇敬者は神社神道の護持発展の基です。
氏神の「氏」は家系のことで、昔からのご先祖の神を尊んで氏神様と申し上げるとともに、山や田、川、海など天地自然の恵みの神様として産土神ないしは鎮守神とも称えてお祭りしています。
氏神様・産土神様の源流である氏神型神社は古くから信仰され、地域や祀る人々が限定された共同体の祭りが中心でした。平安時代以降には、霊威のある神々が地域を越えて各地に勧請され、新しい神社信仰が展開しました。これを勧請型神社または崇敬祈願型神社といい、現世利益的な個人祈願を信仰の基盤とし、祭神の御事蹟や神徳が強調されました。全国に数多く鎮座する八幡・伊勢(神明)・天神・稲荷・熊野などの神社は、荘園制度の地方への伝搬に伴い、このような信仰が霊威神・流行神として発展した結果とされています。地方の土地開拓者たちは有力社寺を本所に仰ぎ、神社領に本社の分祀を、寺院領に鎮守神を勧請し、中央の著名な神の霊威を頼るようになりました。