テミン◇ARENA HOMME 3月号
テミンの時間
“可愛らしくうまれてきたからアルバムを出し、ステージにあがる人だと見られるのは嫌です。
完璧になりたいです。
もっと努力しなければなりません。”
何度もこう語るテミンの前では、時間も息を殺して動いているようだった。
━ 初めてのソロ正規アルバムがもうすぐ出る。
初めて出したソロアルバムであり、ミニアルバムでもある<ACE>が良い評価を受け、負担がありそうだが。
<ACE>を出して活動したことが良い経験になって、今回は自分の意見をたくさんアピールできました。
負担もありましたが、もっと良くやらなければというより、アルバムに対する参加度が高まったことによる責任感に近いです。
いつかは完璧なアルバムをつくりたいです。
完璧にさせたいです。
━ 曲を書く練習もずっと続けていると聞いた。
今回のアルバムには、テミンの作曲した曲が入っているのか?
曲の作業は趣味でずっと続けています。
でも、まだどこかに出せるほどのものではありません。
とりあえず、今回のアルバムの作業をする時は、僕が望んでいる方向に合う曲を探すために、曲を集める段階からすべて一緒に聞きました。
作詞もしました。
━ どんな歌詞を書いた?
‘Soldier’という曲です。
話し手が‘Soldier’です。
恋に落ちた男性を勇者に例えて書きました。
僕は君を守ろうとする勇者だけど、結局君を守れなかった。
こんな詞です。ハハ。
タイトル曲の作詞にも挑戦しました。
目が覚めたら、僕の横に君がいなかった。
君は僕から離れていったんだね。
悲しくて、典型的な…(笑)話というか。
━ ‘怪盗(Danger)’の時はマイケル・ジャクソンをオマージュしたような振り付け、衣装、スタイルで好評だったが、今回のアルバムにはまた別の人物が投影されているのか?
実は、‘怪盗’の時、マイケル・ジャクソンをオマージュしようと思って始めたわけではありませんでした。
よりによってあの時、僕は髪を伸ばしていて、黒髪にちょっとパーマをかけていたんです!
マイケル・ジャクソンと少し似た外見になったうえ、僕があまりにも彼を好きだから。
本当の目標は、自分のカラーを最大限見つけ出すことでした。
自分を極度に強くつくって、スーツの身なりにしたらどうなるだろうか?と思っていたんです。
今回のアルバムでは、‘怪盗’より少し力の抜けた姿をお見せできると思います。
━ ソロアルバムをリリースする前とした後では、とても違うだろう。
ソロミュージシャンで活動してみてどうか?
何かをやり遂げたなぁという考えはしました。
練習生の頃から夢見てきたことだったので。
でも、想像していたソロミュージシャンと実際の経験は、全然違いました。
SHINeeの5人でステージにあがる時は、僕の足りない部分をメンバーたちがカバーしてくれますが、ソロだと自分の欠点がすべて見えてしまいます。
ソロで立つ時、ステージを補う方法をまだ探しています。
━ ‘怪盗’のステージにあがるテミンは一抹の答えを見つけた人のようだったが。
わかりません。
探しているのは終わりがないことなのものかも。
僕にとってステージはいまだに大きいです。
その大きいステージを満たせるほどの元気を発散できるミュージシャンになれるよう努力しなければならないと思います。
━ 完璧主義者的な気質があるようだ。
いいえ。
ひどく欲張った面があるにはありますが、限定的です。
僕がしようとする部分に対してのみこだわります。
ダンスも歌も僕がすごく好きで始めたことですし、今もとても愛していることだから、これだけは確実にやります。
でも他の部分は違います。
本当に気を遣いません。
例えば外国語の勉強とか…ハハ。
━ 一か八かだ。
本当に好きなことに没頭できるタイプなんだね。
本当に好きなことだけ、です。
━ ‘怪盗’の時はステージでの没頭度がすごかった。
完璧に怪盗というキャラクターに入り込んでいたように感じたが。
本当ですか。
僕は、カメラを見つめたりかっこいい姿をしたりしないほうです。
歌詞、雰囲気、音楽が持つイメージにハマるように努力します。
なので、その言葉がとても嬉しいです。
‘怪盗’の時もそうですし、SHINeeがする音楽の歌詞はいつもコンセプチュアルで、正直歌詞自体には入り込むのが大変なときもあります。
そんなときは、音楽の中に染みこんだ音に集中します。
━ 16歳にデビューした。
今は24歳だ。
大抵の人たちが経験する思春期と反抗期の頃に社会に飛び込んだ。
わたしたちの目にはテミンの反抗期が見えない。
そんな時期があったのか?
正確な記憶はありません。
ただ、僕はデビューしてからいつももっとうまくなりたいと考えていたように思います。
SHINeeがとても良くできていたにもかかわらず、望んで欲を出していました。
そうしながら、1人でストレスを抱えて、スランプに陥ったこともあります。
こんな時期が、僕にとって一種の反抗期だったんじゃないでしょうか。
その度、僕は練習室に行きました。
1人でいるスペースも必要で、宿舎でもメンバーたちと一緒にいるので。
1人で練習してみると、スランプから抜け出すことができました。
━ 1人の時間が必要な人なんだね。
必ず必要です。
1人で過ごす時はじめて休んでる感じがします。
ぼーっと座っている時間もとても必要です。
そうしてると、あれこれ考えはじめるんですが、ずっと止まらなくなります。
僕は、ものすごく辛い社会生活をしているわけでも、人の多い場所にいつもさらされてるわけでもないんですが、性格が元々少し内向的なんです。
だから、1人の時間が足りないと疲れを感じます。
━ それにもかかわらず、SHINeeのメンバーの中で最も道人のようなキャラクターだ。
均衡、節制、調和。こんな単語が合う末っ子だ。
そういった性格は天性のものなのか?
どうでしょう。
他人に迷惑をかけたくないと思うところは生まれつきです。
でも、芸能人として生きてみると、不本意にもミスする部分も生じます。
当時はわかりませんでしたが、後になって他の人に聞くと 僕が本当にそんなことしたの? と思うことが多いです。
━ 周りの話に耳を傾けるほうか?
誰かが僕の間違いに対して話していたら、まずは納得します。
自分でそれがいけないことだったのかわからない場合でも。
━ 本当に良いね。
そんな人はそういない。
後になって振り返ると、間違った言葉が絶対無かったんです。
僕が見れなかった自分について知るきっかけになりました。
その人が話してくれたおかげでもっと早く知ることができたんだ、と思います。
そうすると、たくさんのことを見つめなおして成長できます。
━ 16歳にデビューした少年に、芸能界はあまりにも早くたくさんのことが変わり、早く成長しなければならないという気持ちがあったように思う。
でも、自信を持つにはそういった態度が必要なのではないだろうか。
節制して、バランスを見つけて、他の人たちとの調和を実現するために道を磨く過程が。
その通りだと思います。
自分の心を最大限安らかな状態で維持しようと努力します。
これとあれの節制を見つけながら。
仕事と遊ぶ時間をうまく調整して、ストレスがたまった時はいち早く友だちに会います。
━ 逸脱したい時はどうする?
友だちと遊びに行くのが1番楽で早いです。
それで解消されます。
時間があれば、近場の海外に遊びに行ったり、予定が合わなければ清平のようなところに行って遊んだこともあります。
夏には泳ぎに行って、冬にはスキーをする!
単純でしょ、ハハ。
夕方に入って、お肉を焼いて食べて、お酒飲んで、寝たら終わり!
━ それでは、今テミンに1番必要なことは?
海外に遊びに行きたいです!
━ どこへ行きたい?スイス?
ハハ、そうです。
僕、スイスの話を本当にたくさんするんですが、それぐらい好きなんです。
前にスイス旅行をした時は、インターラーケンとその周辺の地域に行きました。
温泉も行ってスキーもして、また乗って。
とんでもなく綺麗な景色も楽しみました。
スイスには僕の好きなものが全部あります。
完全にヒーリングできる場所です。
ソウルに住んでるからか、都心よりは休める場所が好きです。
空気の良いところを探し回るのが好きです。
━ 空気の良いところだなんて。
おじいさんみたいな趣向だね?
ハハ。
気管支が少し敏感で、そういう場所に行くとコンディションがぐんと良くなります。
スイスで満喫した大自然と良い空気を今でも忘れることができません。
━ デビュー後これまで”最高になりたい“という言葉を本当にたくさん言ってきたようだ。
最高になりたいとは何か?
この仕事は、誰がよりうまく出来るか出来ないかを判断できることではないと思います。
自分の音楽とステージを通じて、たくさんの人に興味を呼び起こすことができたら、それが最高になるということではないでしょうか?
まず、顔が芸能人みたいに整って歌手になる人のようには映りたくないです。
僕がやる音楽は、音楽的に理解度が高い人だけ受け入れられるものでは絶対ありません。
それぞれの音楽が持つ感情を感じられたらいいもので、これを僕が真実にして伝えられたら嬉しいです。
偽りじゃなく、本当のことを伝えたいです。
最近は、それが長続きする方法なんじゃないかなと考えています。
━ 音楽に対して何もわからない人が、テミンの音楽を聞いて、ステージを通じて、伝えようとした感情を感じてくれることを望んでいるんだね?
そうです。
音楽、ダンス、照明、衣装など、パフォーマンスの要素要素を完璧な1つのもので表現できたら可能ではないですか?
小さなことでもいいから、僕の音楽とステージが誰かに影響を与えていたら嬉しいです。
ミュージシャンとしての僕の夢です。
━ その夢を成し遂げるうえで肝心なこと。
テミンが持った最高の能力は何か?
あっ、そうですね、僕の口から話すのはちょっと…
うーん、僕は、自分なりにダンスができて、歌もできて…全部できるみたいです。
━ あ、そうだね、そうだ。テミンは全部できる。
冗談ですよ、ハハハ。
やはり、ステージに没頭して力を出せることが僕の強みではないでしょうか。
あと最近は、ただ可愛らしく育ったと僕を見るのではなく、僕が伝えようとする音楽を見てくださったら嬉しいなぁとたくさん思います。
そのためには、僕がもっと頑張らなくちゃです。
僕の伝える音楽の感性がみなさんの目にとまれば嬉しいです。
それを目標にしています。
━ うまくやっていけると思う。
好スタートをきったんじゃないか。
いいえ。まだ足りません。本当に。
世の中には、立派なミュージシャンが本当にたくさんいます。
ずっと学ばなければならないと、そればかり考えています。
S H I N e e
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