この道往けば act2

第2次富山遠征第3弾 楢峠 峠と魔境への入り口編

2025.03.17 09:34

緑に飲み込まれかけた串刺しおにぎりを横目に、道は稜線へと向かっていきます。

いよいよガードレールすら放棄した小さな橋を越え、先を目指しましょう。

雲が近い。

この峠はこの感想が本当によくでます。

実際この峠は1000m級の峠です。

このブログで取り上げている峠の中でもトップクラスに高い部類。

この景色は登山家やこういう趣味の人しかなかなか見ることは少ないかもしれません。

これがここまで登ってきた景色。

そりゃしょっちゅう止められもしますよ。

こういう山って、大概道の痕跡が見て取れるんですけど、ここには皆無ですもん。

この道しか生き延びていないわけです。

舗装も路肩も道幅も、道の構成要素としてはほぼ全てが貧弱な道を進みます。

優位なのは勾配くらいかな。

その分、長さというマイナス要素がくっついてきますが。

いよいよ稜線が手の届く距離に来た!

これはもう時間の問題です。

いつか辿り着くと誓った楢峠はもうすぐそこ。

テンションも上がってきます。

この道、正直危ないと思うような場所は少ないです。
温見峠の落ちたら死ぬ区間
牛廻峠のモッコリのようなクリティカルな場面はほとんど見受けられません。


ただ長い。
そしてずっと狭い。

この道の冬季通行止めが長い理由は、単純にその距離を除雪する大変さによるものなんでしょう。

いやそりゃ大変だよこれ。

カーブの先端からは林道が伸びていました。

封鎖されていないところを見ると共用林道なんでしょうけど・・・。

これは気合いが必要な道だ・・・。

峠とは稜線が低くなるところを道が通っている場所を指します。

その条件に当てはまる場所が近づいてきているのを感じます。

心の準備はいいですか?

楢峠、着。

標高1228m。

このブログで登場した峠の中で最も高い部類に入る峠です。

景色的にはわかりにくいのは、高原型の峠であるため。

そもそもの麓の位置が高いのです。

楢峠のお地蔵様。

シンプルながら事前と調和する姿が印象的です。

簡易的ではありますが、雪から守るためのコンクリートの屋根がいいですね。

この辺りは尋常ではない豪雪地帯ですから。

お地蔵様以外何もないシンプルな峠。

それもそのはず、実はここ県境ではないのです。

この位置はまだ岐阜県側にあります。

なのになぜこのレポは富山レポを名乗っているのか。

その理由は地図を見ればわかります。

ここを北上するのが今回のレポ。

僕は言いました。

長かったと。


しかし、それでも、

次の道までまだ1/5も来ていない

皆様にもご理解いただけたことでしょう。

この道が本当にやばいのは

富山側だ!

現実を見たところで進み始めましょう。

なんせまだ富山県にすら入ってないんですから。

先を急がないと暗くなってしまいます。

この辺りは富山県境とほぼ並行して走っているので左に曲がれば富山県に至る道という言ことになります。

そしてこの辺りは高原らしく、標高に見合わない平場が多数存在しています。

集落跡ってわけでもなさそうですが、果樹園の跡ってことはありそう。

なんか植わっているようにも見えるので、ワンチャン現役か?

ここまで世話に来るのは大変でしょうね。

峠のものとは別のお地蔵様がいらっしゃいました。

お地蔵さまは何かと何かの境目にいらっしゃることが多いのです。

ここから何かある可能性が高いので気を引き締めていきましょう。

せっま!

ここにきて一番ヒヤッとした場面。

この急角度やめてくれよ。

内輪差で脱輪するかと思ったよ。

そしてここが恐らくあのお地蔵さまの由来。

魔境への入り口です。

富山県道・岐阜県道34号利賀河合線

(とがかわいせん・レポ未)

かの大御所のレポでは南砺険道3兄弟の長兄として紹介されていた物件です。

実は次男は第1次遠征で紹介しています


ちなみに御大のレポに載っている写真では青看板に「南砺」の文字が誇らしげに掲げられていましたが、2023年現在、文字通り看板を下ろさせられているようです。

それもそのはず、この県道34号は今レポしている国道471号以上の開かずの県道。

なにせ2006年を最後に一度も復活していないのです。

南砺市が誕生したのが2003年ですから、行き先を南砺市に変えてから3年しか稼働していない。

いつかじっくり紹介したい道です。

さて、さすがに今回はそんな魔境に突入したら遭難待ったなしですので、楢峠に専念します。

相変わらずの悪路ですが、道幅は広まったかな。

スペースはありそうです。

あの左の山は土砂崩れの跡にも見えるんですが、この辺りだと雪崩によってそうなっている可能性も捨てきれません。

ここに限らず、ヤバい場所こそ明るい。

地で行ってますね。

楢峠は分水嶺ですので、こちらの川は小鳥川ではありません。

しっかりと基本に忠実に迂回していきます。

さぁ長い戦いの始まりだ!