Column【日々前進4】「復活の放物線」
これまで浅野拓磨がこんなに怪我に悩まされたシーズンはなかっただろう。
昨年10月6日のシュツットガルト戦で太ももの肉離れをして以降、10月30日ウォルフスブルグ戦、12月15日バイエルン戦と復帰するたびに筋肉系の怪我を繰り返した。
それによりチームに貢献することができなかっただけでなく、今回のアジアカップを含め、2度日本代表のメンバーに選ばれながら辞退することになってしまった。
ハノーファーに移籍しての心機一転のシーズン、また日本代表としても森保ジャパンでの船出の年。
このタイミングで怪我を繰り返したことは、浅野にとって悔しさ以外の何物でもなかっただろう。
しかし彼はその悔しさを受け入れ、力にして、成長するために全力でもがいている。
「これまでほとんど筋肉系の怪我はなかったけど、今回の怪我で自分の体を見つめ直すいい機会になった。そのおかげでコンディショニングや食事に今まで以上に気を配り、良い体制も整えられた。いつかあの時の怪我があって良かったと言えるようにこれから結果を出していきたい」
浅野は前を向いている。
そして迎えた2019年1月26日のドルトムント戦、浅野はメンバー入りを果たすと、前半43分に味方の負傷により途中出場。久々のピッチに立った。しかし試合は1-5の完敗。この敗戦によりブライテンライター監督が解任。後任にトーマス・ドル監督が就任する。
「前監督は僕をハノーファーへ呼んでくれた人。そして僕のことを信じてくれていた。だからこそ、その監督のもとで結果を残したかった。(恩返しがしたかった。)それができなかったのが凄く悔しい。でもこの現実は変わらないし戦いは続いている。ここからまた次に向けてのいい準備をするだけ。まずは試合に出てチームの力になりたい。」
浅野はそう語る。
3度の怪我に監督交代。多くの困難が浅野の前に立ちはだかる。
そして新監督での初陣となるホームライプツィヒ戦が、本日行われる。
浅野はこの困難を乗り越え、復活への放物線を描けるだろうか。