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昨年10-12月の土曜ランチワイン会の様子

2019.01.30 01:00

最近、ワイン会の様子のご紹介が滞っておりました。本日は昨年10-12月の土曜ランチワイン会の様子をご紹介します。10月27日の土曜ランチワイン会は、「深まる秋、オーストリアの赤の飲み比べとフードペアリング」というテーマで、オーストリアの固有品種はもちろんのこと、国際品種も楽しんで頂きました。お出ししたワインはこちら。

写真左から、・トーマス・ハレター カベルネ・ソーヴィニヨン オーネ 2015・クラウス・プライジンガー ピノ・ノワール 2014・クリストフ・エデルバウアー ピノ・ノワール 2014・マラート ツヴァイゲルト クラシック 2015・グロッサーワイン ブラウフレンキッシュ サパリ 2012前菜、料理、江戸前鮓とお出しさせて頂きましたが、特に深まる秋を代表するようにお出しした寒鰤を使った「鰤大根」とツヴァイゲルトとの相性はとても良いものとなりました。甘さを加えて醤油で染み込ませた脂の乗った鰤と、少しスパイシーなニュアンスもあり、また、綺麗な酸味のあるマラートのツヴァイゲルトはお互いの風味を引立てる組み合わせでした。また、江戸前鮓とピノ・ノワール、ブラウフレンキッシュも素晴らしい相性で、いずれも果皮の薄い品種らしく、エレガントな赤系果実の味わいをベースに、軽く熟成した皮革のようなニュアンスもあることから、醤油をベースに味付けをした握りとの相性が抜群でした。ピノ・ノワールを2種お出ししましたが、淡くてうま味のあるプライジンガーと、樽を上手に使って少し濃いめに味を引き出したエデルバウアーはその造りの方向性の違いが明確で非常に面白い比較となりました。11月17日の土曜ランチワイン会は、「リースリング銀座決戦:ドイツ vs. オーストリア」と題して、ドイツとオーストリア、まったく個性の異なる2か国のリースリングを対戦形式でお出し致しました。

極上のドイツワインを輸入されているヘレンベルガー・ホーフの宮本さんがドイツを、そして、私がオーストリアを担当して、お客様にご紹介させて頂きました。お出ししたワインはこちらです。

写真左から、・シュロス・ゴベルスブルク リースリング トラディツィオン 2014・ドクターローゼン グラーハーヒンメルライヒ GG 2016・マッハヘルンドゥル リースリング スマラクト コルムツ 2015・ラッツェンベルガー シュロスフュルステンベルク リースリング 2017・ヴィーニンガー ヴィーナー・ホイリゲ 2018・ラッツェンベルガー リースリング ゼクト最初にウェルカムドリンクとして、11月に解禁を迎えるオーストリアの新酒「ホイリゲ」をお出ししました。中でも、ウィーンを代表する造り手であるヴィーニンガーさんのものをご提供し、2018年の味を皆様に楽しんで頂きました。つづいて、乾杯の泡はドイツ側に譲りまして、宮本さんが強く推しているラッツェンベルガーのリースリング ゼクト。ラッツェンベルガーさんは宮本さんが以前に当店へお連れ下さり、ご自身のワインと鮓をはじめとした和食に相性が良いと楽しまれ、そのような経験もあり、宮本さんがセレクトされました。

ドイツを熱く語る宮本さんこのワインは私も大好きで、瓶内二次発酵を用い、熟成感とフレッシュさのバランスの良い非常に素晴らしいワインです。このスパークリングと前菜(真鱈の白子焼き)を楽しんで頂いた後、お料理は銀杏、木耳、百合根、人参、牛蒡、車海老を鋳込んだ自家製豆腐がんもどきを出汁につけて召し上がって頂きました。

滋味のある山の幸と海老に出汁の風味ということで、宮本さんはラッツェンベルガーのシュロスフュルステンベルクを、私はマッハヘルンドゥルのスマラクト コルムツをお出ししました。いずれも上質なリースリングが見せるミネラルと熟成感もあいまった複雑味ががんもどきのうま味に寄り添いました。そして、最後に盛り合わせた江戸前鮓(寒鰤づけ、北寄貝、こはだ、煮穴子、中トロ、鰹のたたき)には、宮本さんは、ドクターローゼンのグラーハーヒンメルライヒGG、私は、シュロス・ゴベルスブルクのトラディツィオンをお出ししました。江戸前鮓でも手仕事(づけ、酢締め、煮物など)を加えたものを主にお出しし、ドイツはグランクリュのクラスの非常に凝縮した味わい、そして、昔の修道士による造り方(木製プレスで搾汁し、開放系の大樽で仕込む)による凝縮感と軽い酸化のニュアンスがあるオーストリアという面白い対決となりました。結果は、、、それぞれファンがいらっしゃって、かなり良い勝負となりました。国別や品種別など、今後もこのような対決企画も行ってまいりたいと思います。そして、12月22日は年末恒例のスパークリングの会をさせて頂きました。下記の5種をお出し致しました。

左から、・カザル・ド・パソ・パドレイロ ファウヌス ペット・ナット 2016(ポルトガル)・カー・デイ・ザーゴ プロセッコ コル・フォンド 2016(イタリア)・セリーヌ・エ・ローラン・トリポス クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット・ナチュール 2014(フランス)・モン・マルサン カヴァ・グランキュベ ブリュット レセルヴァ 2014(スペイン)・フレッド・ロイマー エクストラ・ブリュット レぜルヴァ NV(オーストリア)今回は、オーストリアワイン大使が推薦するスパークリングワインということでこの5種類をお出ししました。左から、ポルトガル:カーヴ・ド・リラックスの別府さんイタリア:Calme(池尻大橋)の佐野さんフランス:酒美土場(築地)の岩井さんスペイン:葡萄酒亭きとう(四日市)の鬼頭さんオーストリア:私(岡田)のセレクトとなっています。皆様に飲み比べて頂いたところ、皆様の人気が高かったのが、ポルトガルとフランスでした。ポルトガルはいわゆる田舎方式(一次発酵時の途中で瓶詰め)で、泡はそれほど強くありませんが、酵母のうま味がのり、また、アルコールも低めで優しく、和食との相性がとても良いという評価で人気が高かったようです。一方、フランスのクレマン・ド・ブルゴーニュは瓶内二次発酵によるもので、酵母のうま味に加えて、ハチミツやナッツのような熟成感のあるリッチな風味で、泡もしっかりとあり、ボリュームのある飲み口が人気の理由でした。イタリアのプロセッコは瓶内二次発酵を用いた珍しいもので、優しいスタイルの中に、綺麗で高い酸味、そして、ミネラルがキッチリとあるところが好まれていました。そして、スペインのカヴァはまさしく正統派のカヴァの味わいで上品であり、かつ、しっかりとした瓶内熟成による熟成感もあり、その点を良いと仰るお客様がいらっしゃいました。最後にお出ししたオーストリアはロイマーらしい優しいながらもしっかりとした酸味、ミネラルを感じ、泡もきめ細かくクリーミーで皆様に広く好評でした。今回の選んで頂いたスパークリングはいずれも、食材を生かす和食の味に寄り添うタイプで、決して邪魔することのないもので、乾杯だけでなく、食事を通じてずっと楽しめるワインでした。フレンチやイタリアンでコースを通じて楽しめるシャンパンやスパークリングは多くあり、和食でも当店のように鮓会席のコースを通して楽しめる1本を探すというのも楽しいワインのテーマと感じました。1月以降のワイン会の様子もまたご紹介させて頂きます。鮓&ワインおーじ