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梨の日

映画『22年目の記憶』

2019.02.02 09:37

映画『22年目の記憶』(2018:韓国)


監督:イ・ヘジュン

出演:ソル・ギョング/

パク・ヘイル/

ユン・ジェムン/イ・ビョンジュン/リュ・へヨン




南北首脳会談にあたり、リハーサルを行ったエピソードからの着想。

もう、この時点で韓国すごい。


下手したら相手側にケンカを売ってるとも捉えられそうな人物描写。

でもそれが、こちら側からの事実見えて感じてるところなんですよ、と言ってる。



売れない役者とは、どれだけ人様に迷惑をかけてることやら。

恥も経済的にも。

息子に自慢すらさせてあげられない。

正直なんだか身がつままれる思いで…。←



役に飲み込まれ、自身を本物の金日成(キム・イルソン)と思い込む主人公。


そんなことあるかいと思いながらも、想像妊娠だってしてしまう人間の想像力を持ってなら、あり得るのかもしれない。

凄いとみるか、恐怖と感じるか。


役者だと、憑依型、なんて言葉も聞いたりする。

私個人の思いとしては、そんなことやなこった。

あくまで自分自身があってこそだし、

自分は自分、他人の誰にもなれないもの。

日常は自分にちゃんと戻ってきたいし、戻ってこられるから演じられるような気もしてる。

憑依型はそれはそれで凄いものとも思っているけど。



最後、ずっと息子に役者としての自分を見せてあげたかった父。

尊敬したかった息子。


たった1人の息子という観客が見た父の姿は、その妄言から多々迷惑もかけられ苦労したけど、報われた以上の最高の誇らしい姿だっただろうに。。




悲しき悪役、悲しき人生に舵を切ってしまった男の人生。


こんなに政治の話が織り込まれつつも、また新しい家族の物語だった。


作り上げた韓国映画の骨太さ、

ハリウッド並みの体の仕上げ方、

2重に演じたソル・ギョングに拍手の他ないよ。



少し長い気もした、

けど途中の、染まってゆき迷惑をかけた日々も観てみたかったような。

あー、いや、無くて、22年目にいった完成版が正解なんだろうけど。



脳内が完全に金日成として過ごし、記憶を失くしてしまった父の、

22年目の、新しい記憶。


題名もあとから響く。


コメディもありつつ、大きくも小さな熱い作品でした。



終わったあとはあの銀のスプーンで熱々の韓国料理が食べたくって。


しっかり欲求解消してきました。笑


あの湯気は凄い演出だったなぁ…。