とこしへに舞へる炎や紫木蓮 五島高資
https://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-shimokuren_large.html 【シモクレン(紫木蓮)】より
シモクレン(紫木蓮)とは
シモクレン(紫木蓮、学名:Magnolia Liliflora)は、中国原産で、モクレン科モクレン属の耐寒性落葉性中木です。別名で、モクレン(木蓮)、モクレンゲ(木蓮華)、英名ではマグノリア(Magnolia)やMulan magnoliaと呼ばれます。日本で、木蓮と言えば、この濃紅色の花を咲かせる紫木蓮をさします。中国で木蓮と言えば、ハクモクレン(白木蓮、学名:Magnolia denudata、シノニム:Magnolia heptapeta)を指します。 樹高は300?500 cmです。葉は長さ10?18 cmで互生して付きます。3月?5月に、新葉が展開する前に、枝先に6枚の花弁と、3枚の萼片で9弁花のように見える赤紫色で卵形をした花長10 cmの大きな花を咲かせます。花は外側が濃紅色で内側が白または白味がかった極薄紅色で、上向きに咲き、全開せず半開します。花後に袋果の集合果が成ります。
シモクレンとハクモクレンの違い
いずれもモクレン科モクレン属のマグノリアの仲間であり、花の形は卵形で、花の咲く向きは上向きで、半開きに咲きます。一見、色だけの違いのように見えますが、別種の植物です。
(略)
シモクレンの花言葉
「高潔な心」「自然への愛」「持続性」
一般名:シモクレン(紫木蓮) 、学名:Magnolia Liliflora 、別名:マグノリア、モクレン(木蓮)、モクレンゲ(木蓮) 、分類名:モクレン科モクレン属 、原産地:中国 、樹高:300~500cm 開花期:3~5月 花色:濃紅色(外側)・白色(内側) 花弁:6枚 萼片:3枚 萼色:緑紫色 花長:10cm 葉長:10~18cm 葉の付き方:互生 果実:袋果が集まった形
https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12664311956.html 【取り乱す姿また良し紫木蓮】より
取り乱す姿また良し紫木蓮( とりみだす すがたまたよし しもくれん )
近辺の「桜」も日に日に花数を増し、ほぼ満開になってきている。この時期は他の様々な花も開花しだし、まさに百花繚乱の様相を呈してきている。
今日取り上げる「木蓮(もくれん)は、「桜」よりも早く開花しだしたが、白花の「白木蓮(はくもくれん)」は、そのほとんどが散ってしまった。
一方、紫色の花をつける「紫木蓮(しもくれん)」の方は、少し遅れて咲き始め、満開から散り時を迎えている。
先日、その「紫木蓮」が、カップ状の姿からほつれて花びらが大きく開く様子を見たが、はっと気付いたことは、その妖艶さである。
「白木蓮」とは違って、外側の濃い紫色と、内側の薄い紫色の色合いがとてても美しく、花びらが不揃いに反りかえっている姿が何とも艶っぽい。
本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句だが、この様子を何と表現するか非常に悩んだ。「ほつれる」「くずれる」「みだれる」「しおれる」などいろいろ考えたが、最終的には「取り乱す」とした。
「取り乱す」という言葉の意味は、「①だらしなく乱す。乱雑にする。②心の落ち着きを失う。見苦しいようすをする。」(デジタル大辞泉)というもの。あまり良い言葉ではないが、もっとも状況に近いと思い採用した。
尚、もともと単独で「木蓮」と言えば「紫木蓮」のことを指していたが、「白木蓮」と区別するために、敢えて「紫木蓮」が使われことがあり、ともに春の季語になっている。
因みに、「紫木蓮」に関しては、「白木蓮」ほど句は詠んでおらず、詠んだのは以下の一句のみ。
塀越しにぽっぽっぽぽっと紫木蓮
あるお宅の塀越しに花を見て詠んだ句である。その様子を「ぽっぽっぽぽっと」という擬態語を使って表現した。
「木蓮(紫木蓮)」は、モクレン科モクレン属の落葉中高木。原産地は中国南西部。古代に中国より渡来。花期は3月~5月。葉の出る前に枝先に花を上向きに半開する。花は外側が濃い紅色ないしは桃色、内側は白。花弁は6枚、がくは3枚。花が咲いてから散るまで3~4日。
「木蓮」は、花がランに似ていることから「木蘭(もくらん)」という漢名で呼ばれていたこともあったが、ランよりもハスの花に似ているということで、和名では「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになったとのこと。別名に「マグノリア」がある。
「木蓮」「紫木蓮」を詠んだ句は結構ある。以下にそのいくつかを掲載した。(過去に掲載したものを除く。)
【木蓮、紫木蓮の参考句】
木蓮の花ばかりなる空を瞻る (夏目漱石)*瞻る (みる)
木蓮のみえて隣のとほきかな (久保田万太郎)
紫木蓮幕あくように陽が射して (小出昌子)
木蓮を仰ぎ仰ぎて郵便夫 (西村和子)
木蓮は開ききつたり犬を抱く (田中裕明)
*ほつれる前に紫木蓮
https://minamino-town.com/mannengusa/hana/%E6%9C%A8%E8%93%AE%E3%80%81%E5%A5%A5%E6%B2%B3%E5%86%85%E3%81%AE%E9%87%91%E5%89%9B%E5%AF%BA%E3%81%AB%E6%98%A5%E3%82%92%E5%91%8A%E3%81%92%E3%82%8B/ 【木蓮、奥河内の金剛寺に春を告げる!!】より
南海・河内長野駅から南西に4Kmほど行くと天野山金剛寺がある。
当寺は、女性でも弘法大師とご縁が結べる霊場であったことから「女人高野」と呼ばれて親しまれている。当寺には最盛期、子院が73ヶ寺もあったと言われているが、現在、吉祥院(きっしょういん)と摩尼院(まにいん)の2院しか残っていない。
その吉祥院で3月末から4月初め、木蓮(もくれん)の花を楽しむことができる。
木蓮の本来の花の色は、紫色で、シモクレン(紫木蓮)と呼ばれるが、我々は、白い花が咲くハクモクレン(白木蓮)を木蓮と呼んでいることが多い。花が蘭(ラン)の花に似ていることから、昔は「木蘭(モク・ラン)」と呼ばれていたが、むしろ花が蓮(ハス)の花に似ていることから今は「木蓮(モク・レン)」と、あるいは「木蘭」が訛って「モクレン」と呼ばれるようになったと言われている。
白木蓮の花が咲き、それから10日ほど遅れて紫木蓮が咲く。
花は、葉が出る前に、大きくて幅広で、しかも厚みがある乳白色の花を小枝の先に開く。また花は、上向きにやや閉じたように咲き、全開しない。そのような花の姿に筆者は何か控えめな清楚さを感じる。
そして春の日差しを受けてこの木蓮が咲くと、やっと春が来たと少し華やいだ気持ちになる。
木蓮には、何か心を躍らせるものが潜んでいるのであろうか。
この木蓮とよく似た花に辛夷(こぶし)がある。
いずれも白い花を付けるが、花弁の数が違うように見える。
白木蓮は花弁が6枚と花弁のように見える3枚のガクがあり、しかもそれらは色も形も大きさもよく似ているので、9枚の花が咲いたように見え豪華である。しかし辛夷は、横向きに6枚の花弁のみで、しかも白木蓮よりも小振りで薄く風車のような花がいろいろな方向を向いて咲く。
木蓮も辛夷も開花前には、その蕾が「北を向く」と言われている。
これは日の光を受けて南側が早く生長し膨らむためで、花先が北側を指す。そのため、これらの花の蕾を見れば方角が判ると言われ「磁石の木」とも呼ばれているようである。
ちなみに筆者の家にも木蓮も辛夷も植わっているが、今だにその実感がない。しかも花だけを見ると木蓮と辛夷の区別すら難しく、よく間違えている。
木蓮
春は、白木蓮が咲き、次に辛夷が咲いて春の訪れを告げるとその花を追いかけるように桜が咲く。そのため木蓮前線もまた、桜前線に先駆けて北上して行く。
木蓮の花が一枚散ると、その花弁は「春が来ました」と周りに白いチラシを配りながら、我々にも春の訪れを告げているように思われる。
そしてまた、白木蓮が咲くと枝イッパイに小鳥が群がって止まっているように見えるし、その風情は春を告げる白い蝶々のようにも見える。筆者はこの時、春を実感する。
この吉祥院の庭にキリシタン燈籠が一基立っている。そしてその燈籠は当寺の奥殿の入口の沓脱や奥殿の北西角にもある。しかし仏教寺院でのキリシタン燈籠の存在は、なぜか違和感を覚えるし、不可解でもある。当寺は、この燈籠がどのようなモノか、よく理解されていないのであろう。
なお、4月1日頃、観心寺の山門右の木蓮も真っ白な花を付け、我々を楽しませてくれる。