nanairo gift

息子、インフルエンザになる。《後編》

2019.02.08 07:26

病院から家に戻り、いちごやみかん、ヨーグルトを食べるとめずらしく1時間くらい寝てくれました。


普段家にいるときはあまりお昼寝をしてくれないので、やっぱり具合が悪いんだなぁ。

高熱も出てるしね。



起きてからは動きがゆっくりながらも「あそぶ、あそぶ」と一緒にお絵描きしたり。



しばらくすると自ら「ねんね」と寝室に行くという。


寝てるあいだも息が苦しそう。

寝るには寝るけど、ちょこちょこ起きてしまう。



一度起き上がると言うので、抱っこしてリビングへ。

このとき18時過ぎ。

熱を計ると40度になってました。



うわぁ…

ヘロヘロの息子。

さすがに心配…。

大丈夫だからね、ママがずっと一緒にいるからね、そんな言葉をかける。


抱っこしてキッチンに行けというので、抱っこして歩き出す。



何か食べたいの〜?と話しかける。

どうしようか〜?

ん?どこ見てんのー?

なんか明後日の方見てる?

…あれ?



完っ全っに固まってる…?



体も顔も完全に硬直していて全く動かない。

まばたきもしない。

死後硬直ってこういう感じだろうか。



名前を呼んでも反応が全く無い。



嘘でしょ…!?



なんだか揺らしちゃいけない気がして、何度も名前を呼ぶ。


完全に硬直。



どうしよう…!!


パニックになりそうだけど、今は私しかいない。

しっかりしなくちゃ。

救急病院に連絡…

1分1秒を争うことかもしれない。

判断間違ったらどうしよう。



お願い!戻ってきて!という思いで名前を呼び続ける…



完全硬直は続く。

だんだんと唇は青くなっていく。



死んでしまうかもしれない…!

死なせてしまうかもしれない…!

お願い!助けて…!!

お願い!このコだけは助けて…!!!



どうしようもない恐怖。

今までに感じたことのない「死」への恐怖。



ゲホッ、ゲホッ…

苦しそうな音を出し始める。

意識ないまま泡を吐く。



泡を吐くと顔色が戻り、私に寄りかかってそのまま寝出しました。



ふぅー…。

とりあえずホッ…。



あれは何だったのか…


ぐったり寝てる息子を抱いたまま、ネットで検索してみると、熱性けいれんという高熱による意識障害のようで、小さい子に見られるもののようでした。



とっとりあえず大丈夫っぽい…。

よ、良かった…。


脱力〜〜…。



あまりに衝撃的だったので、念のため地元の救急診療に電話をして一連を話し、そのまま様子を見て大丈夫とのことでした。



その晩も苦しそうに何度も起きる息子。

このコが少しでも安心できるように微笑んで抱きしめたり手を握る。


そんな感じで、その晩は私もほぼ眠れずでした。


夜中に何度も硬直した息子の映像がフラッシュバック。

思い出す度、すごくすごく怖くなった。


起きてはうなったりしていた息子も、時間が経つにつれてだんだんと楽になってきたのか、起きたときに

「ママ、好き…」 zzz…

と一言いって寝られたときはたまらんかったです…





硬直していたのはたぶん数分のことだったと思う。

どれだけの時間に感じたろうか。

35年間生きてきて、初めて直面した大切な人の「死」への恐怖。

死というものを感じたときに、出てくる思考と感情。


自らの死ではないけど、死に対しての自分の現在地が見えたように思う。





翌日起きると、熱は下がってケロッと元気になった息子。



この日の病院の両親学級は延期。

私としては体のことがあったのでこの日に済ませておきたかったんだけどな。

(立会い出産には受講が必須なので)



なんとなくだけど、この日にぶつけてくるあたり、息子の最後のあがきだったのかな、なんて思う。


下の子が生まれると今までのようになかなか甘えられないし独り占めできなくなるもんね。

インフル休暇中は元気になってもいつも以上にママとお父さんにくっつき虫。

その姿は楽しそうで嬉しそう。




息子はケロリとしてくれたけど、私の方は…

撃沈っす…

24時間つきっきりの距離0センチの看病により、心身ともに疲弊…

体が自分のものじゃないように朝から全く動かない…


そして、発症…

妊婦、インフルになる…


熱のせいかお腹もよく張るし、今までにない痛みも発生。

子宮頸管が短くなっていたから殊更に心配で、あぁお腹のコだけは無事でいて〜!

というドラマを展開しました…



きつかったけどお腹も無事で、今は母体も回復しました☺️✨



息子と私、手放しや浄化でも起きたかなぁ。




息子が今年引いたイルみくじは、

「大切なものはなくならないから、

   安心して手放していってください」



まさに…!?

頑張れ、息子!