お絵かきは苦手だったけど、かけっこが得意だった人へ
私は仕事上、沢山の打ち合わせを行っている。人から見たらたいしたことない数かもしれないが、自分にとっては、いっぱいいっぱいになることもある。
打ち合わせの内容は、ピンからキリまでなので、特定できないが、それこそ、経営の話や企業の戦略の話、また営業戦術の話やプライベートのお悩みや自分の生き方や、さらには破廉恥な話まで、とにかく多種多様だ。
こうやっていろいろな打ち合わせをしていると、いかに「計画」が重要かを感じることができる。想定をし、計画を立て、それを見える化する。現代の時代においてそれはとても重要なスキルのひとつなのかもしれない。
自分自身、この数年で、自分なりに、この計画を立てることは、それなりにスキルアップしたつもりだが、やはり上には上にいて、本当にその計画を立てることが芸術的に上手い人もいる。純粋に感嘆する。
話は変わるが、スタートアップの企業のかたと話をすることがたまにある。彼らは自力でサバイバルしていくか、第三者割当で資金を入れてもらうかの二択にまず迫られる。お金の力というのは、バカにはできないもので、時間を飛び越えて計画を前倒しにできることができる。採用やプロモーションも資金が入れば圧倒的にスケールメリットがだせる。
サービス内容によるが、資金を出してもらった方が良いケースも多々あるだろう。
資金捻出のためには、魅力的で確実性の高い計画を投資家にアピールしなければいけない。そうすると精度の高い計画を書かなければいけない。それはたとえるならば、完璧なお絵かきだ。どれだけの色を使い、構図を決め、絵の詳細まで詰めることでよりリアルな絵を浮かび上がらせる。
しかし、忘れてはならないのは、このお絵かきがお絵かきのまま終わることも、結構あったりする。勿論、そうではない企業様も沢山あるが、とりあえずお絵かきが終わって終了するケースも少なからず見てきた。
お絵かきが終わった後は、調達したそれなりの金という武器を持ち、市場という戦場に赴かなければいけない。そこは、血も涙もない世界だ。いくらお絵かきが上手い人でも、屈強な戦士と戦えばひとたまりもない。また、そこには予期せぬ天候の変化があり、思いもよらない状況の変化が起こる。
そこで優遇されるのは、お絵かきの上手い人ではない。かけっこの早いやつだ。
計画は描けないかもしれないが、 瞬発力に優れ、野生の勘が働き、結果を出すやつだ。
ちなみに創業者で成功された人はこのお絵かきとかけっこの両方が優れている。計画を立て、迅速に実行し、結果を出す。ある意味、特殊な能力だ。
また近年で優遇されるのは、かけっこの早いやつではなく、お絵かきのできるの傾向があるように個人的に感じる。
かけっこのできるやつは、今の時代が面白くないかもしれない。
運動会では負けないのに、何故、絵が上手く描けないのだろうか。と病んでいるかもしれない。オレは仕事ができないんじゃなかろうかと自信を失っているかもしれない。
しかし気に病むことはない。
絵には流行り廃りがある。
いつの時代も足の速いやつはヒーローだった。
もうすぐかけっこの早いやつの時代がやってくるだろう。