ボルトオンは相性によりボルトオンじゃなくなるんです。
日本ではボルトオンと言う言葉が根付いてだいぶ時間が経ちますね。我々バイク屋さんはボルトオンパーツと言えば、無加工・簡単フィットと言うイメージが浮かびますが、
英語でBolt Onを調べてみると
「機械締め可能な~」
と言う意味になるそうです。
つまり、ボルトでとめる事は出来るけど、それで簡単に取り付け可能と言う意味とは少し違うようです。
(ま、そりゃそうか)
例えば車なんかでよくある「ボルトオンタービンキット」
確かにタービンを換装するにあたって必要な配管類や、ネジ類、ブラケットなんかも付属されてます。
とても親切な設計です。
ですが、ネジピッチがキチンと合うかと言うのはこれまた別の話。
アメリカからお取り寄せしたりすると、むしろそれがデフォルトであったりします。
「これだから海外製のパーツは嫌になっちゃうよなぁ」なんて話は良く聞きますが、そもそもボルトオンと言う概念が日本人だけ間違っているような気もしたりします。
ちょっとでもネジ穴がズレてるだけで取り付かない!!と酷評を受けてしまうことも。
私も以前の職場ではそういったお言葉をもらう側でした。
ま、ズレてるのは確かに問題であって、改善するべき点なのは間違いありません。
ですが、日本製のパーツはとても精度が良いと毎度感動したりします。
これが当たり前の我々日本人ですが、案外日本製のパーツもチョイスによってはボルトオンじゃなくなります。
今回、Freak'S Pit製のメーターステーを使って、POSH Faith製TZトップブリッジ+ハンドルストッパーでセパハン仕様と製作します。
まずは純正トップブリッジからメインキーを摘出します。純正キーは盗難防止ボルトが採用されておりこれを破壊するところから始まります。
大げさにフライスで行きますが、ドリルだと芯を狙うのが定まりにくいのと、取り外したキー側のアルミを多少削ってしまうリスクを回避するために治具を私は使って破壊します。
取れるとこんな感じ。セパハン化するにあたって一番難儀な作業かもわかりません。
余談ですが、ちょっとステムベアリングに違和感を感じましたもんで、ステムを取り外してチェック+グリスアップしておきます。こういう作業もこのタイミングだと工賃が抑えられたりします。
POSH FaithのTZトップブリッジは同社で販売しているハンドルストッパーを併用してかつ、ハンドルロック可能がうたい文句で、つまりは車検対応と言うことになります。
が、ちょっとポン付けというわけには行かないようです。(って作ったのおまえだろってツッコミはなしでw)
どうしても車体の寸法誤差といいますが、個体差で簡単にいかない場合もあるのです。
で、ハンドルロックを掛けた状態で改めてハンドルストッパーをあてがってみたら、ほんの少しだけネジ穴のピッチが合わない。
こういうのを強引に締めこんで力技でごまかすとあとで泣くのは自分ですよ?(笑)
というわけで、リューターを用いて少しだけハンドルストッパー側の穴を加工します。
無事にハンドルロックも使えてかつ、ストッパーを追加しているためにセパハンを絞る事ができます。
これやらないセパハンは横一文字みたいになっちゃいまして、とっても乗りずらくなります。
そして、メーターをマウントしてチェック。Freak's Pitのステーはローマウントが可能になるわけですが、POSH Faithのトップブリッジはハンドルロック可能となるためキーが大きく左側に傾きます。(DAYTONAも同様)
従ってこのまま取り付けるとメーターのカバーとメインキーが干渉。
どちらが不良でもないし、むしろどちらも正解。両者ともにお互いのパーツを取り付けることは加味されていない設計なのでボルトオンパーツであってもそういうことが起こります。
Freak's Pitは純正トップブリッジを使う前提。POSH Faithは純正メーターを使う前提の設計ですから。
なので、カラーを使ってちょっとだけ上へ上げます。(干渉しない程度)
ひとつひとつをキチンと取り付ける事でカスタムのクオリティーもあがるってもんなので、ここは手抜き厳禁。
マスターシリンダーも純正流用のセミラジへ。もちろんボルトオンですが、配線加工とか、なんやかんやと他に必要になるものもあるので、地味~に時間がかかるのです。