夜の森ペレリン
2019.02.05 13:00
ビロードのような闇
快く暖かい始まりの暗さ
一粒の砂は 光る小さな種
芽を吹き
葉が開き
茎が出て
蕾がつき
さまざまな色の燐光を発する
見事な花がいくつも開いた
と思うまもなく
小さな実になり
すぐに熟してミニロケットのようにはぜ
新しい種子が色とりどりの
火花の雨になって飛び散った
そうして光を放つ夜の植物は
いよいようっそうと茂り
たがいにからみあって
やわらかい光からなる
見事な織物を織り上げていった
夜の森ペレリン
はてしない物語
第二章
新月の夜に🌑