魚沼市 二等三角点「大平」到達 2025年 春
“観光鉄道「山の只見線」”の利活用について、私的に候補を挙げ検証登山をしている“只見線百山”。今日は魚沼市の二等三角点「大平」(319.5m)を持つ山。小出駅からも見えるこの山に、JR只見線の全線乗車後に登った。
二等三角点「大平」を持つ山(以下、“大平山”)は、只見線・上越線の小出駅の北2kmほどの場所にある。低く平たい山で、地理院地図を見ると、三角点標石のある場所付近まで林道が通じている。*下図出処:国土交通省 国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」URL: https://service.gsi.go.jp/kijunten/
このため、小出駅から輪行した自転車で“山を登る”ことになり、山頂に行くことは登山ではなく“到達”とした。
今日、魚沼市の天気予報は曇り時々雨。今回、当初の予定では、大白川駅最寄りの二等三角点「大白川」を持つ山と、そこから西に7kmほど離れた二等三角点峰「ほとら峰」に登る事にしていた。
しかし、福島‐新潟県境を貫く六十里越トンネルに入る前に小雨が降り出し、最寄りの大白川駅に到着しても降り続いていたため、双峰の山行を断念し、急遽小出駅から“大平山”を目指す事になった。
*参考:
・福島県:只見線ポータルサイト
・福島県・東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社:「只見線全線運転再開について」(PDF)(2022年5月18日)
・(一社) 魚沼市観光協会:秘境を行く! JR只見線
・(公社)新潟県観光協会:にいがた観光ナビ「JR只見線」
・魚沼市 だんだんど~も只見線沿線元気会議:Facebook (URL: https://www.facebook.com/dandandomotadamisen )
・BSN新潟放送公式チャンネル:【そらなび ~にいがたドローン紀行~】「第73回「只見線(魚沼市)」2020年2月29日放送」
・NHK:新日本風土記「動画で見るニッポンみちしる~JR只見線」
・産経新聞:「【美しきにっぽん】幾山河 川霧を越えてゆく JR只見線」(2019年7月3日)
・拙著:「次はいつ乗る?只見線」カテゴリ -只見線の春- / -私選“只見線百山”候補の山行記-
昨日に会津若松市入りし、前泊。今朝只見線の始発列車に乗るために会津若松駅に向かった。
中央の入口から駅舎に入ると、正面には、「ぽぽべぇ」のパネルと、“2匹”の赤べこが置かれていた。*「ぽぽべぇ」:JR東日本 会津若松エリアプロジェクト オリジナルキャラクター
改札前の掲示版には、只見線の運行状況について『2月の大雪の影響によりバス代行輸送を実施しております』と記されていた。通常、只見線の下り始発列車(6時8分)は小出行きだが、2月の大雪の影響が残り現在は会津川口駅止まりになっている。そのため、列車案内の“会津川口”が赤字になっていた。
運休区間の会津川口~只見間(27.2㎞)は代行バスが運行され、只見駅から先は列車が通常運行されている。
輪行バッグを担ぎ改札を通り、只見線の4-5番線ホームに向かうため跨線橋を渡った。上空には鼠色の雲が広がり、北東に見えるはずの「磐梯山」(1,816.0m、会津百名山18座)もすっぽり雲に覆われていた。
ホームに下り、既に入線していた列車に乗り込んだ。
6:08、只見線の下り始発列車が会津若松を出発。切符は、まず二等三角点「大白川」を持つ山に登ってから自転車で「ほとら峯」登山口へ、と考えていたので会津若松~大白川間(1,980円)を購入した。
列車はキハE120の2両編成で、発車時の乗客は先頭が11人で、私が乗る後部が5人だった。
七日町、西若松を経て、列車は大川(阿賀川)を渡った。上流側に見えるはずの「大戸岳」(1,415.7m、同36座)の山塊も、雲に覆われてまったく見えなかった。
会津本郷を出発直後に、会津美里町に入った列車は会津高田手前で宮川を渡った。ここからも、いつも眺められる「明神ヶ岳」(1,073.9m、同61座)と「博士山」(1,481.7m、同33座)も、全く見えなかった。
“高田 大カーブ”で、列車は進路を西から北に変えた。
両側には水の張られた田が続き、特に右(東)側は広大で、壮観だった。
根岸を出て新鶴手前で左車窓を見ると、北に向かった緩やかに標高を下げる西部山地に、“只見線百山”候補の「馬立山」(488m)が見えた。
若宮から会津坂下町に入った列車は、会津坂下に停車。上り一番列車(会津川口発)との交換を行った。
会津坂下を出た列車は、短い田園の間を抜け、右に大きく曲がりながら会津平野と奥会津を隔てる七折峠に向かった。
登坂中盤、塔寺手前で木々の間から会津平野を見下ろした。
“七折越”を終え会津坂本を経て柳津町に入った列車が、会津柳津に停車。廃ホームには、只見川ライン協議会を構成する奥会津1村4町を代表する景観が並んだ大きな看板が設置されていた。
会津柳津を出た列車は、郷戸手前で“Myビューポイント”を通過。「飯谷山」(783m、同86座)は山頂が雲の上に出ていた。
滝谷を出た直後に、“只見線八橋”の先鞭を付ける「滝谷川橋梁」を渡り三島町に入った。*以下、各橋梁のリンク先は土木学会附属土木図書館デジタルアーカイブス「歴史的鋼橋検索」
そして、会津桧原を出発後に桧の原トンネルを抜けると、「第一只見川橋梁」を渡った。下流側の山々の中腹には雲の帯が掛かり、只見川の蛇行部には川霧が漂い良い風景がった。*只見川は東北電力㈱柳津発電所・ダムのダム湖
上流側、駒啼瀬の渓谷は春の多様な緑がせめぎあい、こちらも見ごたえがあった。
そして、正面の右岸上方に立つ鉄塔の下にある「第一只見川ビューポイント」のCポイントと最上段Dポイントには、数名の“撮る人”の姿を確認した。
会津西方を出発直後に「第二只見川橋梁」を渡ると、上流側の「三坂山」(831.9m、同82座)は、うっすらと雲に覆われていた。*只見川は柳津ダム湖
会津宮下では、列車交換のためしばらく停車した。しばらくすると、“只見線百山”候補としている「荒倉山」(602.4m)を背景に、キハE120の2両編成がやってきた。*参考:拙著「金山町「荒倉山」登山 2025年 早春」(2025年3月22日)
会津宮下出発後、東北電力㈱宮下発電所の背後、そして宮下ダムの脇を駆けた列車は「第三只見川橋梁」を渡った。上流側は、上方の山々に霧のような雲が掛かり、幻想的な眺めだった。*只見川は宮下ダム湖
滝原トンネル、早戸トンネルを抜けた列車は、早戸に停車。下流側に壁のように見える活火山「沼沢」の北東裾には、全体に雲が掛かっていた。
そして、駅から上流側に200mほど離れた場所にある、観光和舟の船着場にはスタッフが居て、列車に向けて手を振って下さった。
早戸を出た列車は、金山町に入り、左に大きく曲がりながら細越拱橋を渡った。
会津水沼を出ると、まもなく下路式の「第四只見川橋梁」を渡った。
そして、会津中川を出た列車は大志集落の背後を駆け抜け、只見川が近づくと、右に大きく曲がった。振り返ると、水鏡となった只見川の水面に、突き出た大志集落が周囲の景色とともに上下対称の映り込んでいた。
空気は湿気を含み、微かに靄が掛かったようだったが、只見線を代表する眺望は見ごたえがあった。
8:05、列車は、区間運休中の終点・会津川口に到着。
降りた客の大半は観光客のようで、ホームから目の前の風景などを眺めたり、写真を撮ったりしていた。
輪行バッグを携えて駅舎を抜けると、駅頭に代行バスが停車していた。
8:20、代行バスが、会津川口を出発。駅頭を右に曲がり国道252号線を南西に向かった。
国道252号線を快調に進んだ代行バスは、只見川の支流・只子沢を渡り只見町に入った。
橋の手前には“新潟方面 通り抜け不可”と記された黄色の看板が立てられていた。国道252号線の福島‐新潟の県境となる六十里越は国内有数の豪雪地帯で、例年11月から翌年の5月のGW前後まで通行止めになっている。この看板はそれを知らせるものだが、今年は福島県側に架かる出逢橋が雪崩によるものか流出してしまい、再開通の見通しは立っていない。*下記事出処:福島民報 2025年4月12月(土)第一面より
9:10、代行バスが只見に到着。駅頭には定期路線ワゴン「自然首都・只見」号が停車していた。*参考:只見町「定期路線ワゴン(只見駅⇔会津田島駅)自然首都・只見号の運行について(R4.10.1~)」(PDF)
小出行き列車の出発まで、少し時間があったので、駅近くにある瀧神社に向かい、散り始めの桜越しに待機している列車を眺めた。単行1両編成)のキハ110旧国鉄色は長閑な景色に映えるな、と思った。
このキハ110旧国鉄色は、先月17日に運転を再開した様子を伝える地元紙に掲載された記事の写真に収まっていた。*下記事出処:福島民報 2025年4月18日付け紙面
駅に戻り、ホームに向かった。
ホームに行き駅名標を見ると、「只見ふるさとの雪まつり」と橋梁を渡る只見線の列車のステッカーが貼ってあった。橋梁は、なぜか三島町にある「第一只見川橋梁」だった。「第一只見川橋梁」は只見線を象徴し最も有名な鉄橋とは言え、この選択は『どうなんだろう⁇』と思った。
ホームの先に移動し、現在列車が走っていない会津川口方面を眺めた。
駅舎側のレールの上には枕木が載り、乗り入れできない状態になっていた。
この“只見線棒線化(列車交換不可)”のおかげで、会津宮下~大白川間の、63.8kmで列車の交換ができず、大雨や大雪等でダイヤが乱れた場合に大幅な遅延が発生している。また、観光列車などの臨時列車の増発でもダイヤ設定に制約ができ、さらにJR東日本の管轄が分かれる(東北本部と新潟支社)、只見駅で乗客の利便性が高い対面乗換ができなくなっている。
只見線が“観光鉄道「山の只見線」”として確立し、末永く存続してゆくためには、只見駅のこの棒線化を止め、交換可能駅とすることが必須だ、とこの光景を見て強く思った。
9:30、小出行きの列車が只見を出発。駅舎や宮道踏切では多くの方々が列車に手を振り、見送ってくれた。
列車が上町トンネルと複数のスノーシェッドを抜けると、左車窓から電源開発㈱只見発電所・ダムの洪水吐が見えた。さらに後方にある同田子倉発電所・ダムの谷間を塞ぐ巨大な堰堤は霞んで見えた。
列車はディーゼルエンジンの出力を上げて坂を駆け上り、田子倉トンネルを抜けた列車は、余韻沢橋梁を渡った。田子倉ダム湖は水位を下げているようで、“只見沢入江”の河岸は50mほど剥き出しになっていた。
列車は渡河後、スノーシェッド内にある田子倉駅跡を通過した。先頭に移動するとフロントガラスに雨粒が付いていて、『大白川駅で下車しての登山は、厳しいかも』と思った。
9:39、「六十里越トンネル」(6,359m)に突入。山間ということからか、雨脚は意外と強いようで、フロントガラスには、絶え間なく雨粒が叩きつけられていた。
7分ほどで「六十里越トンネル」を抜けて、新潟県魚沼市に入り「第十六末沢川橋梁」を渡った。雨は降り続いた。
列車には新緑が迫り、車窓から鮮やかな若葉が見えた。
只見線とほぼ並走する国道252号線は除雪されていた。冬期通行止め(只見町石伏字宮渕~魚沼市末沢)の全面解除は、前掲した記事の通り只見町側の出逢橋の崩落で無理だが、新潟県側だけでも解除するのではないだろうかと思った。
「第六末沢川橋梁」を渡ると国道252号線の茂尻橋が見えた。真っ赤な下部鋼材は、今日も鮮やかだった。
9:58、大白川に停車。車窓から外の様子を見ると、細かい降り続いているようだった。列車の後部に行き、二等三角点「大白川」を持つ山を眺め『登山路の無い籔山で、雨の中登るのは厳しい』と考え、予定を変更し、終点・小出まで行き“大平山”に登ることにした。
この大白川駅の2階には「そば処 平石亭」があるが、先月の27日(日)から営業を始めたようで天井灯が点いているのが見えた。この四連休(5/3~6)も、大いに賑わうのだろうと思った。
9:59、列車が大白川を出て、しばらく駆けると「第四平石川橋梁」を渡った。右車窓から下流側を眺めると、雪融け水で勢いを増した破間川を挟んで、新緑と国道252号線の柿ノ木スノーシェッドの真っ赤な鋼材が良い風景を創っていた。
この後、列車は入広瀬、上条、越後須原、魚沼田中、越後広瀬、藪神の各駅で停発車を繰り返し、少数ではあるが乗客を増やしながら進んだ。
10:41、終点の小出に到着。
駅頭に出て、自転車を組み立てた。今回は移動距離が短いということで、Dahon社の折り畳み自転車を輪行してきた。
駅頭からは、目指す“大平山”が見えた。登る前に目指す山が、只見線の駅から見えるのは、“只見線百山”に入れる重要な要素になるなぁ、と思った。
11:50、自転車にまたがり、“大平山”に向かって小出駅前を出発した。
駅前を通る県道371号(堀之内小出)線を2kmほど進み、国道17号線に合流。前方に“大平山”の山塊を見ながら、堀之内橋で魚沼川を渡った。
渡河後まもなく左折し、県道230号(滝之又堀之内)線に入り、直後に右折し田戸地区の田圃の間の道を進んだ。
そして、関越自動車道のカードを潜った。
12:04、カードを潜り抜け高速道を左に見ながら進むと、まもなく道は右に折れスギ木立の間に延びた。右脇には、“林道大平線 起点”と記された折れた標杭が立て掛けられていた。
ここで、熊鈴を身に付け、クマ除けの電子ホイッスルを手に持ち進んだ。
林道は、徐々に傾斜を増し...、
400mほど進むと、九十九折れになった。見上げると、斜面に通された林道の石積みの擁壁が見えた。
2箇所のヘアピンカーブを抜けると、前方に山の稜線が見えた。
途中、崖崩れが数箇所あった。今冬の大雪の影響か、崩落箇所は新しいように見えた。
残雪も見られた。またしても、『今年の雪は多かったんだなぁ』と思った。
12:21、林道の先が開けた。
自転車を停めて、ゆるやかなカーブの突端に行くと、魚野川の向こうに広がる堀之内地区の街並みが見られた。
眺望ポイントを後にすると、まもなく前方に切通しが見えた。
切通しは、両側に苔むした擁壁が見られ、かなり深く切り通されたようだった。
切通しを抜けると、数匹の鳥が目の前を飛び回った。枝に止まったその鳥に向かってカメラをズームにすると、スズメのように見えたが、それにしては尾が長かった。スマホで調べてみると、ホオジロのようだった。
12:28、路面に残雪が見られるようになった。地理院地図で調べると標高は230mほどだったが、日陰になる部分の雪融けは遅いようだった。
積雪箇所を抜けると、なだらかな坂が続いた。
坂は思いのほか長く続いた。雨は止んでいたが、木々の枝には水滴が見られた。また、雪が残る場所では、霧が出ていた。
12:41、西に向かって延びる林道を進むと、カーブの先が大きく開けた。
カーブで止まってみると、眺望が得られた。大きく曲がる破間川の先には薬師スキー場、その左には「御岳山」(240m)、右には「鳴倉山」(578m)や僅かに雪を残した「笠倉山」(906.9m)が見えた。さらに右にある「越後駒ヶ岳」(2,002.6m)は。雲に隠れていた。
カメラをズームにして只見線を探すと、中島踏切が確認できた。
このカーブの先はスギ木立に覆われた場所で、日陰が続く場所のようで残雪も多いため、自転車を置いて歩いて進んだ。
12:45、雪塊から立ち昇る霧(水蒸気⁉)の中を進むと、まもなく林道の終点になった。
そこで左側(西)にある三角点に向かって、短い斜面を登り進んだ。
スギ木立の間を進むと、まもなく前方が明るくなった。
そして、ササが点在する場所の地面を見ながら、開けて明るい方に進むと、それはあった。
12:48、二等三角点「大平」に到達。
苔むした側面を見ると、確かに“二等”の文字が彫られていた。
*二等三角点「大平」
基準点コード:TR25538770602
北緯:37°15′06″.8007
東経:138°57′02″.3396
標高(m):319.49
設置:明治38年11月19日 *「点の記」より
*出処:国土地理院地理院地図「基準点成果等閲覧サービス」
(URL:https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/)
三角点標石に触れて、“大平山”登頂を祝った。只見線の小出駅から、1時間とかからず二等の三角点に到達し、昨日、金山町「袖の窪山」の5時間弱の山行と比較し、『同じ二等でも、これほど違うとは...』と三角点の不思議さを思った。
“大平山”山頂からの眺望。
東側は切れ落ちているようだったが、ササや灌木が繁り、見通しは悪かった。
少し刈払いすれば、自転車を置いたカーブから見られた眺望が得られるだろうに、と感じた。
他方角は、スギ木立を見るようだった。
南側。
西側。
そして、北側。
12:57、“大平山”山頂を後にした。
林道に戻り、雪上を歩いて自転車に乗って坂を下った。
13:16、関越自動車道脇の林道起点に戻った。15分ほどで下り終えたが、この効果を体験する度、『輪行は良い!』と思ってしまう。
熊鈴と電子ホイッスルは、ここでお役目御免。誰にも遭わなかった今回の山行でも、クマを遠ざけてくれたであろうと勝手に思い、熊鈴と電子ホイッスルに感謝した。
13:28、小出駅に戻った。
そして、さきほどまで居た、“大平山”を眺めた。
“大平山”登山を無事に終えた。
林道の終点からわずかに歩いただけの“登山”で、今までの只見線沿線の登山で、一番気楽に、早く三角点標石にたどり着くことができた。
山頂(三角点設置点)からの眺望は藪に阻まれて無かったが、林道終点手前からは見晴らしが良く、天候次第で「越後駒ヶ岳」や、「中ノ岳」「八海山」を含めた越後三山”が見られる可能性もあるようだった。また、山頂の開けた東側は、かなり切れ落ちているので、“眺望創出”のために刈払いをすれば、なかなかの眺望が得られるのではないかという状態を確認でき、大きな収穫だった。
“大平山”を私選“只見線百山”に入れるべきかどうか。まだ断定はできないが、有力な候補だという印象を受けた。“大平山”が只見線の列車内から見える山ということをベースに、“二等”の三角点を持つ山でありながら、只見線の駅から約6km、自転車では1時間ほど、徒歩でも2時間30分程度で到達できるというは貴重だからだ。
また、“大平山”は魚沼丘陵の中にあり、只見線沿線の会津平野や奥会津と違った地形を体感する上でも選定上、大きなアドバンテージがある、と今回の山行を通して思った。
登山後は温泉。
小出スキー場方面に向かい、坂を上った。開けた場所からは、南東に「笠倉山」や「鳴倉山」が見えた。“越後三山”は、雲に隠れたままだった。
北東には“権現堂山”(「下権現堂山」(896.5m)、「上権現堂山」(997.6m))と、「唐松山」(1,079.3m)山頂は雲に隠れていたが、その西にある「猫岩」が確認できた。
小出スキー場を右上方に見ながら進んで行くと、目的地が見えた。
13:41、日帰り入浴施設「見晴らしの湯 こまみ」に到着。駐車場に車は多く、浴室は混雑していた。
「見晴らしの湯 こまみ」
源泉名:青島源泉
泉 質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性中性温泉)
泉 温:37.8℃
湧出量:45L/分(動力揚湯)
pH:7.3
温泉にゆっくり浸かり、休憩スペースで休み、1時間30分ほど滞在し「見晴らしの湯 こまみ」を後にした。受付で冬の“越後三山”のカードをいただいた。
今日は見られなかったが、雲が無ければここの露店風呂から“越後三山”を見る事ができる。この夏に“越後三山”縦走の登山計画を立てているが、写真の稜線を眺め、改めて大変な山行になるだろうと思った。
宿に向かう途中、往路では見えなかった「唐松山」(1,079.3m)が姿を現してた。“ニセ唐松”とはよく言ったものだ、と稜線を見て思った。
市街地に向かう途中、小出橋から“大平山”を眺めた。標高300m台の山とは思えない、堂々とした山塊に見えた。
山頂(三角点)は針葉樹に覆われ、東の斜面はかなり切れ落ち、広葉樹が密集しているようだった。
小出駅前に戻り、今晩の宿である「ホテル オカベ」に向かった。只見線・小出始発列車(5時36分)に乗る旅人が多く利用する宿だ。
夕食は、「そば処 富永」で『地酒を呑み、〆に蕎麦』と考え入浴後に市街地に向かったが、店を覗くと満席で断念。コンビニで地酒と「栃尾の厚揚げ」などの食材を調達し、宿で晩酌をした。
明日は、只見線の始発列車に乗車し、只見町の「苧巻岳」に登る。登山道無しの山なので、地理院地図の等高線を見て取付きルートを再確認しながら、チビチビと地酒を呑んで夜を過ごした。
(了)
・ ・ ・ ・ ・
*参考:
・福島県 :只見線管理事務所(会津若松駅構内)
・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線について」(PDF)(2013年5月22日)/「只見線(会津川口~只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(PDF)(2017年6月19日)
・福島県:平成31年度 包括外部監査報告書「復興事業に係る事務の執行について」(PDF)(令和2年3月) p140 生活環境部 生活交通課 只見線利活用プロジェクト推進事業
【只見線への寄付案内】
福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。
①福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金
・只見線応援団加入申し込みの方法
*現在は只見線ポータルサイト「只見線応援団」URL:https://tadami-line.jp/support/
②福島県:企業版ふるさと納税
URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005g/kigyou-furusato-zei.html
[寄付金の使途]
(引用)寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 沿線地域における日本一の秘境路線と言われる観光資源を活用し、更なる利用者の拡大と認知度向上を図ります。
以上、宜しくお願い申し上げます。