『Little Jumping Joan』アンリエット・ウィルビーク・ル・メール & 原倫子
2025.05.03 05:23
原倫子さんは、今回のオマージュ展ではアンリエット・ウィルビーク・ル・メールへのオマージュ作品を制作して下さりました。
ウィルビーク・ル・メール(1889-1966)はオランダ出身の絵本作家です。10代の頃にフランス絵本作家の大家ブーテ・ド・モンヴェルの指導を受け、その才能を開花させました。
1910年代に出版した数冊の童謡絵本は今なお形を変え再版され続け、世界中で愛されています。
原さんはそのウィルビーク・ル・メールがマザーグースの童謡に付けた絵『Little Jumping Joan』を原さんのスタイルで描き出しました。
ウィルビーク・ル・メールの持つ牧歌的で素朴な優しさが、原さん手を経ると洗練された都会的な感覚を帯びるのは本当に不思議です。
Here Am I Here am I, Little Jumping Joan,
When nobody's with me. I'm all alone.
ただ、一人遊びをする少女の心の声のようなこの歌の絵。
この少女を、原さんがしっかりと微笑ませていることを発見すると、見ているこちらが何だかニヤリとしてしまいますね。
原さんの引く輪郭線と、色彩の魔力で柔らかく浮き出る、浮遊する不敵な微笑みを浮かべる少女の姿は、この二人の作家の間にあった100年という時を、軽々と飛び越えていくかのようです…。
本展図録には、原さんがこの作品をオマージュするに至った動機も書いてくださっています。どうぞこちらとあわせてご覧くださいませ。
作品、図録ともに、オンラインストアからご購入可能です。