「窓辺」Freyhold × シバタリョウ
シバタリョウさんは、今回のオマージュ展ではK・F・F・フライホルト(1878-1944)へのオマージュ作品を制作して下さりました。
シバタさんは当店のショップカードやショッパーなどのイラストを描いて頂いている、当店ではお馴染みのイラストレーターさんかと思います。
そんなシバタさんの選んだ作家、フライホルトはドイツの絵本作家です。
現代美術の感覚を初めて絵本の世界に持ち込んだ作家とも評価されており、1908年に出版した「HASENBUCH」(クリスティアン・モルゲンシュテルン 詩)は現在のドイツでも再版され続け、ドイツ絵本の古典として、今なお非常に評価の高い絵本作家です。
(個人的なことですが、今回作家さんが選ばれたオマージュされた昔の作家たちの中では、以前から一番好きな作家でした)
シバタさんはフライホルトのこの特異な色彩と形の単純化(抽象化といったほうが適切でしょうか)を見事に掬い取り、紛うことなきシバタさんの作品に仕上げてくれました。
シバタさんが描いた作品を見る前には、シバタさんとフライホルトの共通する部分には、自分はあまり気付けていなかったのですが、完成した作品を見ると、シバタさんとフライホルトの間にともに流れていたものがハッキリあったのだと感じるから不思議ですね。
さらに面白いのは元のフライホルトの絵とシバタさんの絵はほとんど同じ構図なのですが、空を飛ぶ蝶は鳥に置き換わり、イースターを指し示すあれこれなどが、それぞれ違う小物に変わっていることです。
場面はイースターの遊びが、外から部屋の中へと切り替わるところ。
春の喜びを祝うお祭りは、その喜びをまとったまま子ども部屋、そして食卓へ…。
どのような意図があって、シバタさんが手を加えたのか、色々と想像するのも楽しいですね。
シバタさんに寄せた頂いたオマージュ展への文章は、本展の図録に記載しております。
作品、図録ともに、オンラインストアからご購入可能です。
どうぞご覧くださいませ。