男性の更年期障害の漢方処方
2019.02.06 07:20
更年期障害は女性だけの疾患ではなく、男性にもあります。
働き盛りの年齢を迎える男性の更年期障害は女性よりも深刻で期間が長引くことがあります。
男性の更年期障害はLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)を含めた、男性ホルモンの低下で起こります。
症状は女性と同様、精神症状・身体症状があり、男性は性機能関連症状があります。
男性は女性よりも「冷え」に対する自覚症状がありませんが、全身機能の低下が冷えやすい状態をつくってしまうようです。
イライラ・不安などの気逆や抗うつ状態では肝の気の流れをよくする「柴胡(サイコ)」「黄芩(オウゴン)」を主薬とする漢方薬が選ばれます。
「四逆散(シギャクサン)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」「抑肝散(ヨクカンサン)」などの方剤がよく用いられるようです。
食欲低下・消化不良の消化吸収機能の低下は脾虚でありますので、水の停滞、気の低下と考えられ、「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」「六君子湯(リックンシトウ)」「大建中湯(ダイケンチュウトウ)」「人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)」「十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)」などが用いられます。
全身倦怠感・性機能低下は腎虚の状態であると考え、腎精を補う補腎剤を主薬とする「六味丸(ロクミガン)」「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」「牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)」などが用いられます。
女性同様、男性の更年期障害の治療にも鍼灸は大変効果があります。
体の変調を感じ始めましたら、是非ご相談下さい。
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