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身体考2

2018.11.10 10:47

つづき

これらをベースにいろいろな施術方法が試行、検証されいろいろな施術式が生まれています。骨に特化したもの、筋に特化したもの、脈管系に特化したもの、それ以外で今までとは異なった概念での身体の捉え方から展開された特色ある治療法などがたくさんあります。

あんま・マッサージ・指圧師の免許、針灸師の免許を基に病院に入職して医師の指示の元、首であったり、肩であったり、腰であったりを施術する中でペーパーマッサージ師であった私も筋をほぐして血流改善を促す方法を多くの患者さんの数をこなす中で腕を磨きました。数を重ねる中で拇指の炎症が起きて毎晩、氷水で痛くなった指を冷やす日々が続きました。それが収まる頃には拇指の第一関節に突起ができ変形しました。

同業者ではそれらを経過して職人の手が出来ると言う風潮があるのだとおっしゃる人もいました。その頃はそういうものなんだろうと納得して「手」を作っていました。

病院では症状の出ている部位に対しての診断名が付きそれに対しての温熱、牽引、低周波、マッサージなどの加療を行なうことになります。

あんま師ですから筋に対して揉む、ほぐす、叩くと言うようなアプローチをしてその部位を緩め、血行促進をさせ、針師としても針を使って機械的刺激を加えてその生体反応を利用して微小毛細血管の血流改善、筋および周辺組織を弛緩させます。

針の場合、紀元前に中国で生まれた体表から極小特定部位へのポイント刺激を加えると身体の症状が楽になると言う症例を積み重ねた治療法です。しかも身体に対して侵襲性の低い刺激なので非常に優れていると思います。ここでいう低刺激が良いと言う理由は後で述べようと思います。

日頃、人の身体を観ていると背中が亀のように丸くなって前かがみになっている人、骨盤の左右の高さ水平でなく傾いている人、左右の腸骨が前後にねじれている人、背骨が左右に曲がって側弯している人、捻じれている人、もしくは逆S字に歪んがている人、腰骨や背中の骨の一部が飛び出ているなどいろんな人がいらっしゃいます。しかし、この背骨が左右に曲がっていたり、逆S字状に歪んだり、骨盤がねじれたり傾いていたりする場合、どうしてそうなったのでしょうか?

スポ-ツや事故の外傷性、もしくは日常生活において外部から瞬間的、急激に加わった力での怪我、衝撃で発生した場合ならそれが原因ですが多くはそんな思い当たることもなく身体の不調、痛みが強くなって施術を受けた施術所や病院のレントゲン検査でそのようになっていたのが判明したと言うのがほとんどです。

ですから私は、これらの原因は長年の生活習慣の中でその部位に特異的に負荷・持続的刺激が加わってだんだん骨の変形や、椎骨連関の捻じれ、凸や凹が発生したのだと思います。

では、変形してしまった骨は除いてそれらの捻じれや歪みを修正するのにはどんな刺激が必要か?となるとその加わっていた負荷・持続的刺激を取り除き本来の状態に戻るような刺激を加えて行かねばなりません。そうなるとその歪んだ部位だけをどうのこうのしようとしても仕方がありません。

そこで身体全体を観察し、どこが原因でその負荷がかかるところに影響を及ぼしているのかと言う考え方やそれを基にした治療法が必要になってきます。それが関連する筋肉に対してであったり骨の連関であったり、身体にくまなく張り巡らされていると言う「経絡」であっても同じなのではないかと思います。

そんな場合、針先の刺激であろうと骨に対する指先を使っての「誇張法」であろうと身体に対して微小な外的刺激を加えることが最も有効であると言うのが私の治療法の考え方です。

この考え方に近いのがアルントシュルツの法則です。

「アルント・シュルツの法則」はあんま・マッサージなどの理療科の教科書にあります。

ドイツの精神医学者ルドルフ・アルント(1835~1900)と薬理学者のフーゴ・シュルツ(1853~1932)らが定式化した調節原理です。

ウィキペディアには「外的な刺激の強度と神経や筋の興奮性について」として

1 弱い刺激をすることで神経機能を喚起し、

2 中程度の刺激で神経機能を興奮させ、

3 強い刺激は神経機能を抑制し、

4 最強度の刺激で静止する

と言うものが記載されています。

しかし、この考え方は毒物学に対する研究であり、最近は物理刺激に適用することが可能であるかどうか未検証であるとして刺激量への再考を問う議論がされているようです。

刺激と言うのは量もそうですが質によっても刺激を与える領域によっても違いがあって細かい科学的評価基準は私には分かりません。

私の経験からは、指圧のような強く持続した圧迫を加えれば亢進した交感神経の症状は抑制されますし、軽擦と言って軽く皮膚表面を摩る程度の刺激は表層面の血管、リンパの流れを改善させると言えます。つまりそれに伴う表層部の循環は非常に活発になります。

治療には外部から身体へ働きかける刺激を入れることが必要です。

しかし、刺激なら何でも良い訳ではありません。刺激と言うのは厄介なもので柔道やレスリングの選手のカリフラワーイヤーと言われる「湧いている耳」も耳介に持続的な機械的強刺激が加わり組織が変性したものです。特に強い持続圧迫や強刺激を加えるということは、例えばスーパーで買った鶏肉を指で強く押すと筋繊維が潰れるように身体に置いてもスーパーの鶏肉程ではなくても筋繊維は断裂し、だんだん線維化が進み、触っただけでも硬い伸び縮みの悪い筋が形成されます。

ですから、私は強い刺激を加える施術は行いません。