「女子サッカーにおける写真撮影とSNS投稿」
最近、相互フォローしているYU-RIさんのこんなtweetがありました。
「女子サッカーにおける写真撮影とSNS投稿」
なかなか難しい問題です。
2011年のW杯優勝の後、なでしこリーグは突然観客数が激増し、その中で一部のバカタレによる心無い写真がネット上にアップされることが多くなり、リーグまたクラブチームが厳しく撮影規制を行ったと記憶しています。
今では、観客数がだいぶ減ったこともあり、リーグの規約による規制は動画撮影に関することのみで写真撮影に関しては曖昧な表記です。各ホームゲーム開催者に一任されているような状況で、リーグ戦やリーグカップであれば各開催クラブチームのルールに従う(伊賀さんは今も撮影全面禁止?まあ忍者の里ですから撮影されてはまずい場所も)のが通例です。皇后杯はアナウンスがないので、ある程度個人の裁量に任されているような状況でしょうか。
クラブによっては、必要以上に「炎上」を恐れる節がありますが、
(ここから下は、私の私見がメインとなります)
私にとって「炎上」とは
①「被害者」その写真を明らかに不快に思う被撮影者・関係者
②「加害者A」撮影者本人。加害の意図の有無には関わらず。
③「加害者B」誰かが止めても、二次被害を助長する「拡散者」
被害者がいない場合、加害者は成立しません。ただ話題になっているだけです。
①が悲しさや不快感を表明した場合、②には即座に画像を修正・削除する義務が生じます。
①と②の問題で済めば楽ですが、不特定多数であったりネットメディアやまとめサイトだったりする③が絡むと、拡散を全て止めることは出来ずに鎮火するのを待つだけの「炎上」状態になる。という受け止め方です。
御存知の方も多いと思いますが、昨年私の撮影した写真がご本人に利用され、それがネットメディア経由でヤ〇ーニュースにまで流れる事件がありました。ご本人にも謝りに行きました。笑ってネタにしていただいてたのが救いでしたが、写真が使い回されることの恐ろしさを知りました。
そんな一件があっても、私は自分の撮影した写真にクレジットは付けていません。
著作権法では、クレジットがあろうがなかろうが権利は作成者(写真の場合は撮影者)に認められていることが理由の一つ。
もう一つは、自分が撮影した写真は「様々な理由でその景色を見ることが出来ない人にとっての「目」でありたい」という思いからです。
スタジアムに仕事や都合で来れない人。スタジアムでボランティアの任務に就いている人。スタグルを作ったり売ったりで試合をゆっくり見られない人(これは先日、橙宴の成澤さんから言われましたw)。旗を振り、声を枯らし、必死に選手の後押しをしている人。スタジアムの反対側にいる人。そして、選手本人。その人たちに、自分が見た景色を伝えたい。そんなことを考え、クレジットを入れるのを躊躇してます。
勿論、クレジットを入れる皆さんの否定ではないですし、工夫の結果クレジットを入れても見易い写真をアップしている方もいます。私自身、ブログでかなりの数の写真を使っているので、クレジットを入れる作業が面倒なのもありますが・・・。
試合の日は、連写機能も使っているので600~1400枚くらいの撮影をしています。多くが試合中の写真なので、リーグの試合では規定に従って(ここは私自身の曖昧で勝手な解釈で申し訳ないですが)プレー中の写真は絶対に上げないようにしています。皇后杯などは掲載させてもらっていますが、プレー中の写真の基本として、おかしなポーズになっているものは使わない、ヘディングの競り合い時など顔が力んだり歪んだりする瞬間は使わない、など自分なりにルールを作っています。また、スタジアムの風景などに入り込んだ一般のサポの方の顔は、判別できるものは全て●の形で塗りつぶして見えなくしています。
手前の話で恐縮ですが、パルセイロは2018シーズンにトップがJ3で、レディースはなでしこ1部で過去最低順位を記録し、特にレディースはシーズン後にレギュラークラスを多数含む14人が退団。共に観客動員も大幅な減少。もうダイジェスト動画も上がってるので言及しますが、堀江社長が「クラブは今までで一番大変な状況かもしれません」「皆様の力をお借りして、我々は乗り切っていきたい」と挨拶で述べられています。その割に、新体制発表会は撮影制限(2日前に許可者以外全面御遠慮のリリース、問い合わせ殺到か翌日に撮影可能なタイミングを設けると訂正。ただしそのタイミングは当日発表)、SNSへのアップは全面禁止。善光寺の豆まきは撮影・SNS全面禁止。この件についてはまた別のエントリーで書こうと思いますが、少しでも発信すべき、一人でも多くの人の目に触れて、初めての人がスタジアムに足を向け、離れていた人が戻ってくる(実は私も、トップの応援から始まり色々あって3年ほど応援を止め、SNSではなく地元TVでレディース2部優勝のニュースを見て、レディースの応援で復帰して今に至ります)キッカケを作らなければいけない今、SNSを全面規制するというのは下策にしか思えません。関係者が見ているのを承知の上で。敢えて言います。
SNSは諸刃の剣です。他人を傷つけるのに使えば殺傷能力は抜群だし、最近は自分に跳ね返ってきて炎上している人も多く見かけます。上手く使えば、チームと人、人と人、思いと思いを繋ぐ橋にもなります。昨年、私が撮影したいくつかの写真に関して、数人の方から御礼の言葉をSNSを介していただきました。当事者には見えない、撮影者にしか記録できない瞬間があると信じて、とりあえず規制の網が全面に広がるまでは、可能な限り撮影と発信を続けていければと思っています。