ZIPANG-10 TOKIO 2020優れた脱炭素型都市の開発事業を表彰 &「第2回脱炭素都市づくり大賞」実施の御案内~【環境省・国土交通省】
全国から幅広く募集!
環境省及び国土交通省は、優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、
全国における脱炭素型の都市づくりを促進することを目的として、
「第2回脱炭素都市づくり大賞」を実施します。
イオンモール豊川 第1回脱炭素都市づくり大賞「環境大臣賞」受賞
イオンモール豊川は、「はじめてを、はじめよう。」をコンセプトに、一日中楽しめるエンターテインメント施設、日常を彩る話題のライフスタイル型専門店を導入し、新たな出会いと体験を創出する街のにぎわい拠点として、2023年にオープンしました。
地域の方々が集い、交わる緑豊かなガーデンスペースをはじめ、スポーツやアウトドア体験ができる屋外広場を配置しています。
所在地 愛知県豊川市白鳥町兎足1-16
開店日 2023年
電話番号 0533-80-3100
総賃貸面積 約63,000m²
敷地面積 約128,000m²
延床面積 約113,000m²
建物構造 鉄骨造地上3階建
駐車台数 約3,000台
駐輪台数 約1,200台
核店舗 イオンスタイル新豊川
概要
我が国では、2030年度温室効果ガス46%削減、2050年ネットゼロを国際公約としていますが、これを達成するには、温室効果ガス排出量・エネルギー需要の多くを占める都市の脱炭素移行が不可欠です。また、ネットゼロに加え、生物多様性の確保やウェルビーイングの向上などの観点から、都市緑地の質・量両面での確保の重要性も高まっています。
そのため、2030年度ネットゼロを目指す優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、脱炭素型の都市づくりを促進することを目的として、国土交通省と共同で、「脱炭素都市づくり大賞」を令和5年度に創設しました。
このうち、脱炭素、資源循環、ネイチャーポジティブの取組として特に優れたものを「環境大臣賞」として、緑地の創出やエネルギー利用の効率化等の取組として特に優れたものを「国土交通大臣賞」として表彰しています。
今般、第2回脱炭素都市づくり大賞の募集を令和7年6月下旬から2ヶ月程度行うこととし、全国から幅広く募集するため、募集開始前に事前のご案内を行います。
本表彰については、後日募集を開始するとともに、審査を経て、大賞及び特別賞を選定いたします。受賞者に対する表彰式は令和8年1月頃に開催予定です。
対象とする事業
日本国内で行われ、原則として応募時に事業完了又は令和9年度末までに事業完了見込みの都市の開発事業であって、以下の事項を満たすもの。
応募に係る事業の区域において電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現又は2030年度までに達成する計画であること。
省エネやエネルギーの効率的な利用により相当規模の脱炭素効果(温室効果ガス排出削減効果)が見込めるなど優れた脱炭素型の都市開発であること。
周辺エリアや複数建物においてコミュニティ形成、地震・水害などの災害へのレジリエンス向上、景観向上など敷地内だけでなくエリア価値向上に資する取組みをしていること。
応募対象者
開発事業の主体等
応募方法
募集期間:令和7年6月下旬から2か月程度
応募に関わる募集要領、応募申請書は後日掲載する予定です。
第1回脱炭素都市づくり大賞の開催結果
令和5年度脱炭素都市づくり大賞
受賞事業の概要
令和5年度脱炭素都市づくり大賞表彰式の様子
開催日時:令和6年2月28日(水)17時30分~18時30分
開催場所:時事通信ホール(東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル2階)
主催:環境省、国土交通省
環境大臣賞 全体写真
総評
近年の気候変動の影響により、世界各地で自然災害が激甚化・頻発化するなど、温暖化対策は地球規模で喫緊の課題となっています。
2050年ネットゼロの国際公約の達成に向けて、世界の温室効果ガス排出量の7割、エネルギー需要の6割を占める都市の脱炭素移行は不可欠です。また、都市部において、ネットゼロに加え、生物多様性の確保やWell-beingの向上などの観点から、都市の緑地の質・量両面での確保の重要性も高まっています。
第1回目となる「脱炭素都市づくり大賞」においては、脱炭素の観点はもとより、都市に期待される様々な観点で優れた都市開発の取組の応募がありました。
厳正な審査の結果、「国土交通大臣賞」及び「環境大臣賞」の候補を各1件選定し、
国土交通省及び環境省において大賞として決定するとともに、総合的に優れた取組や、他のモデルとなる特徴的な取組について、4件の「特別賞」を選定することといたしました。
今回受賞された取組は、全国のモデルとなるような取組として審査委員会の高い評価を得たものです。
本表彰制度がきっかけとなり、日本全国で、脱炭素型の魅力ある都市づくりが一層加速していくことを期待しております。
令和6年2月13日
脱炭素都市づくり大賞審査委員会
令和5年度脱炭素都市づくり大賞審査委員会 委員名簿
(50音順・敬称略)
千種 ゆり子 気象予報士、防災士
寺田 徹 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
馬場 未希 株式会社日経BP 日経ESG編集長
堀江 隆一 CSRデザイン環境投資顧問株式会社 代表取締役社長
村上 公哉 芝浦工業大学建築学部建築学科 教授
村木 美貴 千葉大学大学院工学研究院 教授
【国土交通大臣賞】麻布台ヒル
所在地 東京都港区虎ノ門5丁目、麻布台1丁目および六本木3丁目の各地内
申請者 森ビル(株)
事業概要
周辺にホテルや大使館が多く集まる、グローバルで文化的にも豊かなエリアにおいて、オフィス・レジデンス・商業施設・マーケット・ホテル・ギャラリー・医療施設などの多様な都市機能が集積した再開発事業。(2023年11月開業)
選定理由
事業地内のビルは高い省エネ性能を有していると共に、民間で国内初となる都市部の下水熱利用も含めたエネルギーネットワークを形成し、気象予報や運転実績データからAIによる負荷予測に合わせた最適な運転計画により電気・熱を事業地内の複数ビルに供給することで、エネルギーの面的利用によるエネルギー利用の効率化の取組を行っています。
また、自治体計画に沿ったエコロジカルネットワークを構想し、民有地として2haを超える緑化空間を整備する中で、在来植物を多く使用するとともに、果樹園・菜園など、体験やコミュニケーションの場を設けており、極めて良質な都市の緑地の創出の取組を行っています。
これらの観点から、総合的に特に優れた取組であるとして高く評価されました。
【環境大臣賞】イオンモール豊川
所在地 愛知県豊川市白鳥町兎足1-16
申請者 イオンモール(株)
共同申請者 清水建設(株)、Daigasエナジー(株)
事業概要
2014年に閉鎖が発表されたスズキ豊川工場の跡地に立地する東三河地区最大級の商業施設。
“にぎわい拠点”の役割が期待されると共に、持続可能な社会を実現する施設を目指す。
(2023年3月竣工)
選定理由
延べ床面積10万㎡以上の施設として初めてZEB Ready認証を受けており、商業施設の脱炭素のモデルといえる高い省エネ性能を有しています。また、資源循環の観点で、オンサイト型バイオガス発生設備及びコージェネレーション設備を設置し、施設内で出る食品残渣を電力・温水として活用し、廃棄物を大幅に抑制しています。
さらに、自宅の再エネで充電したEVから建屋内へ放電を行うことを目的としたV2B設備を導入し、対価としてショッピングに利用できるポイントを付与することにより、EVを媒体とした地域内再エネ融通を促進しており、EV保有者の行動変容に大きく寄与しています。
これらの観点から、総合的に特に優れた取組であるとして高く評価されました。
【特別賞】グラングリーン大阪
所在地 大阪府大阪市北区大深町ほか所在地
申請者 三菱地所(株)
共同申請者
大阪ガス都市開発(株)、オリックス不動産(株)、関電不動産開発(株)、
積水ハウス(株)、(株)竹中工務店、阪急電鉄(株)、うめきた開発特定目的会社(出資者:(株)大林組)、(独)都市再生機構、(株)日建設計、(株)三菱地所設計
事業概要
西日本最大の交通拠点であるJR大阪駅など多くの鉄道駅が集まる交通至便な立地条件にあり、2013年開業した先行開発区域(グランフロント大阪)に続き、オフィス、ホテル、中核機能、商業、都市公園を主要用途とした、うめきた2期地区開発プロジェクト。
(2027年度全体まちびらき)
選定理由
地域冷暖房、CGS*(廃食油や生ゴミ等からのメタンガスも使用)など様々な熱エネルギー施設を効率的に運用し、事業地外とも面的に熱融通する計画であると共に、夏期冬期の温冷廃熱を活用する帯水層蓄熱を全国初で実装しており、エネルギー削減、効率化に取り組んでいます。
また、周辺の水辺空間や緑地空間と連携し、地域の生態系ネットワークを形成し、拠点となることをめざして、約4.5haの緑豊かな都市公園を公民連携により整備するとともに、その他の民間敷地内も一体的に緑化しており、良質な都市の緑地の創出に大きく寄与しています。
これらの観点から、総合的に優れた取組であるとして高く評価されました。
【特別賞】東京ポートシティ竹芝
所在地 東京都港区海岸一丁目7-1
申請者 東急不動産(株) 鹿島建設(株)
事業概要
東京都公募「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の官民連携による再開発プロジェクト。事務所、展示場、飲食店舗等を主要用途とし、浜松町駅から竹芝ふ頭までの空中歩行者デッキを一体的に整備する事業。
(2020年5月竣工)
選定理由
事業地内のビルは高い省エネ性能を有しており、電炉鋼や高炉スラグ高含有セメントを用いたコンクリートの使用による製造段階のCO2削減に取り組んでいると共に、遠隔での空調や電気の調整が可能なアプリの導入により、入居テナントの省エネ行動の促進につなげています。
また、緑化テラスにおいて隣接庭園の生物調査に基づく在来種を主体とした緑地を創出すると共に、ハヤブサやミツバチの巣箱の設置による生態系の保全や活性化を図ることなどにより、地域のエコロジカルネットワークを形成し、ネイチャーポジティブに大きく貢献しています。
これらの観点から、総合的に優れた取組であるとして高く評価されました。
【特別賞】日本橋室町三井タワー
所在地 東京都中央区日本橋室町三丁目2-1
申請者 三井不動産(株)
事業概要
地上26階、地下3階建の大規模複合開発。
地下階への大規模エネルギーセンターの設置と共に、全長5,500mにもおよぶ開削・推進工事を実施し、既存周辺ビル含む約20棟(電気18棟、熱8棟)に及ぶ広域エネルギーネットワークを形成。
(2019年3月竣工)
選定理由
発電効率の高い大規模エネルギーセンターの設置と共に、事業区域内外の関係者との連携・協力体制の構築により、事業地周辺一帯にエネルギーネットワークを構築し、まちに電気と熱を供給することで、エネルギーの平準化、効率化に大きく寄与しています。
エネルギー効率化に大きく貢献するまちづくりの観点で特徴的な取組として高く評価されました。
【特別賞】小諸市中心拠点コンパクトシティプロジェクト
所在地 長野県小諸市中心市街地(都市機能誘導区域内中心拠点区域)
申請者 長野県厚生農業協同組合連合会浅間南麓こもろ医療センター
共同申請者
(株)シーエナジー、信州大学、(株)石本建築事務所、(独)都市再生機構東日本都市
再生本部、(株)URリンケージ、長野県小諸市
事業概要
市が掲げる「低炭素まちづくり計画」に基づき、総合病院、市庁舎、図書館、市民交流センターを集約・再構築し、エネルギーの面的利用による温室効果ガスの削減に取り組む事業。地域で生産される太陽光・小水力・バイオマス等多様な再エネを活用。(2028年度事業完了予定)
選定理由
自治体の都市機能誘導計画に応じて、自治体と連携して、施設を集約化すると共に、
エネルギーの面的利用を行うことで、スケールメリットを活かしたエネルギー利用の効率化を実現しています。また、下水熱の利用も含め、多様な再生可能エネルギーの活用も行っています。
地方小都市における都市機能の集約化と合わせた脱炭素まちづくりのモデル事例と言えるもので、地域特性に応じた特徴的な取組として高く評価されました。
審査
応募資料をもとに、学識経験者等の有識者から構成される審査委員会による審査を経て、
国土交通大臣及び環境大臣が各大臣賞の被表彰者を決定します。
特別賞の被表彰者については、審査委員会による審査で決定します。ただし、審査の結果、特別賞の該当がない場合があります。
賞の構成
①大賞(大臣表彰)
(ア)環境大臣表彰(1件)
対象とする事業の要件を満たしたもののうち、「ウェルビーイング/高い生活の質」に資する取組として、デコ活の推進、材料の省資源化やリサイクルボックスの設置等の資源循環、生き物が住みやすい水辺地等ビオトープづくり等のネイチャーポジティブの推進等、まちづくりを通じて特に優れた脱炭素・資源循環やネイチャーポジティブの取組を行っている事業
(イ)国土交通大臣表彰(1件)
対象とする事業の要件を満たしたもののうち、まちづくりGXとして、①良質な緑地の創出、②街区や建物内での省エネ・再エネ・面エネの取組、③歩きたくなるまちづくりや自転車・公共交通推進等の移動の低炭素化に取り組んでいる事業であり、エリアマネジメント等により建物単体だけでなくエリア全体に貢献し、好影響をもたらしている事業
②特別賞(該当ある場合)
優れた、または特徴的な取組(大賞の受賞対象とはならないが、再エネやまちづくりの観点で優れた取組、または特徴的な取組)
表彰式
開催日:令和8年1月頃
場所:都内
(参考)環境大臣大賞のイメージ
連絡先
環境省大臣官房地域政策課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8232
我が町や村の環境への取り組み、是非ご応募ください。お待ちいたしております。
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
環境省
国土交通省
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
青森・山形・熊野…あなたは何を感じるのだろうか⁉
青森 下北半島 仏が浦
海岸沿いに2kmにわたって連なる白緑色の奇岩の数々。
冬の荒波が削り上げた大自然のアートも、海が穏やかな夏に眺めれば「仏ヶ浦」の名にふさわしい極楽浄土のような浜。透明度の高いエメラルドグリーンの海と、象牙色にたたずむ奇岩の群れのコントラストが美しく、まるで極楽への入り口のよう。
それもそのはずで、死者があの世に旅立つ時、あるいはこの世に戻ってくる時に、立ち寄る場所が「仏ヶ浦」だと言われています。それぞれの奇岩には、浄土のイメージを重ねて名がつけられています。
山形 遊佐町 胴腹滝二筋の滝
今からおよそ16万年から2万年前に鳥海湖付近から噴き出した溶岩の末端崖から2筋の滝が流れ出しています。
渓流が滝になっているのではなく、標高230mの山腹の中から湧き出していて、身体の「どうっぱら」から流れ出すということで「胴腹の滝」と名づけられています。
水温は平均で8.5℃前後、硬度は11mg/ℓ、蒸発残留物も40~50mg/ℓと少なく、淡白で癖のない軟水です。おかげで県内外から水汲みに訪れる人が一年を通してたくさんいます。左右の滝で水の味が違うという人もいますがどうでしょうか。
2つの滝の間に小さな社があり、地域の人たちに大切にされていて「山形県里山環境保全地域」に指定されています。
熊野市 朝霧の棚田「丸山千枚田」
風伝峠麓の後地で本宮道と分かれ、吉野方面へ北上する北山道。子安地蔵の祀られた峠を越える約1kmの古道には、シダの中によく石畳が残っています。鹿が多い”入鹿”地区、道中は鹿に出くわすことも。
山林の見通しはききませんが、峠の東には展望台があります。展望台からの眺める「丸山千枚田」は絶景で、日本一のスケールです。「日本の棚田100選」に選ばれています。早朝には朝もやに包まれる丸山千枚田と里山の風景が、また、田植え前の夕暮れどきには真っ赤な夕陽が田毎に映り込み、幻想的な情景広がります。
2023年度 IPBESシンポジウムの開催について・・・
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-8 TOKIO 2020 「2030年ネイチャーポジティブ(自然再興)」を目指して! IPBESシンポジウムの開催【環境省】
https://tokyo2020-8.themedia.jp/posts/51511517/
地球温暖化の森林に対する影響解明
概要
京都大学生態学研究センター 石田厚 教授は、森林研究・整備機構森林総合研究所北海道支所 原山尚徳 主任研究員、北尾光俊 研究グループ長、南京大学 Evgenios Agathokleous 教授らの研究グループとともに、樹木の乾燥ストレス反応に関する、新たな生理メカニズムを明らかにしました。
樹木は乾燥ストレスにさらされると、葉の気孔を閉じて葉からの水分損失を抑制しますが、気孔を閉じることで光合成に必要な二酸化炭素の取り込みも抑制されてしまいます。地球温暖化にともなう降水パターンの変化が予想されるなか、樹木が乾燥ストレスに対してどのようなメカニズムで気孔を閉じ、葉からの水分損失を制御しているのかを明らかにすることは、非常に重要です。この研究では、葉内の水移動に関連する葉の構造と細胞膜にあるタンパク質の生理機能に着目し、乾燥ストレスによる気孔閉鎖のメカニズムについて調べました。
その結果、細胞膜の水透過性を制御する膜タンパク質であるアクアポリンが、葉内部の水移動抵抗の変化を通じ、気孔の開閉を制御していることがわかりました。また、葉脈密度が低い構造を持つ樹種ほど、アクアポリンに依存した気孔開閉を行っており、乾燥ストレスにアクアポリンが反応することで、水分損失が進行する前にすばやく気孔を閉じることが可能になっていることがわかりました。本研究で得られた知見は、地球温暖化の森林に対する影響予測モデルの高度化につながることが期待されます。
本研究成果は、2019年6月5日に、国際学術誌「Proceedings of the Royal Society B-Biological Science」に掲載されました。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020「地球温暖化の森林に対する影響解明!日本・中国の大学と国立研究機関」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6436050
世界遺産一覧表への記載推薦
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
推薦地の特徴、概要等について
推薦地の特徴
推薦地の概要
世界遺産に推薦された地域は、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の4地域です。
推薦地の特徴は、次のとおりです。
推薦地は、中琉球の奄美大島、徳之島、沖縄島北部と、南琉球の西表島の4地域の5構成要素で構成され、面積42,698haの陸域である。
中琉球及び南琉球は日本列島の南端部に位置する琉球列島の一部の島々であり、推薦地は黒潮と亜熱帯性高気圧の影響を受け、温暖・多湿な亜熱帯性気候を呈し、主に常緑広葉樹多雨林に覆われている。
推薦地は、世界の生物多様性ホットスポットの一つである日本の中でも生物多様性が突出して高い地域である中琉球・南琉球を最も代表する区域である。推薦地には多くの分類群において多くの種が生息する。また、絶滅危惧種や中琉球・南琉球の固有種が多く、それらの種の割合も高い。さらに、さまざまな固有種の進化の例が見られ、特に、遺存固有種及び/または独特な進化を遂げた種の例が多く存在する。
これらの推薦地の生物多様性の特徴はすべて相互に関連しており、中琉球及び南琉球が大陸島として形成された地史の結果として生じてきた。分断と孤立の長い歴史を反映し、陸域生物はさまざまな進化の過程を経て、海峡を容易に越えられない非飛翔性の陸生脊椎動物群や植物で固有種の事例が多くみられるような、独特の生物相となった。また、中琉球と南琉球では種分化や固有化のパターンが異なっている。
このように推薦地は、多くの固有種や絶滅危惧種を含む独特な陸域生物にとって、全体として世界的にかけがえのなさが高い地域であり、独特で豊かな中琉球及び南琉球の生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息・生育地を包含した地域である。