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金銀花

2025.05.17 04:38

https://blog.goo.ne.jp/nukadainstitute/e/70f4d08eb6b71392847e534000d16727 【スイカズラ】より

 髙根休耕田の周りが、私の朝の散歩道です。隣の木に絡まって伸びているスイカズラ、花が咲くと、こんな所にも・・・と彼方此方にあるのに気付きます。近づけば甘い香りがして、立ち止まって香りを愉しみます。

スイカズラは別名ニンドウ、キンギンカ(金銀花)といわれ、日本各地に普通に生える常緑蔓性木本植物です。 子供の頃、筒状になった花を引き抜いて管の細い方を口にして甘い味を愉しんだ思い出のある方は多いのではありませんか。こういえば “あぁ、あれか!” とおわかりでしょう。 よい香りに惹かれ、甘い味を楽しめる蔓性の植物というのが名前の由来です.

生薬では、葉の部分を冬でも枯れることがない常緑なのを、冬を忍耐するという意味で忍冬(ニンドウ)と呼び、花蕾の部分は、咲き進むと白から黄色に変化するので、白と黄色を金銀に見立てて、花蕾部分は金銀花(キンギンカ)と呼ばれています。

 葉茎、花蕾を乾燥して利尿、健胃、解熱、腰痛などの薬としてきました。昔は花で冬忍酒を造っていたそうです。

  茎は円柱状で、周囲の植物に右巻きに絡みつきながら、伸長し、およそ5~6mになります。若い蔓には軟毛がはえていますが、生長するにつれ無毛となります。葉は卵状楕円形で全縁の3~7cmの葉が対生に付いていて、 茎は円柱状で、周囲の植物に右巻きに絡みつきながら、伸長し、およそ5~6mになります。スイカズラは日本原産で、ジャパニーズハニーサックルとも呼ばれます。

 ハーブで ハニーサックル と呼ばれますが、ハニーサックルは、西アジアからヨーロッパ、北アフリカが原産です。蔓性で長さは4.5~6メートルになります。葉は楕円形から披針形で、縁にはときに波状の鋸歯があります。6月から8月ごろ、スイカズラ特有のかたちをした黄白色から黄色の花を咲かせ、甘い香りを漂わせ和名では「においにんどう」と呼ばれます。園芸品種も数多く、花色にはオレンジ色や白色、赤色もあります。

 スイカズラの蔓は円柱状で、“その蔓は右巻きで他の植物に絡みついて伸びています" と植物の本には説明してありますが、果たしてその通りなのか観察してみました。 右巻きか左巻きかは、蔓性植物に関しては論議され ていますが、どうもよく分からない! 

上の写真は、我が家で撮ったスイカズラですが、どう 見ても左巻きです。しかしこの写真を上下回転させ てみると、何と右巻きに・・・・ ということは、上から見るか下から見るかによって見方が異なるのです。

 この事を本によっては、Z巻き⇒右巻き、S巻き⇒左巻きという言い方もありました。この類の議論は蔓性植物全般にあるのですが、植物を見上げるように見るのか、見下ろすように見るのかの違いだけのように思います。 皆さんはどうご覧になりますか?

スイカズラは、生け垣や薮の縁にありますから、目についたら、是非近寄ってご覧ください。

学  名:Lonicera japonica

科  名:スイカズラ科

生 薬 名:葉茎⇒冬忍(ニンドウ)

      花蕾⇒金銀花(キンギンカ)

利用部位:葉茎⇒6~9月に切り取り、2,3日日干しにした後、陰干しにします。      

       花蕾⇒5ガツの開花期に摘み採り、風通しのよいところで陰干しにします。

薬  効:冬忍⇒解熱、消炎、利尿薬として化膿症、浄血、関節炎などに用いられます。

用  途: ■解熱⇒金銀花を1回量3gを水200ccを半量になるまで煎じて服用します。

       ■化膿症⇒冬忍を1日量5~10gを400ccの水で半量になるまで煎じ

            1日3回に分けて食後30分に服用します。    

       ■関節が痛むとき⇒金銀花を1日量3gを水200ccで半量になるまで煎じ、

                   食後に服用。    

       ■痔の痛み・腰痛に⇒冬忍を100g程布袋に入れ鍋でひたひたの水を加え、

                    煮だした液を袋ごと浴槽に入れて入浴します。

成  分:葉にタンニン、サポニンのロニセリン。    

花に蝋質のセリルアルコール、ステリン、アラキン酸、リノレイン酸、リノール酸

      等を含有。


https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crude/110127/index.html 【生薬百選 83 忍冬(ニンドウ)】より

例年にも増して寒い日が続き、各地の大雪などのニュースを耳にするこの頃です。冬将軍が立ち去るまで、風邪などには特に注意したいですね。今回紹介するのは、このような季節にぴったりな名前をもち、風邪薬にも使われる生薬です。

スイカズラ

忍冬は、日本でも生垣や野山で見かけるスイカズラ(Lonicera japonica)の葉・茎を乾燥させたものです。スイカズラは「金銀花」とも呼ばれますが、生薬としての金銀花はスイカズラの蕾を乾燥させたものを指します。

日本各地の山野に自生し、朝鮮半島や中国にも分布します。つる性植物で、つるが他の植物に巻きついて成長していきます。5〜6月には葉の根元から筒形で唇状の花が2個ずつ並んで咲き、ジャスミンに似た甘い香りを漂わせます。秋には小さな丸い黒色の実をつけます。

「スイカズラ」という名の由来は、昔子供たちがスイカズラの花の付け根にある蜜を吸って遊んだため(吸い葛)と言われます。その他にも諸説あり、花の形がものを吸う時の唇に似ているという説や、おできの吸い出しに用いられたためという説などがあります。欧米ではスイカズラの近縁種(ニオイエンドウ)をハニーサックル(蜜を吸う)と呼び、薬に用いたり、観賞用としても楽しまれています。ハニーサックルの香水もあるほどです。生薬名「忍冬」の由来は、文字通り冬でも葉や茎は枯れず、寒さに耐え忍んでいる様子からきたと言われています。また「金銀花」は、初めは白色の花が、2〜3日経つと黄色に変わっていき、やがて白と黄色が入り乱れて咲くことから命名されたようです。

忍冬と金銀花はいくつかの漢方薬に配合されています。忍冬は「治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)」に処方され、解熱、解毒の目的で化膿性炎症に用いられてきました。金銀花は東洋医学でいう「寒」の性質を持つことから、「銀翹散(ぎんぎょうさん)」という、風邪、インフルエンザの薬に主薬として処方されています。日本では風邪薬といえば葛根湯が有名ですが、銀翹散は熱感が強い風邪に向いており、中国では親しみのある薬です。

金銀花

スイカズラの花(白・黄)

成分はフラボノイドであるロニセリン、ルテオリン、ロガニン、タンニンなどです。有効成分はクロロゲン酸で、血管拡張作用、収斂作用、抗菌作用、消炎作用が期待でき、また美肌にも良いとされ、化粧品にも配合されています。また煮出した汁を風呂に入れると、あせもや美肌などに効果があるといわれます。

民間では茎葉や花をお茶として飲んだり、花をホワイトリカーに漬けて金銀花酒を作ったりします。江戸時代、当時としては異例の長寿を誇った徳川家康は、焼酎・みりんなどにスイカズラを漬けた忍冬酒がお気に入りだったようです。忍冬は家康の長寿に一役買っていたのかもしれません。

また、日本国内で最古の神社の1つとされ、酒造りの神として知られる、奈良県桜井市の「大神神社」の鎮花祭(薬まつり)では、製薬業者が奉納する医薬品とともに、忍冬と百合根を供える儀式が続いています。参拝者には三輪山の忍冬と摂社である狭井神社のご神水で作られた忍冬酒が配られ、リウマチ等の関節痛にも効果があるとされています。

見た目・香り・味を楽しめ、健康にも役に立つスイカズラは、神様に献上するほど古くから身近で大切な薬草だったのでしょう。