強い刺激と弱い刺激
弱い刺激や、空間上にも刺激部位があるということを書いてみましたが、そもそも、強い刺激と弱い刺激は、どう違うのでしょうか?
どちらが身体を変化させる刺激になるでしょうか?
例えば、右手で左手の前腕部を擦ってください。
普通に擦ると、普通に擦られた刺激はあります。
軽い刺激です。
擦るぐらいですから痛みはありません。強い刺激とも言えません。
次は、産毛を触るように触れてみてください。
本当に産毛しか触らないぐらいの刺激をしてみてください。
何が起こるでしょうか?
ゾワゾワした刺激が起こって、意外にもこの刺激は後々まで残る気がしませんか?
軽く触れて擦った時は、刺激が残ることはなくても、産毛を触るようにすると、後々まで残る感じがすると思います。
刺激としての弱い刺激は身体を変化させるに値する刺激だと言える訳です。
当然、痛みがあるぐらいの刺激を行った後も残ります。
鍼刺激は、ど~んとしたような刺激や響くような刺激が残ります。
鍼治療の上手い人は、これを響きと呼んでいます。
この刺激は、かなり、後まで残る刺激になります。
だからこれを上手く行うと持続的な影響はあると思います。
しかし、産毛を触るぐらいにしても、同じように後々残ります。
触っている方も、産毛を触るので、ガサツには触れません。
ゆっくり触ると更に、あとあとまで残る感覚があります。
響くような感覚は、肉体的に残りますが、産毛を触る感覚は、簡単に意識が集中するので、より強く、より長く脳に残るのです。
この話しは何度かしてきています。
どとらも効果的ですが、重要なことは、深く刺激したから強い刺激とは限らないということです。
わかっているようでわからないというか、頭ではわかっても実感がないと、認められません。
ゆっくり、軽く刺激すればいいんでしょ?
そうです。
その通りなのですが、そんな簡単じゃないんです。
ゆっくり触れるか触れないかで触っていると、自分の脳に何かが起こります。
それが起こってはじめて、その行為の意味がわかります。
だから真似だけしても駄目です。
きっと響く鍼を行っている先生も同じことを感じているはずです。
それがわからなければ、ただ、真似をしても、あまり意味はありません。
行為が大事なのではなく、何か他の要因が大事なんだと思います。
それをわからないと上手くいきません。