清家貴子 目に見える結果を出してこそ信頼を得られる
清家貴子選手、海外挑戦でフィジカル向上、ブラジル戦へ「結果で信頼得る」
女子サッカー日本代表の清家貴子がブラジル遠征中のオンライン取材で、海外挑戦での成長とブラジル戦への意気込みを語った。
初の海外リーグで1年間プレーした清家が最も実感した変化はフィジカル面だった。「1対1の場面で負けない体、フィジカルコンタクトに取り組んだ結果、そこが一番変わった。絶対的な体の大きさの違いはあるが、当たるタイミングや当たりを恐れずに行く部分は変わった」と成長を実感する。この向上により代表でも余裕を持ってプレーできるようになり、海外の相手との対戦に対する恐怖心も完全になくなった。
自分のプレースタイルへの理解も深まった。「どういうプレーをすれば通用するのか、どんなプレーで相手を外せるのかが分かるようになり、自信に繋がった」と語る清家。一方で守備強度の不足を痛感し、「個人として1対1の守備強度をもっと上げていかなければならない」と課題も明確にした。スピードについては海外選手にも劣らないとし、引き続き強みとして活かしていく考えだ。
今回のブラジル遠征では明確な目標を掲げる。「前線でプレーするためには得点やアシストといった目に見える結果を出して信頼を得る必要がある。そこをしっかり目指したい」。チーム戦術としては、マンツーマンで激しく来るブラジル相手をどう外すかに重点を置いて取り組んでいる。
ニールセン監督の指導法についても言及した。「戦術だけでなくメンタル的な部分の指導も多く、メンタルトレーニングなども教えてくれる」。具体的には「モメンタム」の整理や、試合中の集中力低下時の対処法を学んでいる。「チーム全体での継続的な指導はこれまでの監督にはなかった新しい試み」と評価する。
戦術面では自由度の高さを感じている。「『動け動け』という制限はなく、自由度は高い。以前よりも味方の動きを見ながら、どうやってスペースを作るかを意識している」。複数ポジションでのプレー経験を活かし、「どのポジションで出ても自分の強みを出せるかが勝負」と捉えている。
ブラジルの環境についても触れた。「今が冬に近いにも関わらず非常に暑く、暑熱対策が十分に必要」としつつ、「好き嫌いも少なく、ある程度不便なところでも生き抜く力はある」と適応力に自信を見せた。
前回のパリ五輪予選と比較し、今回は「ホームで相手も揃っており、激しい試合になる」と予想。「オリンピックのような詰まった場面でもなく、自分たちのやりたいことを丁寧に表現しながら、この相手に対して積み上げ、形を作り上げたい」と意気込みを語った。
海外挑戦で培った経験と自信を武器に、清家は結果で信頼を勝ち取る覚悟を固めている。
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