「ほら いしころが おっこちたよ ね、わすれようよ」田島征三 Tashima Seizo
2016.02.25 10:13
今にも踊り出しそうな線で楽しませてくれるこちらの絵本は田島征三さんの「ほら いしころが おっこちたよ ね わすれようよ」です。
あるところに住む老夫婦、ある朝おじいさんが目を覚ますと、とても良い天気で、良い気分。今日はなんだか頑張れそうな気がすると、おじいさんはうんと張り切って仕事に精を出します。
しかし、その一番始めから失敗をしてしまうのです。落ち込んでしまうのですが、どうにか朝の素晴らしい気分を取り戻せないか考え、思いついた魔法の言葉「ね、忘れようよ」
すぐにおじいさんとおばあさんは元気を取り戻し、また頑張ろうとするのですが、、、。
誰にでもちょっとした失敗ってありますよね。そんな時にこうやって忘れる事ができたらどんなに良いでしょうか。この絵本の中でおじいさんとおばあさんは散々な目に合うのですが、それでもこの魔法の言葉を使って良い気分で生活をリスタートしようとする姿勢に、心が和むと同時に勇気を貰える気がします。
田島さんは1969年にブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞するなど、世界的にもその評価は高い作家です。
この絵本では一筆書きのような線で人物や動物を描いたり、立体を平面上に描いたりと、一冊の本の中で多彩な表現で魅せてくれています。どうやって描いているんだろうと、真似して線を引いてみたくなるような、不思議な魅力を持った絵です。
この絵で見ると、おじいさんの数々の失敗も微笑ましい物に見えてしまうから、また不思議ですね。
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