第3章:ユングの視点—アニマ・アニムスと自己実現の道 カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)は、フロイトの弟子として出発したものの、やがて無意識の性質に対する解釈の相違から決別し、独自の分析心理学を築き上げた。ユングにとって、恋愛や結婚は単なる社会的契約や性的満足の場ではなく、「個性化(Individuation)」という精神的成長の道程における重要な転機である。彼の理論における中核概念、すなわち「アニマ・アニムス」や「集合的無意識」は、私たちがパートナーに求めるものや恋愛における無意識の動因を明示するための鍵となる。
霊性心理学と恋愛:ユング派の応用展開 N. Morreyは、フロイトとユングの枠組みに霊性の次元を加えることで、より包括的な心理的統合が可能になると論じている。彼の「スピリチュアル心理学」においては、恋愛や結婚は単に無意識の解釈やトラウマの解消だけではなく、「魂の成長」の場でもある(Morrey, 2017)。 この視点は、ユングの「個性化(individuation)」と強く共鳴する。恋愛の苦しみ、結婚の試練、別離の痛みなどすべてが「自我」と「自己」の対話の場であり、人格の深化と拡張を促す。