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この道往けば act2

新俣峠 現代の本気編

2025.06.29 14:14

これまでの酷道一歩手前の様相から、突然装いを新たにしだした国道416号。

いよいよ、2018年に新たに生み出された区間へと突入していきます。

綺麗なうえに広い!

これが現代の力か。

この山奥でも改装させてもらえるとは。

気持ちのいいワインディングロードを進みます。

道幅は最初は広かったのですが、センターラインのないジャスト2車線あたりに収束していきます。

交通量を考えればこれでも十分すぎるスペックです。

最初だけちょっと見栄張っちゃったのかな。

カーブミラーも過剰なぐらい設置されています。

こういうヘアピンでは必要ですからね。

ありがたい存在です。

しかし、こういう新しい道って案外見ないと思いませんか?

そもそも、このご時世はこういう峠道は旧道化され、どんどんトンネル峠が増えて行っているのです。

そのご時世に、トンネルは予算が合わなくても峠道ならという気概で道を作ってくれた。

その想いが非常にうれしいのです。

現代工学技術の暴力!

この力業がたまらないぜ!

何としてでも高度を稼ごうという気持ちがビシビシ伝わってきます。

これくらい泥臭い方が峠らしくていいんだよ!

ここはヒヤッとした場面ですね。

工事中かと思いましたが、林業関係者の方のようでした。

ちょっとお邪魔しますね。

山の一つの斜面を七転八倒しながら登っているような印象を受けます。

常に上を見れば道の先が見える。

そんな道です。

嫌いじゃないよ、この道形!

気が付けばずいぶん高い場所に来ていました。

勝山市の町はもう見えないかな。

それでも峠まではまだもう少し登らなければなりません。

斜面を上り詰めると高原的な広がりを持つ場所に出てきました。

写真を撮りに社外に出ると肌寒く感じるほどです。

勝山市自体が標高の高い位置にあるので、現在地でも700m以上の標高はありそうです。

砂防ダムも新しい。

そしてなかなかこんな近くで見ることもないですね。

土砂災害、大丈夫だという計算のもとなんでしょう。

こちらとしてはドキドキしますが。

相変わらずよく言えばアグレッシブに、悪く言えば強引に登っていく国道416号。

元々この辺りには徒歩峠があり、かの有名な加賀一向一揆の際にも使われていました。

大日峠(だいにちとうげ)

それが徒歩峠の名前です。


実はこの国道416号の峠も大日峠と呼ばれることがあります。

しかし実際の大日峠の位置はここより西側に位置しており、個人的にはその名で呼ぶのは違和感があります。

実際この辺りには他にも木地山峠(きじやまとうげ・レポ未)という峠もあり、複数の山道があったことが窺われています。

折りたたまれた蛇腹のような道形。

これを2000年以降の道で敢えてやるというのが素晴らしい。

これは何度でも重ねて言いたいのです。


本来ならトンネルを掘りたかったでしょうに。

しかしそれが無理でも、なんとかして繋げてやろう。

その気持ちがたまらないわけです。

やれない理由よりできる方法を探す。

素晴らしいです。

ここまで登ってきたご褒美のように晴れ間が平野を照らしてくれました。

まさにあそこから登ってきたわけです。

こういう景色は嬉しいですよね。

標高はいよいよ雲の高さに届いてきました。

そしてその時は唐突に訪れます。

新たな国道峠へ!