紫君子蘭、アガパンサスを詠んだ句
https://fc19jl19.blog.fc2.com/blog-entry-56.html 【俳句(紫君子蘭)】より
・ 梅雨空の 路ばたに咲くや 君子蘭 ・ 紫を 恋ふる夜なり 梅雨の月
・ 紫の しづかに立つや 梅雨のなか ・ 荒れ梅雨に 茎もと揺るる 君子欄
ムラサキクンシラン(紫君子蘭)=アガパンサス属。分類系により曖昧だが、ユリ科またはヒガンバナ科またはネギ科の多年草。6~7月、梅雨の時期に薄紫や白の花が咲く。葱のように太い茎に沢山の花を放射状に付ける。ラッパ型で横向きに咲くものが多い。花弁は6枚。葉は剣状で厚みがある。花言葉は、誠実な愛、恋の季節、恋の訪れ、恋の便り、知的な装い、など。季語にはない。原産地は南アフリカ。同じく君子蘭の呼び名を持つが、クリビア属のノビリス(君子蘭)やミニアタ(受咲君子蘭)は別属。
https://blog.goo.ne.jp/matukaze_2006/e/6f9fb5647c1c888a56a8e36f7c43bdf1 【紫君子蘭 一日一花一葉一句】より
英名でアガパンサス、和名を紫君子蘭(ムラサキクンシラン)といわれるこの葉や花は、君子蘭(クンシラン)に、よく似ている。しかし、アガパンサスはユリ科だが君子蘭はヒガンバナ科、開花時季は春でオレンジ色の花。
首を一本スウット高く伸ばした先に、放射状に沢山の蕾をつけ、代わる代わる薄紫色の花を咲かし続ける。
梅雨の時期の和風の庭には紫陽花が、洋風の庭にはこの紫君子ランがお似合いの風景を醸してくれるかも知れない。
最近庭のフェンス越しにこの花が顔を出している風景を良く見かける。夕方の買い物に出かける通りすがりの庭先から、フェンスを飛び越えて此花がヒョッコリ顔を出す。洋風の佇(タタズ)まいをバックに咲く風景は、薄紫の花弁が、この上なく夕日に輝き辺りを明るくさせていた。 暮れ泥(なず)むアガパンサスの花の先 松風
https://shashin-haiku.blog/archives/photo/%E6%A2%85%E9%9B%A8%E3%81%AE%E9%99%8D%E3%82%8B%E7%B4%AB%E5%90%9B%E5%AD%90%E8%98%AD%E7%B6%BA%E9%BA%97 【梅雨の降る紫君子蘭綺麗】より
つゆのふる むらさきくんしらんきれい
ランナーにアガパンサスに女梅雨 らんなーにあがぱんさすに おんなづゆ
追伸に梅雨うつくしとありにけり 角川春樹
http://cosmosedogawa.blog.fc2.com/blog-entry-67.html 【アガパンサス】より
光恵さんの句 「玉水やアガパンサスの六月」 に関して。
「玉水」は「清らかな水、滝」または「水滴の美称」。
「滝」と詠むと季重りになるので「玉水」と表現した苦心作。で、季語は勿論「六月」。
「滝」の言い替え、座五の一音足りずの是非は長くなるのでここでは割愛する。で、もう一つ登場の「アガパンサス」。別名「紫君子蘭」南アフリカ原産で薄青の六弁の花を散状に茎先に咲かせる。最近、街路でよく見かけますね。花言葉は「恋の訪れ」「実直」「知的な装い」。
この花は手許の六つの歳時記のいずれにも載っていないし著名人の句にはほとんど登場しない。ネットのブログを覗いても、夏の季語の句の措辞として扱われているケースがほとんどだ。
アガパンサス初夏の水辺の色に咲き 照れまん 炎天やアガパンサスの澄みし青 徒然庵
緑蔭や大路彩るアガパンサス 徒然庵 木下闇鎮守の森のアガパンサス 徒然庵
夏を待つアガパンサスの首も伸び 灰 虹 ベランダにアガパンサスの咲き競ふ 典 一
いずれも、主客転倒?、季語ではないアガパンサスを主役に、季語を脇役に詠んでいる印象ですよね。
一方で、「近い将来、季語として認定されるであろう」や「我が歳時記に新しい季語として認定」などとして、季語扱いをした句も散見される。
アガパンサス我が歳時記のニューフェース 照れまん
アガパンサス運河に白き船泊り 写真俳句子 梅雨空もアガパンサスの花の色 山紫庵
アガパンサス今朝はとなりの雨戸開き 華 了 腕組むやアガパンサスの空見上げ 華 了
犬小屋をアガパンサスの覆ひたる 華 犬茶碗アガパンサスの花こぼれ 華 了
また、坪内稔典さんの「船団」の中居由美に「アガパンサス高く開いて多佳子の雨」と言う句がある。*稔典さんの解説:「奈良・あやめ池の橋本多佳子旧居を船団の会で吟行したことがある。以来、私の内では多佳子とアガパンサスが切り離せなくなった。」
「アガパンサス」の個性的な佇まいに感動して詠んでいることに変りはない。
原則を踏まえながらも遊び、いたずら心を忘れず俳句を楽しみましょう。
https://yujyaku.blog.fc2.com/blog-entry-1464.html 【川べりに気高く紫君子蘭】より
■ 川べりに気高く紫君子蘭 ( かわべりに けだかく むらさきくんしらん )
今年も川べりの遊歩道沿いに、「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」の花が林立して咲いた。この花、長く伸びた茎の先に紫の小花を20個ほどつけて咲く。花の形は、秋に咲く彼岸花のようだが、花色の薄紫がゆったりと落ち着いた気品を感じさせる。
上句は、そんな花の印象を詠んだ句である。ただ、「紫君子蘭」は季語になっていないので、夏の季語を入れるかどうか迷ったが、「紫君子蘭」そのものに夏のイメージがあり、あえて無季の句として残すことにした。尚、「紫」のない「君子蘭」は、春の季語になっているが、これは全く別の種類の植物である。
紫君子蘭は、ユリ科アガパンサス属(ヒガンバナ科に分類するものもある)の多年草。原産地は南アフリカで、日本には、明治の中頃に渡来したそうだ。園芸品種も多く、花の色としては、濃紫色や淡青色、白色などがある。花期は6月~7月。
英名はアガパンサスAgapanthusというが、「agapa」は愛らしい、「anthos」は花で、「愛らしい花」の意。アフリカンリリーともいう。
https://yujyaku.blog.fc2.com/blog-entry-1207.html 【むれ咲くも凛々し紫君子蘭】より
むれ咲くも凛々し紫君子蘭( むれさくも りりし むらさき くんしらん )
今年も川べりの遊歩道沿いに、「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」(別名アガパンサス)の花が群がって咲いた。この花、長く伸びた茎の先に紫の小花を20個ほどつけて咲く。すらっとした感じで、その名の通り、頼もしく凛々しい感じがする。
本日の掲句は、そんな花の印象を詠んだ句である。尚、紫君子蘭は昨日の姫檜扇水仙と同様、名前が長いせいか季語になっていない。ただ、明らかに夏のこの時期に咲くので、本句では夏の季語に準じて使用した。因みに紫のつかない君子蘭は春の季語になっているが、紫君子蘭とは全く別種の植物である。
ところで、紫君子蘭という名前だが、植物の醸し出す雰囲気を上手く捉えた、大変良い名前だと思う。ただ、こういう名前の花は、句に詠もうとすると、どうしてもその名前に囚われる。これまで詠んだ以下の句もその例に漏れない。
【関連句】
① 危うきに近づきたもう紫君子蘭
② 川べりに気高く紫君子蘭
①は、花の名にある「君子」から、「君子危うきに近寄らず」の成句を思い出し、その連想で作った句である。②は、川べりに咲いた紫君子蘭の気高い印象を名前にかけて詠んだもの。
このように植物の名前を活かした句は、決して否定されるべきではないと思うが、少しその名の束縛から逃れたいと思う場合は、アガパンサスなどの別名を使うのが良いかもしれない。いずれにしろ何らかの工夫は必要だろう。
紫君子蘭は、ユリ科アガパンサス属(ヒガンバナ科に分類するものもある)の多年草。原産地は南アフリカで、日本には、明治の中頃に渡来したそうだ。園芸品種も多く、花の色としては、濃紫色や淡青色、白色などがある。花期は6月~7月。
英名はアガパンサスAgapanthusというが、「agapa」は愛らしい、「anthos」は花で、「愛らしい花」の意。アフリカンリリーともいう。
尚、紫君子蘭、アガパンサスを詠んだ句は少ないので、今回も参考句は割愛する。