リフォーム細則
マンションでは、専有部分のリフォームが個人の自由とはいえ、建物全体の構造や他の住民に影響を及ぼす場合があります。そのため、リフォーム工事に関するルールを定めておくことが、住民間トラブルの予防や資産価値の維持にとって非常に重要です。
マンションのリフォームは管理規約だけでは不十分な場合が多く、細則に以下のポイントを盛り込み、お住いのマンションにあったルールを作りましょう。
(1)申請が必要な工事
(2)工事申請書の事前提出期間
(3)素材のグレード
これらの細則は、管理組合運営を円滑に進めるための補助ルールです。
細則の位置づけや、総会・理事会との関係については、
「管理組合運営の基本(総会・決議・理事会)」で詳しく解説しています。
【リフォーム細則(案)の例】
専有部分の修繕等に関する細則(案)
(趣旨)
第1条 この細則は、○○○○○管理規約(以下「規約」と言う。)第○○条(細則)の規程に基づき、規約第△△条(専有部分の修繕等)に定める専有部分の修繕等に係る承認の申請(以下「承認申請」という。)の手続き、処理その他専有部分の修繕等に係る事務に関し、資産価値の維持及びトラブルの回避を目的とし、必要な事項を定めるものとする。
(工事種別)
第2条 規約第△△条(専有部分の修繕等)第1項に規定する修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付若しくは取替について、申請が必要な工事を次の各号のとおりに区分するものとする。
一 大規模なリフォーム
例)・概ね工事期間が1週間以上に及ぶ工事
二 共用部分に影響を及ぼすリフォーム
例)・浴室を追い炊ぎに変更する等で、PSの壁に配管用の穴を開ける工事
2 次の各号に該当する工事は、規約第△△条(専有部分の修繕等)第1項に規定する申請は要しないものとする。
一 小規模なリフォーム
例)・概ね工事期間が1週間以内の工事
・壁紙の貼替
・カーペットの貼替
・フローリング貼
・設備機器(キッチン、トイレ、洗面化粧台、ユニットバス等)の交換
・畳の表替え、襖の貼替工事
・網戸の貼替工事
・建具の交換工事
・室内クリーニング
ニ 器具の交換(共用部分に影響を及ぼさないもの)
例)・エアコンの交換工事
・ガス給湯器の交換工事
・照明器具の交換工事
・水栓器具の交換工事
3 次の各号に該当する工事は、原則許可しないものとする。
一 共用部分に影響を及ぼす工事
例)・ エアコン設置の為に外壁に穴を開ける工事
・ ガス給湯器の交換の為にPS扉に穴を開ける工事
・ その他戸境壁、外壁、床、天井等、躯体部分に穴を開けたり削った りする工事
(承認申請の方式)
第3条 承認申請は、前条の区分により、承認を受けようとする日の10日前までに、申請書を理事長に提出しなければならない。
2 申請書のほか、理事長が指示する場合には、工程表、設計図、仕様書等その指示する書類を添付しなければならない。
(承認申請の審査)
第4条 理事長は申請書を受け取ったときは、遅滞なく、承認申請に係る書類を審査するものとする。
2 次の各号の一に該当する場合には、理事長は、承認申請に係る書類を却下しなければならない。ただし、承認申請の不備が補正できるものである場合において、申請者が即日これを補正したときは、この限りでない。
一 第3条に定める期日までの承認申請でないこと。
二 申請者が区分所有権を有する者でないとき。
三 承認申請に係る書類に記載漏れがあるとき又は申請書に必要な書類を添付しないと き。
(承認又は不承認の決定)
第5条 理事長は、申請書を受け取った後、遅滞なく、理事会等の決議に従って専有部分の修繕等の承認又は不承認の決定をしなければならない。
2 前項の場合において、理事長は建築士、建築設備士、弁護士その他マンションの管理又は修繕等に関する専門知識を有する者の判断を仰ぐ必要のあると認められる場合は、継続審査の決定をしたうえで、それらの者の意見に従って、専有部分の修繕等の承認又は不承認の決定をすることができる。
(施工基準等)
第6条 専有部分の修繕等に係る材料、施工要領については、別表のとおりとする。
(承認の取り消し等)
第7条 次の各号の一に該当する場合には、理事長は理事会等の決議を経て専有部分の修繕等の承認を取り消すことができるほか、規約第××条(理事長の勧告及び指示等)の規定に基づき、その専有部分の修繕等の差止め、排除若しくは原状回復のための必要な措置又は費用償還若しくは損害賠償の請求を行うことができる。
一 承認申請と異なる専有部分の修繕等を行ったとき。
二 専有部分の修繕等の施工並びに工事の機材及び残材の運搬等により、共用部分を毀 損し、又は汚損したとき。
三 専有部分の修繕等により、共用部分又は他の区分所有者若しくは占有者に影響を及 ぼすことが判明したとき。
四 申請者及び専有部分の修繕等の施工業者が、理事長又は管理会社の勧告、指示若し くは警告に従わないとき。
五 その他専有部分の修繕等が、関係法令、規約、この細則又は他の使用細則の規定に 抵触したとき。
(調査及び事務の委託)
第8条 理事長は、この細則に定める事務の全部又は一部を、マンション管理業者等第三者に委託することができる。
2 前項の事務をマンション管理業者に委託する場合の費用は発生しないものとし、別途第三者に委託する場合は、申請者との話し合いによるものとする。
(紛争解決等の責任)
第9条 専有部分の修繕等に関し、他の区分所有者又は占有者との間に紛争が生じたときは、専有部分の修繕等を行う者は、誠実にその紛争の解決又は処理に当たらなければならない。
2 前項に規定する場合において、紛争の当事者は、理事会に対して意見を求めることができる。
(細則外事項)
第10条 この細則に定めのない事項については、規約その他の関係法令の定めるところによる。また、紛争解決については、社会一般通念上の良識に従うものとする。
(水漏れ、火災等による復旧工事に関する特例)
第11条 水漏れ、火災等、突発の事故による復旧工事、原状回復工事は、この細則にかかわらず実施することができる。
(細則の改廃)
第12条 この細則の変更又は廃止は、理事会の決議を経なければならない。
(細則原本)
第13条 この細則を証するため、理事長及び理事長の指名する2名の理事が記名押印した細則を1通作成し、これを細則原本とする。
(附則)
この細則は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から効力を発する。