「A VERY SPECIAL HOUSE」Maurice Sendak
ここのところ、まとめてと言うほどではないのですけれど、少しモーリス・センダックの古い刷の絵本が入っております。
最近更新したのは「A VERY SPECIAL HOUSE(1965年頃)」(うちがいっけんあったとさ)、「BIG GREEN BOOK(1985年)」(もしもまほうがつかえたら)「PLEASANT FIELDMOUSE(1965年頃)」(野ねずみハツラツは消防士
)です。
邦題も併記させて頂いたように、どれも翻訳されている本ですので読んだことがある方も多いかと思いますが、原書版は日本語版とは判型も違うものも多く、そしてやはり印刷はかなり違います。
特に素晴らしいのは自分も大好きなセンダックとルース・クラウスのコンビの絵本「A VERY SPECIAL HOUSE」ですね。
初版は1953年ですがこちらは恐らく1965年頃の刷です。刷年の記載はないのですが、著者紹介の記述、そしてISBNが無いことなどから判断しております。
この65年頃というのはセンダックがアメリカ国内のみならず世界的にも、認知/人気を得た年でもあります。64年に「かいじゅうたちのいるところ」でコールデコット賞(メダル)を受賞したので、恐らくその影響でこの翌65年にはセンダックの絵本が多く重版されたと考えられます。初版のみで版切れ/絶版になっていたものも、この頃に多くが重版されたのではないでしょうか。
この絵本もそんな一冊だと思われます。
使われている色は黒、青、地の黄土色の三色のみなのですが、男の子の服だけに使われているこの青色が眩しいくらいに美しい発色をしています。オフセットではなく、恐らくリトグラフの一種ですね。この年代の刷りということを考えると、本全体の状態もとても良いです。
想像力の羽を広げ、子ども時代の幸福へとあっという間に連れて行ってくれる、ルース・クラウスの言葉を、美しい印刷のセンダックで是非楽しんでいただきたいです。
センダックお好きな方、この辺りからコレクションをはじめて見るのも如何でしょうか?
ぜひオンラインストアの方でもご覧下さい。
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