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【指示されるとやりたくない】現場にやる気を与える「アメーバ経営」法

2016.02.26 01:42

「アメーバ経営」の極意については、

かつて、日本経済新聞のJAL再生へのコラム「迫真」に、

以下のように掲載されている。



 アメーバ経営は、巨大な組織を10人程度の小集団に分割し、各集団に収益責任を負わせる。3万人の企業を3000社の町工場に見立て、各社に社長(リーダー)を置いて毎月の収支を管理させるわけだ。

 JALで言えば本来、収入があるのは航空チケットを売る旅客販売統括本部だけで、客室本部や整備本部はコストセンター。しかしアメーバ経営ではこうした部門にも「協力対価」という形で収入を発生させ、そこから費用を差し引いて利益を計上させる。

 会長の大西賢(57)はアメーバを「収支管理を徹底させるための仕組み」と見ていたが、導入してみてその威力に驚いた。

 「キミたち実は勝っていたよ、と2カ月後に試合結果を教えられても、ちっとも燃えない。3万人の団体戦では自分が貢献できたかどうかも分からない。しかし10人のチームで毎月、勝敗が分かると『やったあ』『残念だった』と社員が一喜一憂する。かつてJALは泣きも笑いもしない組織だったが、アメーバで生きている会社になった」

 パイロットが紙コップをやめてマイボトルを持ち込む。整備士は今まで捨てていた汚れた手袋を洗って使う。アメーバの利益はメンバーの給料に直結しないが、結果が伴えば「再生に貢献した」という実感がある。

 11年3月期のJALの営業利益は更生計画を約1240億円上回った。このうち約400億円はアメーバによる「細かなコスト削減の集積だ」(証券アナリスト)という。 


「京セラ」のサイトには、以下の様に、稲盛和夫氏の経営哲学をまとめている。

コチラ

http://www.kyocera.co.jp/inamori/management/ameba/index.html


「京セラが急速に発展し、規模が拡大するなかで、私は、ともに苦楽を分かち合い、経営の重責を担う共同経営者がほしい、と心の底から願うようになった。そこで、会社の組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、社内からリーダーを選び、その経営を任せることで、経営者意識を持つリーダー、つまり共同経営者を多数育成した。

アメーバ経営では、各アメーバのリーダーが中心となって計画を立て、全員の知恵と努力により目標を達成していく。そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現している。

また、アメーバごとに経営の内容が正確に把握できる、独創的で精緻な部門別採算管理の仕組みを構築した。同時に、経営をガラス張りにし、部門別の経営の実態が誰にでもわかるようにした。さらに、アメーバ経営は経営哲学と一体でなければならないので、そのルールや仕組みのひとつひとつが京セラの企業哲学と明確につながるようにした。」 


人間というものは、心を持った生き物です。

1から10まで、「あれをやれ、これをやれ」と言われても、

やる気がなければ、できるだけ楽をして、

最低限ことだけをして、給料を貰おうとします。


それは、ロボットは、10の指示をすれば、10返ってきます。

10以上でもなければ、10以下でもない。


心を持った人間は、その気によって、

5になったり、10になったり、20になったりする。


それは、「やらされている」という感覚と、

「よしやろう」というやる気の差。


組織体は、人の集まり。

「一人が、全員を引っ張る「機関車型」から、

全員で前進する「新幹線型」にするんだ。」

と、よく言われました。


人間は、自分で考えて、自分で決めたことは、

必ずやる遂げようとする習性がある。


少なくとも、方針を決める場に、

自ら意見を述べ、賛成する。


まして、反対であっても、多数決で決められたことなら、

やむなく従って頑張ろうとするものだ。


しかし、一方的に決められて、

「これをやれ、やらないとペナルティー」というやり方は、

最悪で、人間の心の仕組みを無視した、最も結果の出ないやり方だ。


それで、給料をもらう企業なら、最低限のことはやるだろう。


中間の指揮系統は、「上がこう言っている」「上からこういう通達があった」

最悪の場合は、上部機関の責任者の名前を使って、自分の責任を免れ、

「俺が言ってるんじゃないよ。上がこうやれって言ってんだ」

と言う姿勢が見え見えになると、現場のやる気は一気に失せる。


なぜ、この基本的なことが分からないリーダーが多いのだろう。

もっと、現場に権限と責任を持たせなければ、生き生きとした発展はない。


だから、現場に愚痴と文句が多いんだ。

やらされているから・・・


国立天文台副台長 渡部潤一 氏は言う。

「東京近郊の私鉄沿線在住のため、電車の騒音に悩まされていた人が、考えた挙げ句に、その会社の株式を購入した途端、「今日もがんばって走ってくれているな」と思えるようになって、全く気にならなくなったという逸話を聞いたことがある。

(中略)

社会は極めて多様な価値観によって成り立っているので、わずかな物差しにとらわれることほど危ういものはないし、もともとこの世に絶対的な幸せとか、不幸とかは存在しないはずだ。個々人が何に幸せを感じるかも人それぞれ。その意味では、幸せというのは世の中に無尽蔵に、それこそ星の数ほどあるに違いない。」 


世の中には、いろいろな考え方がある。

押し付けられたと思ったら、人は反応しない。

誰しも、人の指示は受けたくないものだ。