何を意識するのか?
人間の治癒力というのは、ホントに不思議なものです。
なぜ、そんな状態で生きていられるのかと思うこともあれば、なぜ、そんな簡単に亡くなってしまうのか?
ということもあります。
奇跡の復活を遂げた方ですが、最近体調が悪い。
姿勢も悪くなっていて、背中も腫れている感じで元気もない。
もちろん、首や肩も緊張します。
こういう場合も何を問題にしなければならないのか?
というのは意外に難しい問題です。
肩凝りや首の凝りをもちろん標的にしたところで楽になるはずがありません。
何が問題かを身体に聞く必要があります。
まずは右の肺から気管支、鼻腔にあります。
これは炎症反応が起こりやすい状態で衛気の反応です。
衛気の反応があると、粘膜や皮膚の機能が低下し、関節や筋肉にも痛みを起こすことがあります。
解剖学的に見ても右側だけが衛気の機能低下しているみたいです。
もちろん、これは感覚的な検査なので、それが正しいかどうかは別として、そんなふうに感じられるということです。
肩の緊張は左手で右の咽から鼻に手をあてると一気に緩みます。
鼻腔や気管支をイメージングしながら手を1mぐらい離してかざすと更に柔らかくなります。
つまり体外にも何らかの関係があるということです。
もちろん、左側に手を当ててもかざしても筋緊張は緩みません。
肺は右側は上葉、中葉、下葉という具合に三つにわかれています。しかし、背中側からは二つにわかれている感じです。
左側に心臓があるからというか左心室は、全身に血液を送り込む為に肥大しているので、正中線よりやや左に大きくなっているので、心臓の分だけ左肺が小さいということです。
左より右の方が面積が大きいということは、右肺は左肺に比べて機能的にも高いということだろうと考えられます。
しかし、肺そのものの問題ではなく、筋肉に反応が強くでていました。つまり、衛気の低下による肺の機能低下で筋肉の機能低下が起こった。その影響の方が全体的には優位度が高いということです。
第三第四肋間の外肋間筋の一部の筋肉にのみ反応があり、そこから全身に影響を及ぼしている感じだと判断できました。つまり、右胸の第三第四肋間に手をあてて呼吸すると全身が調整されるという状態です。
それ以上に重力軸の不安定性があり、地面と身体がうまく接合していない状態を確認しました。 左横前に身体を倒しながら、椅子から立ち上がろうとすると、身体の緊張がなくなるので、それを数回やってもらいました。
すると今まで身体を真っ直ぐできなかったのに、急に姿勢が良くなって、呼吸が楽で肩や首も楽だと言います。
体重をかけて立とうとしただけです。
もちろん立っていません。ちょっと力を入れただけですが、それだけでも呼吸が入るようになってきました。 なぜ、そんなことが起こるのか?
身体は地面と足でつながっています。そのつながりが悪くなって、地面からのエネルギーを供給できない状態になると上半身に力がかかり自然にそうなるのです。
エネルギーとかと言うと、怪しげですが、地面をキチンと捉えてないということです。このような障害は、足だけの問題ではありません。
体幹から上肢、首、頭部への問題もでてしまいます。
そして、思わぬ体調不良を引き起こしてしまいます。
このような場合、胸部を先に調整すると、逆に余計に足の力が抜ける場合があります。 上に意識が行き、下半身の意識が余計に途絶えるということですね。
反応があり、緊張がなくなるから、それを調整した方が良いとも限らないという例です。
身体をトータルで観るというのはホントに難しいことですが、それができれば、ちょっとしたことで体力を回復させることができます。
なぜ、そんな簡単なことに気づかないのか?
きっと、そんなことぐらいでは変化が起こるはずがないとタカをくくっているからじゃないかと思います。
一生懸命勉強してきて、人間の身体はこうなっているんだから、こうなるんだという先入観が、簡単なことを受け入れない大きな理由になっているんじゃないでしょうか?
その人の調子が良くなるのであれば、何でも使えなければなりません。常識に囚われることなく、身体を観察していきたいですね。
待合いで待っていた奥さんが、ご主人さんの姿を見て、急にシャキッとしたと言っていました。
身体の健康状態を良くしようと思ったら、そういうことがホントに大事なんだろうと思いますよ。
検査数値や画像診断では絶対にわかりませんからね。