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村島弘之's Ownd

親子で歩んだ剣道 ― 竹刀がつないだ時間 ―

2025.07.31 04:06

最初は、小さな背中に防具をつけるだけで精一杯だった。

面も重く、竹刀も長すぎて、

ふらふらしながら打ち込んでいたあの日のきみ。

でも、いつしか

その構えに、気迫が宿り

その足さばきに、意志が見えはじめた。

父として、母として

ときに厳しく、ときに言葉を飲み込みながら

ただ、そばで見てきた。

竹刀を握るきみの姿に、

かつての自分を重ねたり

もう届かない速さに、誇らしさと寂しさを覚えたり。

試合に負けて、泣いた夜もあったね。

勝っても、納得できずにうつむいた日も。

でも、剣道は

勝ち負けを超えたところで

人を育てるものだと、

きみが教えてくれた気がする。

親子で向かい合って打ち合った日も、

同じ道場に立った稽古の日々も、

何気ない送り迎えの車のなかも、

全部、かけがえのない「剣道の時間」だった。

きみがこれから、どんな道を選んでもいい。

でも私は願っている。

礼に始まり、礼に終わる心だけは

これからも、きみのなかに残り続けてほしいと。

竹刀がつないだこの絆は、

いつまでもまっすぐに、

静かに、きみと私のなかに生きている。