試合前夜
2025.07.31 04:07
明日が近づくほどに
きみの目が まっすぐになる
部屋のすみに置かれた防具袋
磨かれた面と 静かに立つ竹刀
何も語らなくても
その姿が すべてを語っている
声をかけようとして
そっと言葉を飲み込んだ
「がんばって」も
「負けてもいいよ」も
どこか軽く響いてしまいそうで
私はただ
夕飯を少し多めに盛って
お風呂をあたためて
明日の朝 起こす時間を気にして
……それくらいしかできないけれど
願っているよ
一番いい一本が打てますように
悔いのない立ち合いができますように
勝っても負けても
きみが自分を誇れるように
眠るきみの顔を見ながら
明日もまた
強くなる一日になると
信じている