抵当権② ~抵当権の処分
抵当権者は、その抵当権を他の債権(例えば、自分の債務)の担保とすることができます。これを転抵当といいます。
また、抵当権者は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その抵当権そのものを譲渡としたり、放棄したりすることができます。
抵当権そのものを譲渡した場合、譲渡を受けた者が抵当不動産から優先して配当を受けることができます。
抵当権そのものを放棄した場合、放棄した者と放棄を受けた者とはいずれも優先権がないことになり、結果、双方の債権額に応じて公平に配当を受けることになります。
更に、抵当権者は、後順位の担保権者の利益のために、その抵当権の順位を譲渡したり、放棄したりすることができます。(以上、民法376条1項)。
後順位の担保権者に対して抵当権の順位を譲渡した場合、順位の譲渡を受けた者がまず抵当不動産から配当を受け、その残りについて、順位の譲渡をした者が配当を受けることになります。
後順位の担保権者に対して抵当権の順位を放棄した場合、順位の譲渡をした者と譲渡を受けた者とはいずれも同順位となり、結果、双方の債権額に応じて公平に配当を受けることになります。
以上のような行為を、抵当権者による抵当権の処分といい、抵当権の処分は、処分した者と処分を受けた者の当事者間でのみ効力を発生するもので、他の債権者には影響しないとされています(相対的効力)。
そして、これらの抵当権の処分は、債務者に対する通知(債務者の承諾でも良い)が必要があるほか(民法377条)、第三者に対する対抗要件として登記も必要となります(民法177条)。
抵当権者が数人のためにその抵当権を処分することもでき、その場合、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記登記の前後によります(民法376条2項)。