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ひいらぎ法律事務所

抵当権④ ~根抵当と元本の確定

2026.01.31 15:00

根抵当権とは、継続的な取引関係から生じる多数の債権について、あらかじめ一定の限度額(極度額)を定めておき、その範囲内において、将来確定する債権額を担保する抵当権のことです(民法398条の2)。

この根抵当権は、債務者との一定の種類の取引によって生じるものに限定して設定しなければならず(民法398条2項)、種類を限定せずにあらゆる債務を担保するものとすることはできません。

なお、取引によって生じるものでなくても、特定の原因によって債務者との間に継続して生ずる債権については、根抵当権を設定することができます(民法398条3項)。例えば、特定の事故により継続して被害が発生するような場合に、その損害賠償請求権を担保するということがあり得ます。


根抵当権を実際に実行するに際しては、根抵当権が担保すべき元本を確定すること(元本の確定)が重要となります。この元本の確定により、根抵当権により担保される元本の変動がなくなり、確定時点で存在する債権だけが担保されることになります。

そして、根抵当権者は、確定した元本のほか、その元本に対する利息、損害金などについても、極度額を限度として全額について根抵当権を行使することができます(民法395条の3第1項)。この点は、通常の抵当権によって担保される債権の範囲が、債務の元本のほかには、満期となった最後の2年分の利息損害金等のみとされていること(民法375条)と異なります。

根抵当権の元本が確定する時期を、あらかじめ5年以内の期日で定めておくこともできますが(民法398条の6)、その定めがない時は、根抵当権設定者としては、設定の時から3年を経過しているときは元本の確定を請求することができ、その確定を請求してから2週間で元本が確定します(民法398条の19第1項)。

また、根抵当権者は、いつでも元本の確定を請求することができ、その確定を請求したときに、元本が確定します(民法398条の19第2項)。

その他、根抵当権者が抵当不動産について競売等を申し立てたとき(民法398条の20第1項1号)、抵当不動産に対する他の債権者からの競売手続開始や滞納処分による差押があり、それを根抵当権者が知ってから2週間が経過したとき(民法398条の20第1項3号)、債務者または根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき(民法398条の20第1項4号)などは、法律の規定により元本が確定します。


根抵当権の元本が確定した後は、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額(それまでの利息、損害金を含む)と、それ以後2年間に生ずべき利息損害金等の額に減額することを請求することができます(民法398条の21)。

また、根抵当権の元本が確定した後は、債務者以外の根抵当権設定者や抵当不動産の第三取得者は、現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、その極度額に相当する金額を支払いあるいは供託して、根抵当権の消滅請求をすることができます(民法398条の22)。