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途中経過

2019.02.13 14:55

水野谷みきが水野谷美樹として生活を始めてちょうど2週間が経とうとしている。みなさんお元気ですか。風邪などひいていないですか。私はというと、死んでる人よりは元気ですって感じ。

(死んでる人よりは元気な水野谷美樹こと水野谷みきと、WoollyBearsJazzOrchestraの背中たち)




うたうこと、ドラムを叩くこと、ツイッターで何かを宣伝すること、女性シンガーソングライターとして必死にもがくことなどをやめてみて、私はただのフリーターと、週1で下北沢でお酒を作る女として過ごしています。




変わると思っていた変わらず汚い部屋の中で、ぼそぼそと納豆ご飯を食べ、たまにインスタント味噌汁を飲み、更新する気のないツイッターを適当に流し読み、YouTubeでひたすらVICEのチャンネルを漁って観て、世界を知った気になるだけの生活。ときどき外に出て、歩いて大好きな行きつけのベローチェに行く。決まって夜の空いてる時間に。人に会いたくなって、遠くの誰かに連絡して、会えないのに会えると思ったりして、ヘラヘラ平気なふりをする。

人工的に塗られた青い新しい友達は、小さな引き出しの中でアルミに包まって正座をしている。何にも考えないを上手にするためだけに生まれたそれは、何にも考えないで私のことを静かに見つめてる。




普通のことを「普通じゃないよ」って指摘されることはへっちゃらだった。昔からそう言われてきたから。普通じゃないことをやるとみんなが驚く。喜んでくれるときもある。友達ができるときもある。なんか知らない間に嫌われてるときもある。軽蔑されるときもある。ゴキブリを見るような目で睨みつけられるときもある。ゴキブリ以下は本当はどっちなんだろう。




"個性"という言葉はときにものすごく残酷だ。個性が光り輝く世界は、実はまだまだ日本には少ない。個性という言葉だけがプリクラのスタンプでキラキラと輝いているだけで、実際の個性が輝ける場なんて3%もないだろう。「それは立派な個性だよ」って言葉を投げかけて、いいこと言った気になって、目の前の本当の"個性"と呼んだものの本質を何も理解しようとせず、無意識のうちに人は他人をクッキーの型にはめて切り取り焼こうとする。生地が足りなかったら、適当に他の生地とまとめられるか、ゴミ箱に捨てられる。ソレハリッパナコセイダヨ。それは立派な言葉ですね。




そんな社会に揉みくちゃにされながら、傍で音楽活動をしてきた。一度でいいから「普通」に見られたいと思った。普通に生きて普通に生きることをこなし、普通に見られたいと思った。普通に見られた世界を知ったほうが、もっと濃いめのゲロみたいながうたが書けると思ったから。なんとか普通のやつらについていこうとしがみついた。結果、怖くて眠れなくなった。寝不足と恐怖が混じって、胃がキリキリ痛み、喉の下がヒクヒクしていた。酒なんて一滴も飲んでないのに、酷い二日酔いのときみたいな感覚だった。最悪だった。明日が見たくないと強く思う日々。




クサすぎてめちゃくちゃ気持ち悪いし、そこらへんの下っ手くそなギターかき鳴らして「弾き語り」ってほざいてる女たちが5億回くらい言ってそうなことだからもう今回限りで一生言いたくないけど、私は音楽がないと本当に生きていけないのかもしれないって思った。逆に言えば、音楽がないとマジで死ぬんだへえ!って発見した。ていうか5億回も言ってる暇あったらその下手な楽器を練習しろよって思う。ブーメランになりたくないからもう一生言わない。




そしてお酒を飲みながら決意をした。

夏ごろまでに社会から切り離されよう。そしてそれの準備をきちんと始めよう。って。普通の人間と普通を装う努力はもう充分した。材料集めはいつでもできる。自分が努力する矛先が少し見定まったから、それを見つめ続けることが大切だと。




2月、水野谷みきをやらない期間を設けてよかったと心から思っています。何を言ってるんだと思ってる人もたくさんいると思うけど、もうぼちぼち私はまた動き出すので、楽しみにしててください。




とりあえず直近で私に会えるのは月曜日の下北沢バッキンガム宮殿にて。それからもしかしたら3月17日(日)のお昼。3月30日(土)のお昼はセクシーなパンツを密かに履きながら江古田でドラム叩きます。ビッグバンドジャズです。これはめちゃおすすめ。是非ジャズのライブ来たことない人に見てほしいです。