朝の会話
2025.08.06 09:00
僕らは、夕食を一緒に取れないぶん
予定の共有とか買い出すものとか
生活に関わる会話を朝食のうちにしている
ふと、昨日の会話を思い出す
「明日は出る時間一緒だからね」
そう伝えたあと、出掛ける直前に玄関先で
「今日は、一緒に行かないの?」
「明日だよ」
笑って返してから
なんだか愛おしくて抱きしめたくなった
寸でのところで、踏みとどまったけど
今朝の食卓は、とても哲学的な会話だった
この手の話は好きだけど
どうにも本として読む気になれなくて
知識としては、君より圧倒的に薄い
僕の学生時代のそれは、行動とか受け売りの結果であって
学びとして提供されたものは殆どなかった
純粋に、学ぶ機会のあった君が羨ましかった
「もしも僕が、東京の大学を選んでいたら
どんな人生だったかなって思うときがあるよ」
過ぎたことを負目に思う必要はないと、言われても思っても
なかったことにもならないのは、どこかもどかしかった
「それでも、君とは出会えたと思う」
「そうですか」
何とも言えない表情だった気がする
たぶんこの話の帰着点は、此処ではない
もっと学びたかったって、悔いのような願いだった
皿洗いを一緒にこなして、支度して家を出た
僕らはちゃんと、前を向いて歩いてる
それだけは、確かなことだった。
— 朝の会話 —