ZIPANG-10 TOKIO 2020「はっこう文明始まる」 能表現 「オッペンハイマー」 ー人類の未来 ー 【寄稿文】 一舟・光秀
世界を超えた伝統表現の強烈な心の醗酵現象が、
いかに偉大なものであるか、世界平和への道を見た想いである。
それはオーストラリア発の文化、核兵器に対する一石を投じた、
お能「オッペンハイマー」である。
「陵王」
一子相伝 林家舞楽
日本三大舞楽の中でも、一番古い形をそのまま保っている。
衝撃の画像は前号でご覧いただけると思うので、同じ戦争の相反するイメージであるが、
先ず取り敢えず筆者の最も好きな中国古代の連戦連敗の優男の王が、百戦百勝に変身した「陵王」の姿に近いイメージで失礼。
人は平和を願うが、毎年国に税金を納めている。それは毎年上積みされる防衛費の一部になり、世界の何百兆円もの軍事産業の一端を担い、来年度も政府の防衛予算に上乗せ賛成することになる。
人の世界のシステムの中ではあらゆる人間活動全ては繋がる関係で成立している。では戦争反対、核兵器反対にはどうすれば良いのか。叫んでもその大元に影響し伝わることは難しい。
列島日本では防衛費より国民の福祉に予算を回す人に投票する民主主義の方法がある。戦後80年も核兵器反対を叫び続けノーベル平和賞を受賞した偉大な方々を称賛したい。
しかし前回も述べたが世界の国々を統括する役目の国際連合でさえ、核超大国の拒否権という未発達な人の物質文明の世界である。
持てる者強い者の、弱肉強食は、自然界ではそれをコントロールする自然の法、摂理がある。食物連鎖でさえ皆殺し、抹殺は、種を絶やし自己の存在に関わるので本能的御法度で、互いに助け合い、生きて行く互助の関係が自然界の調和を支えている。
人は身勝ってな人間中心の大方針を止めよ。自然の法に学ぼう。最低限の、人を殺すことを止める大方針と、心優しい世界中の人が、民主主義の選挙の限界を諦めず、防衛費減額を叫ぶ人物に投票すれば、いつか世界も国も自分も皆が幸せになれる。
だが果てしない強欲の人世界は、なかなか許してくれない。それはどの様な人たちなのか。世界経済を、何千兆円も自由にコントロールできる大きな力を持つ、人ではない亡霊かもしれない。
「オッペンハイマー」 能表現が 人の未来を開く
Photo: Sota Kitazawa
そこに普通の人々の心の叫びが届くこと、物質文明から心の文明へ、その試みが「はっこう文明」の提唱である。自然の摂理、生命の基本、動植物の存在の、養分を互いに摂取し譲り合う。
その一つ、多くの生きものが生きる上に活用している、優しい受け渡しシステム、発酵現象である。
今朝、オッペンハイマーというオーストラリア発のお能を見て、何か一縷の希望が見えた思いであった。
広島長崎の核爆弾を主導実践した、原爆の指導者の苦悩を表現した幽玄な見事な能の表現であった。それが海を超えたオーストラリアの作家の驚くべき発想である。心の文明への鋭い感性に敬意を表したい。
ZIPANG-10 TOKIO 2020 物質文明と心の文明の融和 ーはっこう文明デザインで平和な世界をー 【寄稿文】一舟・光秀
https://tokyo2020-10.themedia.jp/posts/57144726
ZIPANG-10 TOKIO 2020速報~能が英語になったとき~ 英語能 新作『オッペンハイマー』/再演『青い月のメンフィス』公演のご案内
https://tokyo2020-10.themedia.jp/posts/57200041
【寄稿文】 一舟・光秀(林 英光)
環境ディレクター
愛知県立芸術大学名誉教授
東京藝術大学卒業
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
協力(順不同・敬称略)
谷地八幡宮「林家舞楽」
UCLA-早稲田大学
柳井イニシアティブ
シアター能楽
喜多能楽堂
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
一子相伝
谷地八幡宮「林家舞楽」
陵王
谷地八幡宮「林家舞楽」は日本三大舞楽の中でも、一番古い形をそのまま保っている。
色鮮やかな紅花染めの衣装は、陵王の舞をより一層引き立たせている。
まえがき
宮中舞楽、四天王寺、そしてこの山形県の河北町にある谷地八幡宮で行われる林家舞楽は日本三大舞楽とされており、中でも林家舞楽はこの内一番古い形をそのまま保っていることでも有名です。この町河北町は紅花大尽と呼ばれる旧家が沢山あり、奥ゆかしいお雛見という恒例行事が行われる事でも有名な場所です。
概説
貞観二年(860)に、僧円仁(後の慈覚大師)が羽州山寺立石寺を開山しました。この時、大阪市四天王寺の楽人林越前守政照が円仁に従って東国に下り、四天王寺の舞楽を山寺に伝えたと古記録に記されています。
その後、林政照の子孫は山寺で例年舞楽を奉仕したが、室町時代に慈恩寺(寒河江市)に、さらに江戸時代初期に谷地に移り住み、山寺・慈恩寺・谷地八幡宮の舞楽を司り現在に至ります。
この千百五十有余年の間、門外不出、一子相伝の家憲を固く守り、次々に長子に秘法を伝承しているのでした。
林家舞楽は早くに地方に下ったため、平安中期以降の楽制改革(日本化)の影響が少なく、よりシルクロードの面影をとどめていると評されています。
嘉暦四年(1329)に描かれた林家秘蔵の舞楽図譜(県有形文化財)には、二十九曲描かれており、現在は十一曲を伝承し、山寺立石寺の臨時法会、慈恩寺は五月五日の一切経会、谷地八幡宮は九月の例大祭にて奉奏しています。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020「舞楽の神髄を伝える谷地八幡宮 ~林家舞楽~(第一話)」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5888137/
岩手県花巻市
早池峰神楽(はやちねかぐら)続編
早池峰神楽(はやちねかぐら)
花巻を代表する伝統芸能であり、国の重要無形民俗文化財に指定されているのが早池峰神楽。修験者が長い旅の後に披露した芸が土着し、豊作、無病息災、家内安全等を祈願して舞うことが慣習化し、地域に継承されたと言われています。早池峰神楽は大償(おおつぐない)と岳(たけ)の二つの神楽座の総称で、その起源は南北朝時代ではないかと言われています。大償神楽はゆるやかで繊細な女舞に特徴が、岳神楽は勇壮で活発な男舞に特徴があります。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「画像で綴る!早池峰神楽(はやちねかぐら)続編 & 岩手県花巻市『郷土芸能鑑賞会』開催のご案内」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2629632
~伝統のお面~ 一千年の悠久の時を超えて!
国指定重要無形民族文化財 遠山の霜月祭り
赤石山地西麓を走る中央構造線に沿って連なる細長いV 字状の峡谷、ここが霜月まつりを伝えている遠山郷です。
遠山郷は西に伊那山脈、東に赤石山脈、それぞれの崩壊土壌によって農耕地が形成され、集落はそれらの斜面や河川の流域に点在しています。
こうした環境と生活の厳しさが、厚い信仰を育み素朴で優雅な霜月まつりを現在に伝える風土をつくりました。
遠山郷は古来、信濃国伊那郡江儀遠山の庄と言われ、歴史のなかで最初に顔を出すのは、文治二年(1186)に編まれた「吾妻鏡」においてです。
南アルプスの山々に雪が白くかかる頃、祭り笛が谷を流れます。
里人が待ちわびた年一回の神と人間の出会いの夜です。 煮えたぎる神々の湯を浴びて、里人たちは身を清め、春まく種も稔り豊かに、平和で豊かな里であることを祈願するのです。
この祭りが文献に現れたのは、江戸後期の国学者、本居宣長の「玉勝間」(文化九年刊)です。祭事の移入についても諸説があり、必ずしも明確ではありません。
霜月まつりは、伊勢神宮の内宮の湯立の系統をひくもので、おそらく伊勢方面から伝来した神楽に、元和年間にこの地で滅びた遠山土佐守一族の霊を鎮める鎮魂の儀式が後から加えられた、という見方を研究者たちはしています。
いずれにしても遠山の霜月まつりは、古い伝統と古式豊かな祭事であり、昭和54年2 月3日、文化庁の重要無形民俗文化財に指定されました。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「一千年の悠久の時を超えて!湯立神楽の古い形態を今も伝承 " 遠山の霜月祭り " 国指定重要無形民族文化財」~伝統のお面~
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1531168
秋の飯田を勇壮な獅子の舞が魅了!
南信州の獅子舞とは
飯田下伊那地方で行われている“屋台獅子”の源流となるのは 「大島山瑠璃寺の獅子舞」であろうと言われています。
奈良時代に行われた 伎楽・舞楽の中に、鼻高仮面の役が先導役として 獅子を導く舞があります。 瑠璃寺の獅子舞の宇天皇が獅子を引っぱって歩く所作の原型となっている と言われます。
長野県全域は日本の獅子舞の縮図ともいうべき地域です。 日本の獅子舞のすべての要素がこの長野県に集まっている。 と民俗学者の三隅治雄先生はお話しされました。
ZIPANG TOKIO 2020「秋の飯田を勇壮な獅子の舞が魅了! 第9回 南信州獅子舞フェスティバル 開催のご案内」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1412408
うんなんの出雲神楽 ~前編~
雲南の出雲神楽とは
出雲神楽とは、岩屋戸から天照大神を引っ張り出したひとり 「アメノウズメノミコト」の舞をそのままに受け継ぐ、 出雲地方(島根県東部)に伝わる伝統芸能です。
古事記、日本書紀の「神代」には、 神楽の元となった出雲神話が多数挿入されており、 そこに登場するスサノヲ、オロチ、オオクニヌシ、イナタヒメ。
すべて雲南市を流れる斐伊川にまつわる神話です。
雲南市内には現在、15もの神楽社中があり、 出雲神楽は地域の郷土芸能として脈々と受け継がれています。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020 人と神を繋ぐ伝統芸能(雲南市)「うんなんの出雲神楽~前編~」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6769204
うんなんの出雲神楽 ~後編~
人と神を繋ぐ伝統芸能(雲南市)
八重山神社
きりたった岩壁のくぼみに拝殿や本殿が建立されています。
松江藩ゆかりの牛馬の守護神であり、家内繁盛や病気平癒の神様としても有名です。
いったん火事で焼失しましたが、1734年に松江藩主によって再建され、「一社一例国主守護之社」として崇拝されています。
編集後記
曾ては日本のいたる所で行われていたというお神楽ですが、現代でも滅多に主要メディアに登場する事もなく、インバウンドの恩恵からも遠い存在でした。
歴史的に日本は封建、鎖国時代を経て、二度の日本文化における大変革を体験しています。それは明治維新と第二次世界大戦での日本降伏です。
驚くのはこの二つの転換期に日本伝統の徳目 (仁・義・礼・智・信)は底流にあるものの、その上に築かれた汎ゆる地域的行事、祭礼、風習、日常の衣食住における様式まで捨て去り、大げさに言えば見事に、一日にして和魂洋才化してしまいました。
その根拠が明治政府を担った岩倉具視以下使節団は西欧諸国を見聞した結果、我が国の科学技術の遅れを痛感し、屈辱、敗北感から生じたものでした。そして間髪置かず西洋文明を導入。それは徹底した西洋崇拝です。それ以来、(1000年〜1500年も続いた日本固有の伝統文化さえも遅れたものと勘違い) 日本の建物は西欧建築を真似た疑似洋風建築、衣服や髪型迄西洋風の物真似でした。
いきおい政策も工業立国を目指し、科学技術や重工業への肩入れから始まり……この間我が国は日露戦争、上海事変、日清戦争を経て第二世界大戦で大敗を喫します。しかしながら、終戦後もその復興を目指した政策中身は変わることなく、日本文化の軽視と大企業による経済中心主義でした。
その結果が、先進国の仲間入りを遂げた一時は"ジャパン・アズ・ナンバーワン" とされたこともある今日の日本の姿です。
しかし、ここに至って世界的に伝播した情報通信メディアの発達で世界的にインターネットやSNSなどを通じて様々な分野での情報が共有され、いきおい海外からは独特且つ異色な日本文化や小さな地域文化に目が注がれ始めています。そのスピードは鰻登りとなってきました。
さて、一昨日から本日にかけての記事はそうした中、長い期間にわたり、放置され続けてきたのが日本の誇れる地域の伝承芸能です。やっと、日の目を見る機会到来に期待したいものです。
我が国は確かに、経済大国には成りはしたものの、その陰に隠れて、こうした貴重な地域文化がいつしか人々の記憶から忘れ去られたように感じておりましたが、まだまだ地域は限定されており、こうした地域の伝統芸能の中で日本の歴史を表現するお神楽を受継ぎ、その伝承、進化の為に取組まれている方々が大勢おられることを知り、大変心強く感じるものでした。
このように全国各地においては地域文化の継承保存活動が未だ沢山、地下に埋もれているのでは?これからも機会あるごとに、そうした事例を広くご紹介出来ればと決意を新たにしたところです。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020 人と神を繋ぐ伝統芸能(雲南市)八重山神社 の スサノオ伝説 とは 「 うんなんの出雲神楽 ~後編~」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6781551
日本遺産
島根県の伝統芸能「石見神楽」
石見神楽とは、島根県西部の石見地域で演じられる神職神楽で、その由来は古く平安末期から室町時代に石見一円で祭事に併せ舞っていたものとされる。
江戸時代には出雲佐陀神楽が、歌舞伎や能の所作と融合させた神話劇の神能を演ずるようになり、爆発的に石見に波及され演劇化されていった。
その後、明治の法改正により、その土地の人々が神楽を演舞するようになると、活発な石見人の気性そのままに勇壮な八調子とよばれるテンポになるなど、改革も活発化。
神事でありながらも、演劇的要素が濃く、ストーリーも明快、舞もお囃子も激しく、胸のすくような爽快さと勇壮さがあるのが特長。
令和2年「神々や鬼たちが躍動する神話の世界〜石見地域で伝承される
神楽〜」として日本遺産に認定。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-9 TOKIO 2020日本遺産に選ばれた島根県の伝統芸能「石見神楽」特別公演開催決定!8月24日(土) 川崎市で2公演を上演
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/54123189
平和
HIROSHIMA PEACE MEMORIAL CEREMONY
平 和 宣 言
皆さん、自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか。また、他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか。
ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の悪化により、罪もない多くの人々の命や日常生活が奪われています。
こうした世界情勢は、国家間の疑心暗鬼をますます深め、世論において、国際問題を解決するためには拒否すべき武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないでしょうか。
こうした状況の中で市民社会の安全・安心を保つことができますか。不可能ではないでしょうか。
平和記念資料館を通して望む原爆死没者慰霊碑、そこで祈りを捧げる人々の視線の先にある原爆ドーム、これらを南北の軸線上に配置したここ平和記念公園は、施行から今日で75年を迎える広島平和記念都市建設法を基に、広島市民を始めとする平和を願う多くの人々によって創られ、犠牲者を慰霊し、平和を思い、語り合い、誓い合う場となっています。
戦後、我が国が平和憲法をないがしろにし、軍備の増強に注力していたとしたら、現在の平和都市広島は実現していなかったのです。この地に立てば、平和を愛する世界中の人々の公正と信義を信頼し、再び戦争の惨禍が起こることのないようにするという先人の決意を感じることができるはずです。
また、そうした決意の下でヒロシマの心を発信し続けた被爆者がいました。「私たちは、いまこそ、過去の憎しみを乗り越え、人種、国境の別なく連帯し、不信を信頼へ、憎悪を和解へ、分裂を融和へと、歴史の潮流を転換させなければなりません。」これは、全身焼けただれた母親のそばで、皮膚がむけて赤身が出ている赤ん坊、内臓が破裂して地面に出ている死体…生き地獄さながらの光景を目の当たりにした当時14歳の男性の平和への願いです。
1989年、民主化に向けた市民運動の高まりによって、東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊しました。かつてゴルバチョフ元大統領は、「われわれには平和が必要であり、軍備競争を停止し、核の恐怖を止め、核兵器を根絶し、地域紛争の政治的解決を執拗に追求する」という決意を表明し、レーガン元大統領との対話を行うことで共に冷戦を終結に導き、米ソ間の戦略兵器削減条約の締結を実現しました。このことは、為政者が断固とした決意で対話をするならば、危機的な状況を打破できることを示しています。
皆さん、混迷を極めている世界情勢をただ悲観するのではなく、こうした先人たちと同様に決意し、希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます。
争いを生み出す疑心暗鬼を消し去るために、今こそ市民社会が起こすべき行動は、他者を思いやる気持ちを持って交流し対話することで「信頼の輪」を育み、日常生活の中で実感できる「安心の輪」を、国境を越えて広めていくことです。
そこで重要になるのは、音楽や美術、スポーツなどを通じた交流によって他者の経験や価値観を共有し、共感し合うことです。こうした活動を通じて「平和文化」を共有できる世界を創っていきましょう。
特に次代を担う若い世代の皆さんには、広島を訪れ、この地で感じたことを心に留め、幅広い年代の人たちと「友好の輪」を創り、今自分たちにできることは何かを考え、共に行動し、「希望の輪」を広げていただきたい。
広島市は、世界166か国・地域の8,400を超える平和首長会議の加盟都市と共に、市民社会の行動を後押しし、平和意識の醸成に一層取り組んでいきます。
昨年度、平和記念資料館には世界中から過去最多となる約198万人の人が訪れました。これは、かつてないほど、被爆地広島への関心、平和への意識が高まっていることの証しとも言えます。世界の為政者には、広島を訪れ、そうした市民社会の思いを共有していただきたい。
そして、被爆の実相を深く理解し、被爆者の「こんな思いは他の誰にもさせてはならない」という平和への願いを受け止め、核兵器廃絶へのゆるぎない決意を、この地から発信していただきたい。
NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議が過去 2 回続けて最終文書を採択できなかったことは、各国の核兵器を巡る考え方に大きな隔たりがあるという厳しい現実を突き付けています。
同条約を国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石として重視する日本政府には、各国が立場を超えて建設的な対話を重ね、信頼関係を築くことができるよう強いリーダーシップを発揮していただきたい。
さらに、核兵器のない世界の実現に向けた現実的な取組として、まずは来年 3 月に開催される核兵器禁止条約の第 3 回締約国会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となっていただきたい。
また、平均年齢が85歳を超え、心身に悪影響を及ぼす放射線により、様々な苦しみを抱える多くの被爆者の苦悩に寄り添い、在外被爆者を含む被爆者支援策を充実することを強く求めます。
本日、被爆79周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、改めて被爆者の懸命な努力を受け止め、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。
皆さん、希望を胸に、広島と共に明日の平和への一歩を踏み出しましょう。
令和 6 年(2024年) 8 月 6 日 広島市長 松 井 一 實
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-9 TOKIO 2020 広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式【平和記念式典】について
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/54889827
長崎県 3万人の群衆に応えるローマ教皇
「被爆75年 ローマ教皇写真展」では、昨年11月24日、長崎で最初に訪れた平和公園の原爆落下中心地碑と日本二十六聖人殉教地(西坂公園)での献花や、バチカンから持参したキャンドルの点灯、県内外から集まった3万人の群衆とともに長崎県営野球場で行ったミサの様子などを、写真展示及びプロジェクター上映。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-5 TOKIO 2020 ローマ教皇、長崎県来県1周年「被爆75年 ローマ教皇写真展」日本橋 長崎館にて開催!
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/11570974
世界文化遺産登録決定!
潜伏キリシタン関連遺産
熊本県天草市崎津集落
禁教期に潜伏キリシタンが組織的に信仰を続ける中で、アワビやタイラギの貝殻内側の模様を聖母マリアに見立てて崇敬するなど漁村独特の信仰を育み、在来宗教と信仰空間を共有した集落であり、キリスト教解禁後は﨑津諏訪神社の隣に教会堂を建築した。禁教期の固有の信仰形態とその終焉を示している。