スピードを活かせない時間の方が長かった
8月11日に行われたWUBS2025第2試合で、日本体育大学バスケットボール部「NSSU LIONS」は日本選抜を86-72で破り、見事勝利を収めた。この国際大会での勝利は、チームにとって大きな自信となる貴重な経験となった。ライオンズが得意とするスピードを活かしたバスケットボールは、国際舞台では思うように展開できなかった。「スピードを活かせない時間の方が長かった」という現実は、国内戦とは異なる国際試合の厳しさを物語っている。技術的な修正よりも、むしろメンタリティの強化が急務だということが明らかになった。一方で、本試合では初めて80点を突破し、日本の若手選手相手にライオンズらしいバスケットを披露できた。この成功体験が良い起爆剤となり、チーム全体の自信につながったことは間違いない。
勝利の中で見えた課題と成長
この勝利の一方で、昨日の敗戦後には選手たちが強いフラストレーションを抱えていた様子も見られた。思い通りにいかない状況への対応力、経験値の不足という課題が浮き彫りになった。しかし、コーチングスタッフは選手たちの表情を見て、彼らが自分自身と真摯に向き合っていることを確認し、あえて多くの言葉をかけなかった。この判断は、選手の自主性を重んじる指導方針の表れでもある。
国際大会の意義と日本バスケット界への影響
この大会参加は日体大バスケットにとって非常に価値ある経験となった。WPSリーグやESLなどアジアバスケットのクロスボーダー化が進む中、日本の大学バスケットが国際舞台で戦う機会の重要性が再認識された。特に注目すべきは、2年生選手の積極的な起用だ。彼らには国内リーグでの成長を通じて、再びこの国際舞台に戻ってくることが期待されている。インターカレッジという目標を経て、より強いライオンズとして国際大会に臨む姿勢が求められている。
今後への展望
日本の高校バスケットの盛り上がりと連動して、大学カテゴリーでのアジア・世界大会の開催は、日本バスケット界全体の強化に直結する重要な要素だ。このような大会が各国で注目され、新たな国際大会の創設につながれば、双方の国にとって大きなメリットとなる。会場の雰囲気は「最高」と評価され、運営やスポンサーへの感謝の言葉も聞かれた。国際大会としての成功は、今後の継続的な開催への期待を高めている。
ライオンズにとって、この勝利は単なる結果ではなく、成長への重要なステップだ。国際舞台での経験を日常の練習に落とし込み、より強いメンタリティを育成することで、日本バスケット界の発展に貢献していく使命を背負っている。
取材:JunkoSato/SportsPressJP