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東洋式疑似餌釣研究所

管理釣場のフライフィッシング

2019.02.14 10:41

 今からさかのぼる事、30年前。


私のフライフィッシングは、栃木の管理釣場である加賀フィッシングエリアにて始まった。50ccの原付で深夜の利根大堰を渡り、明け方にはゲートが空くまで仲間と寒さに耐えた。その同時、ベテランのフライマンは漁師のようにシンキングラインを遠投してワン・キャスト ワン・フィッシュを繰り返していて、何時かはあんな風になりたいと思ったものだった。

初めて手にしたタックルは、ウエダのグラスロッドとコータックのリールだった。


キャスティング何てものもわからないし、手がかりは数少ない情報と、仲間からのアドバイスを頼りに、簡単に巻いたフライを投げては後ろの木にフライを取られて、ティペットを結び直し、アワセを入れれば空振りしてロッドにリーダーがぐちゃぐちゃに絡み、フォルスキャストでは自分の背中や帽子を釣り、まともに釣りが出来た記憶なんてありはしない。


それでも、やはり釣り堀は釣り堀で時折間違ってマスが挨拶してくれるので、挫折することなく通っていた。最初はマーカーを付けたルースニング、そして半年もするとシンキングラインを使ってリトリーブの釣りをするようになって行くのだかキャスティングは一向に上手くならない。そもそも先生がいないのだからそれもそのはずなのだが、冬過ぎて春になる頃には何とか20~30匹は釣れる様になっていた。


ホームにしていた釣り場も加賀フィッシングエリアから、寄居にあったYGLへ変わりいろんなフライを試したりするようになっていった。フライを夜な夜な巻いては一睡もせずに釣り場へ向かう、日が暮れるまでロッドをふり夢中に何かを目指していた。


答えなんか無い事はわかっていたけど。

とにかく上手くなりたい一心だったのだ。

そんなフライフィッシングもたくさん釣れるようになるとやがては熱が冷めて、トラウトルアーフィッシングを本格的に始めた頃にはほとんどやる事はなくなっていた。


それから10年近く、フライをやるのは年に一回か二回、渓流でのドライフライがメインになった。


渓流でヤマメやイワナを釣る。

湖でたまにレインボーを釣るだけで。


特別な気持ちはなく、釣るという手段の一つにフライフィッシングがあるというだけで。

思い入れというものは特になかった。


ただ一向にうまくならないキャスティングに苛立ちながらフライには向いてない性格なんだろうと自分の技術が未熟であることを直視することなく半分諦めていた。


あれから20年という時間があっという間に過ぎた。最近になり、また違う意味でフライの楽しさを知る事になった。

よくよくやり込めばわかることだけど、ドライフライもルースニングもリトリーブの釣にもそれぞれの楽しさがあり奥が深い。


そして仲間たちも徐々にフライ熱を上げつつある、どんなフライを使うのか?どんな釣り方をするのか?質問がある度に自分の釣りを考え直して分かりやすく伝えていく。

結局、人に釣りを伝えるには自分の釣りをより深く理解しなければならないということに他ならない。


キャスティングが楽しい。

タイイングが楽しい。

実際に釣ることが単純に楽しい。


そしていろいろな魚、いろいろなフィールドでいろいろな釣り方がある。


フライフィッシングには無限に伸び代があるからやったらやっただけ身に付くところが結局一番楽しいのかもしれない。


平成最後の冬もたくさん管理釣り場へ通っていろいろ学んだ。


春にはきっと楽しい釣りが待っている事だろう。