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「THE MAGIC OF A PEOPLE」Alexander Girard

2019.02.15 09:31

その本の存在は知っていたのですが、当店のラッピングペーパーのデザインを手掛けて頂いているYUYAさん(@yuya_chokkin_kirie)のご自宅で、はじめて手にとって見たときには、ああ、やっぱり楽しくて、美しい、良い本だなあ、と溜め息を漏らしたのでした。

その本「THE MAGIC OF A PEOPLE」が先日、当店にも入荷しました。

本書は、NY出身の、所謂ミッドセンチュリーを代表するデザイナーのひとり、アレクサンダー・ジラードが収集した、民芸品と玩具のコレクションを見ることの出来る本です。

ページをめくるとさまざま現れるパナマ、メキシコ、ブラジル、ペルー、グアテマラ、ボリビア、コスタリカなどなどの、ラテンアメリカ諸国の民芸品/玩具には、まるで魔法が掛かっているかのように、不思議な魔力を帯びて見えます。

魔法、というよりも、魔術といったほうが、ニュアンスは近いかも知れません。

自分が文芸畑の出身なので、その地域の文学(ラテンアメリカ文学)を連想し、それに寄せてこの本も見てしまうのですが、小説の中で読んだあの土の匂い、そして占い師たちの魔術(呪術/祈祷)が完全に力を持っていたこと(効力を果たすフィクションが現実の素地となっていたこと)を、それを言葉とはまた違う形で、まざまざと感じることの出来る本なのです。

ガルシア・マルケスやフアン・ルルフォ、はたまた、こちらはラテンアメリカではなくアフリカなのですがレーモン・ルーセルなどとも一緒に読んでみると、その魔術の一端を垣間見ることが出来るのではないでしょうか。

ちなみにこの民芸品/玩具の写真を撮っているのは、これまたミッドセンチュリーを代表するデザイナー、あのイームズ夫妻です。豪華ですねえ!

見返し頁や扉ページのイラストが可愛いのも魅力的ですね。

ちなみに隣に写っている鳥の置物はメキシコのトナラ焼のものです。気に入っています。


THE MAGIC OF A PEOPLE」Alexander Girard