2019 フェブラリーS 馬名プロファイル
1枠1番 クインズサターン 父パイロ 母ケイアイベローナ
冠名+土星。サターンは悪魔Satanではなくローマ神話の農耕神Saturnusの英語名が由来。その名は土曜日Saturdayや彼を祝した祭りSaturnaliaサートゥルナーリアに刻まれている。母名にあるBellonaはローマ神話の戦争の女神の名で、軍神・農耕神マルスの后または妹とされる。重賞で5回馬券内に入った本馬は満を持してGⅠ初参戦。この惑星が一騎当千の走りで最高の果実を収穫だ。
2枠2番 ユラノト 父キングカメハメハ 母コイウタ
百人一首の恋の歌の初句より。2007年ヴィクトリアマイルを12番人気で制した母の名からの連想だろう。「由良の門を渡る舟人楫を絶えゆくへも知らぬ恋の道かな」の初句で、意味は、京都の由良川の河口を渡る舟人が梶を失ってゆらゆらとどこに行くかも分からぬような、私の恋の道筋であることよ、ということらしい。だが本馬は展開の流れに上手く乗り、栄光へつながる一縷の赤い糸を手繰り寄せて、砂のバージンロードを駆け抜ける。
3枠3番 ゴールドドリーム 父ゴールドアリュール 母モンヴェール
金の夢。母Mon vertはフランス語で「私の緑」。緑と言えば、ドル紙幣は緑色のインクで印刷されていることから英語で緑greenにはお金の意味もある。一昨年の当レースを含めGⅠ4勝の実績を誇り、地方も合わせた獲得賞金はメンバー随一の本馬。この馬があっさり5つ目の金メダルを獲得してもおかしくないだけに、馬券に組み入れることはゆめゆめ忘れることなかれ。
3枠4番 メイショウウタゲ 父プリサイスエンド 母シールビーバック
冠名+宴。父precise endは直訳すると「正確な終了」。母She’ll be backは映画『ターミネーター』の名セリフ「I’ll be back」から採ったと思われる。厳しい両親にしつけられた子は反動で遊び人になることも多いが、精密機械のような両親に反して本馬も、6番人気以下でOPを3勝している気まぐれ屋。このメイショウが意匠を凝らした一芸を披露し食い込めば、大宴会を開けるほどの配当金は間違いなしだ。
4枠5番 サクセスエナジー 父キンシャサノキセキ 母サクセスアイニ―
冠名+エネルギー。母Success Ai Niの意味は定かではないが、中国語の「愛你」=「あなたを愛しています」とここでは解する。彼女の父はジャングルポケット。キンシャサの奇跡はモハメドアリのボクシングの伝説的な試合だが、別名ランブルインザジャングル=ジャングルの決闘とも呼ばれる。この二頭が運命の赤い糸で結ばれたのは奇跡でなく宿命か。この血統を頼りに滾る野生のエネルギーを全開放し、強敵たちを一撃でノックアウトする。
4枠6番 インティ 父ケイムホーム 母キティ
Intiはインカ神話の太陽の神。インカ帝国の支配者はインティの現人神であるとされており、それを祭るお祭りがインティライミ。アルゼンチンやウルグアイの国旗に描かれている「五月の太陽」はインティを象徴したものとして有名。本馬はここまで神懸り的な強さで6連勝中。太陽神が東京の地に降臨し、新時代の夜明けを告げる。
5枠7番 サンライズノヴァ 父ゴールドアリュール 母ブライトサファイヤ
冠名+Novaは新星。新星は、元は爆発を起こして光度を増したことであたかも新しく発生したように見える星のことを指したようだが、新しく発見された星や注目の的になった人も示すようになった。これまで爆発力ある末脚を発揮し東京ダート1600mでは4勝を挙げるも、GⅠの舞台では未だ不発の本馬。今度こそ末脚炸裂で輝くbright一等星へと新生する。
5枠8番 モーニン 父Henny Hughes 母Giggly
Moaninはジャズの曲名。アート・ブレイキー作曲の世界的に有名な曲。父Henny Hughesは人名だが、Hennyはその父Hennessyの略語。Jas Hennessy&Companyと言えばフランスにある世界最大のコニャック生産企業。アメリカから輸入され、昨年はGⅠ・コリアスプリントを制した本馬。フェブラリーステークスは3年前に制している。世界を股に掛ける本馬がこの舞台で再演、観客を陶酔させる快奏=快走を披露する。
6枠9番 ワンダーリーデル 父スタチューオブリバティ 母アストレアピース
冠名+Liderはスペイン語でリーダー。母Astrea PeaceのAstreaはギリシャ神話の女神で、争いを続ける人間に正義を教えようとしたが、人間が聞く耳を持たなかったため人間界を見限り天上界へ帰ったという。おとめ座のモデルにもなっている女神。父Statue of Libertyは自由の女神像。辛抱強く最後まで勇敢に戦い抜き、民衆ではなく他馬を先導し新たな秩序the peaceを創り上げる。
6枠10番 サンライズソア 父シンボリクリスエス 母アメーリア
冠名+Soarは急上昇。(鳥や飛行機が)舞い上がる、(山などが)そびえるという意味もある。母Ameliaは英語の女性名で、女性初の大西洋単独横断飛行を達成したアメリア・イアハートなどが著名人として挙げられる。本馬はここまでGⅠを3走してすべて馬券内だが勝ったことはない。他馬に影さえ踏ませぬ逃飛行で、そびえる高き山々も超えてここから上昇気流に乗る。
7枠11番 コパノキッキング 父Spring At Last 母Celadon
冠名+キックする。kickには蹴ることのほかにも反発や刺激などを意味する。父名にあるSpringはその母がWinter’s Goneより、季節の春であると推測できるが、他にも源泉やばね、弾力の意味がある。本馬は4連勝中で、女性騎手初のGⅠ騎乗となる藤田菜七子を鞍上に迎える。nanacoな枠番から勢いよく飛び出し、常識も跳ね除ける刺激的なレースぶりで勝利し、冬の寒々とした空気を一蹴し新たな季節の到来を予感づける。
7枠12番 ノボバカラ 父アドマイヤオーラ 母ノボキッス
冠名+Baccaraはゼロ(伊)。バカラはそこから破産を連想させ、破産するほどのめりこむ人が多かったからか、カジノゲームの一種の名前として現在では有名である。父名にあるAuraは生体が発する霊的なエネルギーのこと。母はNobo KissだがKISSと言えばアメリカのロックバンドで、「地獄」が付くアルバム群が有名。近走案外も、この馬のAuraは未だ絶えず。地獄から奇跡の生還を見せれば、ゼロがいくつも並ぶ高額配当は間違いなしだ。
7枠13番 ノンコノユメ 父トワイニング 母ノンコ
ノンコの夢。母名より連想。馬主の娘のニックネームが「ノンコ」で、その名がついた母の夢を継いだ本馬。母が果たせなかった中央GⅠ制覇の夢を昨年の同レースで叶えた。母父アグネスタキオンのタキオンは、現在では存在しないと仮定される超高速の粒子の名。父twiningは麻糸や絡みつくことという意味。この馬の夢か現か分からぬような高速の末脚が見る者の脳裏に絡みつき、決して冷めない極上の夢心地を味合わせる。
7枠14番 オメガパフューム 父スウェプトオーヴァーボード 母オメガフレグランス
冠名+香水。母名より連想。父Swept Overboardはカジノなどで盤上のチップを最後にすべて取り去ること、その父End Sweepは一掃することを意味する。オメガは「アルファからオメガまで」というようにギリシア文字最後の文字で、本馬は昨年最後のJ・GⅠ東京大賞典を後方から撫で斬るように制した。今回もオメガな枠番から好機を逃さず高貴な走りでオメガから一気にアルファまで到達、レース後にはこの馬の香気が残り香として漂う。
以上です!それではレースをお楽しみに!