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THE SECRET GARDEN

👩🏼👑Head Above Water/美しく愛に満ちた「奇跡」の帰還

2019.02.15 10:44


最近私の守備範囲外の女性アーティストの躍進が続き、また、大好きなTravis Scott(トラヴィス・スコット)がグラミー賞を逃したのもあって、音楽にかなり辟易としていたのだが。笑


そんな中、これまた私が高校時代から大好きな

Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)

の復活アルバム、


「Head Above Water(ヘッド・アバーヴ・ウォーター)」


が遂に解き放たれた。








昨年9月。





アルバムのリードシングルとして、全世界にロック&ポップスの女王復活を印象づけた「Head Above Water」(これはリードシングルでもあるがアルバムのタイトルも同様にこの題が冠された。)がリリースされてから半年。待望のアルバム発表である。



彼女はここ数年、たった一匹のマダニに噛まれたことで、そのマダニが媒介する感染症「ライム病」を患い、辛く苦しい闘病生活を送っていた。




彼女は2014年に病気を患っていることを公表。

翌年6月には5ヶ月もの寝たきりの生活を強いられたことをテレビ番組で明らかにした。




そして「AVRIL LAVIGNE」というセルフタイトル・アルバムの発表から実に5年の歳月が流れ、彼女は病気を克服し、今回待望の新作リリースに至った。



昨年、アヴリルは“新曲Head Above Water”の発表を前に公式サイトでファンに向けた手紙を公表。






ー私は死を受け入れ、体の機能が停止していくのを感じていました。まるで水の中にいるような息苦しさを感じて、とにかく空気を求めて這い上がりたい気持ちでした。神に助けを求め、この苦しみを乗り越え、この嵐の中で何か希望が見えるようにと祈りました。




この手紙から分かる様に「Head Above Water」とは“息苦しい水の中から空気を求めて這い上がる”ことであり、これが音楽や歌詞とリンクすることで今回の復活を象徴するものとなった。







ところで、アヴリル・ラヴィーンといえば

17歳でギター片手にロックを奏でる少女だったことはみなさんも覚えているだろうか?



彼女はアルバム「Let Go」「Under My Skin」でロックに完全に目覚め、「The Best Damn Thing」でポップに進化を遂げ、日本でもアヴリル旋風を巻き起こした。



そして失恋を経験し、愛と悲しみ、それを希望へと繋げた「Goodbye Lullaby」をリリース。

5作目は彼女の代名詞的シングル「Rock N Roll」を掲げて“ロックの女王”として再来した。



過去に発表された5枚のアルバムを踏まえると、今回の「Head Above Water」は、アヴリル・ラヴィーン史としては“第5章”に当たる。




私は、アヴリル・ラヴィーンというアーティストの歴史は


「“ROCKER”な少女期」

「ポップアイコン期」

「失恋&成長期」

「ロック再来期」

そして今回の、

「女王復活期」

にまとまると考えた。



歳を経てキャリアを重ねるごとに音楽的にも人間的にも、これほどまで成長を感じさせるアーティストは珍しいだろう。

アルバムごとにその当時のアヴリルの「時代」を感じさせ、どれも彼女にしか奏でることができない心に響く音楽ばかりである。





そして今作「Head Above Water」は、

今までの歴史を踏まえると様々な要素が散りばめられていて、「アヴリルが本当に戻ってきたんだな」と思わず声を出してしまう様な完成度に仕上がっている。



リードシングルでありアルバムタイトルの「Head Above Water」は“第5章”の始まりを告げる曲であり、アルバムに収録された最初の曲に実に相応しい。




また、女性ラッパーの地位を向上させ、ティーンのみならず世界中のセレブからもラブコールを受けるラッパー「Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)」とのコラボ曲「Dumb Blonde」は“ニッキー色”に染まったパワフルなアヴリルを感じることが出来る。



ーこの曲は、見た目だけで女性を判断し、型にはめようとする世間の人々に挑戦状をたたきつけるような、デビュー当時のやんちゃなアヴリルを彷彿とさせる爽快感100%のガールズアンセムとなっている。(※フロントロウより引用)



過去作でいうところの「The Best Damn Thing」や前作に収録された「HELLO KITTY」のようなポジションの曲だと思う。



アコースティックギターやピアノをバックに悲しげに歌い上げる「アヴリル節」も中にはあったが、今までにないオルタナティブな「Tell Me It’s Over」も聴きごたえ抜群だ。






一つ一つ語り尽くすと止まらなくなりそうなので最後にひとつ。

アルバムの“締め”・“大トリ”を飾る

「Warrior(ウォーリアー)」

という曲のリリックが本当に心に突き刺さった。




ここで和訳とともに「Warrior」の紹介して、私もこの記事を締めようと思う。





And I won't bow, I won't break
No, I'm not afraid to do whatever it takes
I'll never bow, I'll never break

ー私は決して屈しないし壊れたりなんかしない。何が起ころうと恐れない。



'Cause I’m a warrior, I fight for my life
Like a soldier all through the night
And I won’t give up, I will survive, I'm a warrior
And I'm stronger, that's why I'm alive
I will conquer, time after time
I'll never falter, I will survive, I'm a warrior


ーだって私は戦士。私は自分の命のために兵士の様に夜通し戦うわ。そして絶対に諦めない。

私は生き残る。私は戦士だから。

私は強いの、だからこうして生きていられる。

私は何度だって困難に打ち勝つ。

私は絶対に怯まない。


私は生き残るの、だって私は戦士だから。





(※かなり雑な訳なので、直訳かそれに近いものはCD買って対訳を見てくださいね。笑)





この「Warrior」は、歌詞から見て取れる様に

アヴリル自身の強い意志を感じる曲

で、そして何と驚くことに、この曲の作詞クレジットには

ニッケルバックのチャド・クルーガー

の名前がある。



アヴリルとチャドは2012年2月から交際し、8月8日に婚約。2013年7月1日に南フランスにて結婚式を行うも2年後の2015年9月に離婚を発表。




その後アヴリルは2017年9月にニッケルバックのステージでチャドと共演。

彼らは一度別れたものの、さすが「音楽」が結びつけた関係とでも言っておこうか。

別れていても尚、良好な関係が続いていたのである。




今回の復活アルバム「Head Above Water」のシメに選ばれた「Warrior」の制作にチャドが携わったこと....アヴリルがこの曲に込める思いはきっと(他の楽曲よりも)特別なものに違いない。



歴史に残るヒットを飛ばし、女性ソロアーティストとしてトップに君臨し続けるアヴリル。



ライム病により一時は生死をさまよい、寝たきりの苦しい生活も強いられたが、音楽を作り続けることで彼女は人生に希望を見出した。

様々な困難に打ち勝ちリリースされる彼女の楽曲の多くは、世界中の人々を胸を打ち、勇気を与えるものばかりである。





ロックを奏でるだけでなく、彼女のキャリアは誰が見ても「カッコいい」ものであり、

彼女は正真正銘の「ROCKER(ロッカー)」なのだ。






そして最後に、.....





アヴリルの更にすごいところは、病気を克服して復活を遂げたことだけではなく、ライム病に苦しむ患者を支援する団体を立ち上げたところである。




自身の経験を生かし、同じ病気に苦しむ方々へ支援の手を差し伸べる。

とても愛に満ちた素晴らしい行動である。




アヴリルのこの勇気ある行動をきっかけに、

世界中にいるライム病に苦しむ全ての人々が、いい方向に向かうことを願ってやまない。