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ZIPANG-10 TOKIO 2020 ガザ:イスラエル当局の制限により極めて深刻な水不足に──水を紛争の武器にしてはならない

2025.08.26 07:25

パレスチナ・ガザ地区で、イスラエルが人びとから意図的に水を奪っている。これは、パレスチナ人から食料や水、医療など命の維持に必要な物資を奪うジェノサイド(集団殺害)の一部だ。


家族が避難しているテントに水を持ち帰る為ポリタンクを運ぶ少年
=2025年8月14日© MSF


イスラエルが1年10カ月にわたって水インフラの破壊と利用制限を続けてきた結果、ガザで利用できる水の量は極めて不十分な状態にある。MSFなどの援助団体には安全な水の供給を増やす力があるにも関わらず、イスラエルは水処理に不可欠な資材の搬入を阻止している。2024年6月以降、MSFが提出した海水淡水化装置の搬入申請10件のうち、承認されたのはわずか1件のみだった。


イスラエルは、給水に不可欠な機器の搬入を大規模に許可する必要がある。命を維持するための水を確保できるよう、イスラエル軍は水インフラの破壊をやめ、被害を受けた水システムの即時修復を許可しなければならない。 水などの生活必需品を、紛争の武器にしてはならない。


清潔な水の不足で広がる健康被害

ガザでは水が足りないだけでなく、給水車による供給に依存しているため、いつ水を入手できるかも分からない状況だ。ガザの86%がイスラエル軍による強制的な退避要求下にあることから、トラックの到達も危険を伴う。さらに、各家庭で適切に水を貯めておく方法がないことが、問題を一層深刻にしている。


清潔な水の不足は病気のまん延につながり、MSFはこの1カ月で週に1000件を超える急性水様性下痢の診療を行った。衛生状態を守ることが難しくなり、疥癬(かいせん)などの皮膚疾患にかかる人も多い。


感染拡大を防ぎ、患者の水分補給を維持して負傷や病気から体を回復させるために、清潔な水は病院にとっても不可欠だ。


攻撃にさらされる水インフラ施設

イスラエルは、ガザへの水の供給を長年にわたり管理してきた。ガザには、塩分や下水、化学物質による汚染のため、天然の飲料水が存在せず、住民はイスラエルからの給水パイプラインと海水淡水化施設に依存している。しかし、これらのインフラはイスラエルによる継続的な攻撃にさらされている。


2023年10月以降、イスラエルはガザへの3本の給水パイプラインのうち2本を繰り返し破壊。爆撃による損傷で、これらのパイプを通る水の約70%が漏水により失われていると推定されている。その結果、海水淡水化施設からの給水車による輸送に頼らざるを得なくなっている。公的機関やNGOが運営する196の海水淡水化施設のうち、60%以上が立地や損傷のために機能していない。


複数の人道援助団体が破損したパイプや施設を修復する意向を示しているが、イスラエルはこれらの施設へ近づくことを拒否し、修復を妨げている。アクセス可能な場所でも、壊れた場所から部品を引き揚げて別の場所を修理する「フランケンシュタイン方式」という手法で修復せざるを得ない。


現地でなんとか部品を調達して修復している場所もある。インフラを修理するために必要な物資の搬入が、イスラエルによって制限されているからだ。物資が入ってきても、意図的な封鎖のため、到着するのは数カ月近く遅れる。


MSFは7基の水処理ユニットで6万5000人に対して1日あたり1人7.5リットル分の水を供給しているが、これは必要量のほんの一部に過ぎない。数カ月にわたってMSFは新たに9基の水処理ユニットを導入しようとしたが、イスラエルが承認しないため、導入は実現していない。


MSFは給水活動を行っているが必要量を満たすには足りていない=2025年7月15日 © MSF


給水所も危険に

給水車が施設に行けても、住民への給水段階で大きな障害がある。軍事活動の拡大と、「安全区域」とされる場所での爆撃により、給水する場所は常に変更を余儀なくされ、安全な供給はほぼ不可能となっているのだ。今年、MSFは少なくとも137カ所での給水を停止せざるを得なかった。人びとは給水所に行くために、重いポリタンクを持って長距離を歩かなければならない。


ガザ市でMSFの給水活動を待つ女性はこう話した。

「誰もが水を求めて絶望しています。水を手に入れるのはとても難しいのです。そして、水を持って少し歩くだけでも大変です。何と言ったらいいのか──これは拷問です」


水の不足で給水所での緊張が高まり、水を取りに行くのが怖いと話す人たちもいる。退避要求や空爆によって給水所の移動を余儀なくされたり、甚大な被害によって周囲が認識できなくなったりして、迷子になる子どもたちもいる。


ポリタンクに入れた水を運ぶガザの少女=2025年7月15日 © MSF


MSF緊急対応マネジャーのオザン・アグバスはこう話す。

「食料や物資、医療と同様に、イスラエル軍は水へのアクセスを最小限に制限しています。水を完全に遮断しないことで、生きる手段を奪いながらも責任を否定する余地を残しているのです」



鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使


協力(順不同・敬称略)

国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)

紅山子(こうざんし)


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



アーカイブ リンク記事をご覧ください。


人道の港 敦賀ムゼウム

緒方貞子の生き方・言葉を通して考える、現在そして未来


  <ムゼウムとはポーランド語で「資料館」という意味があります>


                          ⒸUNHCR/Anneliese Hollmann


緒方貞子 プロフィール

1927年東京生まれ。聖心女子大学、ジョージタウン大学卒、カリフォルニア州立大学バークレー校大学院博士課程修了。日本人女性初の国連公使、特命全権公使。上智大学教授を経て、国連人権委員会日本政府代表、1991年第8代国連難民高等弁務官就任。2003年国際協力機構(JICA)理事長就任。2019年10月没(享年92歳)


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-9 TOKIO 2020人道の港 敦賀ムゼウム 企画展【緒方貞子展】を開催!緒方貞子の生き方・言葉を通して考える、現在そして未来
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/54693100



敦賀港だからこそ
伝えられる「命」と「平和」


敦賀港は、1920年代にポーランド孤児、
1940年代に「命のビザ」を携えたユダヤ難民が上陸した日本で唯一の港。

1940(昭和15)年~1941(昭和16)年、ユダヤ難民はナチス・ドイツの迫害等から逃れるため、リトアニアのカウナス領事代理・杉原千畝氏が発給した「命のビザ」を携え、リトアニアからウラジオストクを経て、敦賀港に上陸しました。苦難の旅路を経て敦賀に降り立った彼らは、敦賀の街が「天国(ヘブン)に見えた」と後に語っています。


展示では、彼らが敦賀に上陸するまでの経緯や上陸当時の状況、日本から旅立つまでの出来事を紹介します。敦賀上陸当時のユダヤ難民に関する市民証言のほか、命のビザのレプリカ、ユダヤ難民が残した時計などを展示しています。


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-9 TOKIO 2020 伝えられる「命」と「平和」 ~敦賀~ 人道の港 敦賀ムゼウム(Ⅱ)
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/54754300



ー水と地球の、あしたのためにー

コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査を実施!


TOTO株式会社は、コロナ禍による生活者の住宅への意識や生活行動の変化、リフォーム意向を水まわり(トイレ、洗面所、浴室、キッチン)を中心に把握するため2020年8月に「コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査」を実施し、その結果をまとめました。


<調査背景>

今後、日本では人口減少、単身世帯増加、少子高齢化等への社会変化が見込まれ、生活者の住宅への意識や生活行動にも変化が起こると思われます。


TOTOでは、これらの変化の定量的把握を目的とした、住宅全体及び水まわりに関する生活者調査を定期的に実施しています。


特に今年は、新型コロナウイルス感染症の流行による、お客様の生活意識や行動の変化を把握し、今後の住宅設備商品の開発に活かしていきたいと考えています。


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-5 TOKIO 2020 ー水と地球の、あしたのためにー 「コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査」を実施 ‼
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/11859057



グッドデザイン賞 海水淡水化装置

いよいよ、一般家庭も「海水淡水化装置」設置の時代へ!


小さく安価な淡水化・浄水設備「海水淡水化装置MYZ α-4」は従来型モデルの浄水力・機能を持ちながら、デザイン性を追求し、より生活シーンに調和する製品となった。


毎年のように地震や台風、豪雨、火山の噴火等、多くの災害に見舞われ、災害大国として知られる我が国日本においては近年、各地方自治体のみならず個人レベルでの防災意識、防災備蓄の主要性が高まり、益々の需要が見込まれる中、2022年冬の販売開始を発表。3年で500台の販売計画を策定した。


当社では、巨大で高価なプラント型の浄水設備ではなく、分散型で小さく安価な淡水化・浄水設備が世界中で必要とされる今、この製品がより多くの国や地域に広がり、多くの人々の生きる手助けになることを目指し邁進している。


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-6 TOKIO 2020 グッドデザイン賞BEST100、DIAアワード受賞「海水淡水化装置」2022年冬販売開始!
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/28842680



食料システムの課題

限りある水資源と世界の農業


「限りある水資源と世界の農業・食料システムの課題~国谷裕子親善大使とともに考える」


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-9 TOKIO 2020公開ウェビナー「限りある水資源と世界の農業・食料システムの課題~国谷裕子親善大使とともに考える」開催のご案内
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/53709728



令和6年能登半島地震

空飛ぶ捜索医療団・船舶による水や食料などの物資支援を開始


空飛ぶ捜索医療団・緊急支援チームは、これまで捜索救助チームと医療チームに分かれて活動。捜索救助チームは、災害救助犬2頭とともに、消防、自衛隊と連携して土砂崩れや津波被害、倒壊の激しい地区にて捜索活動を続けています。


医療チームは、珠洲市総合病院と連携しながら病院の負担を分散するために、一部避難所に臨時診療所を開設。主に軽症の方や健康に不安がある方、薬だけ必要な方への医療ケアのほか、衛生管理としてトイレなどの環境改善、さらに安否確認含め配慮が必要な方のいる家に訪問診療も行っています。


また、ヘリコプターチームは、医療チームと連携して近隣病院への患者搬送をはじめ、道路が寸断され孤立している地域の調査活動なども行っています。


(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)


ZIPANG-8 TOKIO 2020【令和6年能登半島地震】空飛ぶ捜索医療団・船舶による水や食料などの物資支援を開始
https://tokyo2020-8.themedia.jp/posts/51206972



※現在、2700件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


ZIPANG-10 TOKIO 2020 (VOL-10)
https://tokyo2020-10.themedia.jp/


ZIPANG-9 TOKIO 2020 (VOL-9)
https://tokyo2020-9.themedia.jp/


ZIPANG-8 TOKIO 2020 (VOL-8)
https://tokyo2020-8.themedia.jp/


ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/


ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/


ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/


ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/


ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/