Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

書くこと。生きること。

玉蜀黍

2025.09.14 12:00

北の国の土と風と水と太陽を纏って

ぶあさと力強く目の前に現れたあなたが

ちょっと怖かったのです

今にも 張りのある低くて太い声で 

やあ、などと不躾に話しかけてきそうで


だから描いてやったのです

目を凝らしよくよく観察をして

線に描きとり、色を置く

もっと見る もっと知る

もっと

もっと


いつの間にか私は

あなたを怖がらなくなっていました

その殻が居間の蛍光灯に濡れて光り

その髪がくるくると小さな魚のように遊んでいるのを

私は繰り返し眺めては描いて

あなたを少し知ったのでしょう


来夏もまた 健やかで

人懐こい笑みを浮かべた堂々たるあなたに

目を見張り心踊れる日々が

当たり前に どうか 当たり前に

私たちに訪れますよう


身勝手と知りつつ

長過ぎる夏の終わりに