【日本に多い寝たきりの高齢者、欧米との違いから学ぶ予防策🌏】
「おじいちゃん、最近ずっとベッドにいるね…」
おじいちゃんやおばあちゃんが、病気やケガでずっとベッドで過ごすことを「寝たきり」と言います。日本には、寝たきりの高齢者の方がたくさんいまが、欧米では少ないそうです。なぜでしょうか? 今回は、寝たきりになる原因や予防方法、そして寝たきりの人を介護する時の注意点などを、分かりやすく解説していきます。元気な毎日を長く続けるために、一緒に学んでいきましょう!
1. 高齢者が寝たきりになる主な原因と予防ポイント
寝たきりになる原因は、一つではありません。様々な原因が重なって、寝たきりになってしまうことがあります。
1-1. 寝たきりを引き起こす病気や症状とその前兆サイン
寝たきりの原因となる病気や症状には、
- 脳卒中:脳の血管が詰まったり、破れたりする病気。手足が動かなくなったり、言葉が話せなくなったりすることがある
- 骨折:特に、太ももの付け根の骨(大腿骨頸部骨折)は、寝たきりの原因になりやすい
- 認知症:脳の機能が低下する病気。判断力や記憶力が低下し、日常生活が困難になることがある
- パーキンソン病:体の動きがゆっくりになったり、震えが止まらなくなったりする病気
- 関節リウマチ:関節が炎症を起こし、痛みや腫れが生じる病気
- 脊髄損傷:脊髄が傷つくことで、手足が動かなくなったり、感覚がなくなったりすることがある
これらの病気や症状の前兆サインとしては、
• 手足が動かしにくい
• バランスが悪く、転びやすい
• 物忘れが多い
• 疲れやすい
• 食欲がない
などがあります。
これらの病気や症状は、早期発見と適切な治療で進行を遅らせる、症状を軽減したりすることが可能です。少しでも気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。
1-2. 健康寿命を伸ばして寝たきりを防ぐ日常生活の工夫とは
健康寿命とは、病気や介護が必要なく、自立した生活を送れる期間のことです。健康寿命を伸ばすためには、日頃から健康に気をつけた生活を送ることが大切です。
- バランスの取れた食事:筋肉や骨を強くするために、タンパク質、カルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂取しましょう。
- 適度な運動:ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で毎日続けられる運動を取り入れましょう。
- 十分な睡眠:毎日同じ時間に寝て、十分な睡眠時間を確保し、疲労回復を促しましょう。
- 定期的な健康チェック:定期的に健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。
- 社会参加:趣味やボランティア活動など、社会とのつながりを保ちましょう。
- 転倒予防: バリアフリー化、滑り止めマットの設置、手すりの設置など、住環境を整えましょう。
- 口腔ケア: 口腔内の清潔を保ち、誤嚥性肺炎を予防しましょう。
- 認知症予防: バランスの取れた食事、適度な運動、脳トレなどを積極的に行いましょう。
これらの生活習慣を心がけることで、健康寿命を伸ばし、寝たきりを防ぐことができます。
2. 自宅で寝たきり老人を介護するときの基本的な方法と注意すべきこと
家族が寝たきりになった場合、自宅で介護することもできます。しかし、介護は簡単ではありません。正しい知識と方法で、安全に介護を行うことが大切です。
2-1. 寝たきり高齢者のベッド周り環境を快適に保つコツ
- ベッドの高さ:介護しやすい高さに調節しましょう。
- マットレス:床ずれを予防するために、体圧分散マットレスを使用しましょう。
- 手すり:ベッドからの起き上がりや移動をサポートするために、手すりを設置しましょう。
- 照明:夜間の移動を安全にするために、足元灯を設置しましょう。
- 室温・湿度:快適な室温と湿度を保ちましょう。
- 整理整頓: ベッド周りを整理整頓し、安全な環境を確保しましょう。
- コミュニケーション: 話しかけやすい環境を作り、孤独感を和らげましょう。
2-2. 排泄や入浴ケアで介護者が気を付けるべきポイント
1)排泄ケア
- 排泄のタイミングを把握し、適切なタイミングで介助しましょう。
- ポータブルトイレやオムツなど、適切な排泄用品を選びましょう。
- 陰部洗浄は丁寧に行い、感染症を予防しましょう。
- 排泄物の量や状態を観察し、異常があれば医師に相談しましょう。
2)入浴ケア
- 体調に合わせて、入浴方法(全身浴、部分浴、清拭など)を選びましょう。
- 浴室の温度を適切に保ち、転倒に注意しましょう。
- 皮膚を傷つけないように、優しく洗いましょう。
- 入浴後は、保湿剤を塗布し、乾燥を防ぎましょう。
- 口腔ケア:歯磨きやうがいを丁寧に行い、口腔内を清潔に保ちましょう。
2-3. 床ずれ(褥瘡)の症状と家庭でできる予防
床ずれとは、長時間同じ体勢で寝ていることで、皮膚が圧迫され、血行が悪くなり、皮膚が傷ついてしまうことです。
床ずれの症状としては、
• 皮膚が赤くなる
• 皮膚がただれる
• 水ぶくれができる
• 皮膚が破れて、傷になる などがあります。
床ずれを予防するためには、
• 体位変換:2時間おきに体位を変えましょう。
• 体圧分散:体圧分散マットレスを使用しましょう。
• 皮膚の保護:皮膚を清潔に保ち、保湿クリームを塗りましょう。
• 栄養:バランスの取れた食事を摂り、栄養状態を良好に保ちましょう。
床ずれができてしまった場合は、早めに医師や看護師に相談し、適切な治療を受けましょう。
3. 寝たきり高齢者の介護にかかる1日の時間や介護者の精神的負担とは
寝たきりの高齢者を介護するには、食事、排泄、入浴、着替え、体位変換など、様々な介助が必要です。これらの介助には、1日に数時間から十数時間かかることもあり、介護者の時間的、精神的な負担は非常に大きくなり大変な仕事です。 介護者は、自分の時間や趣味を持つことが難しくなり、社会との繋がりが薄れてしまうこともあります。
また、精神的なストレスから、うつ病や介護疲れに陥ることも少なくありません。介護者の負担を軽減するために、介護サービスの利用を検討しましょう。
3-1. 在宅介護の負担を軽減するために利用すべき介護サービス一覧
介護保険制度を利用することで、様々な介護サービスを受けることができます。
- 訪問介護: ヘルパーが自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行います。
- 訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、医療的なケアを行います。
- 訪問リハビリテーション: 理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。
- 通所介護(デイサービス): 日帰りで施設に通い、食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受けます。
- 通所リハビリテーション(デイケア): 日帰りで施設に通い、リハビリテーションを中心としたサービスを受けます。
- 短期入所生活介護(ショートステイ): 短期間施設に入所し、介護サービスを受けます。
- 福祉用具貸与: ベッド、車椅子、歩行器などの福祉用具をレンタルできます。
これらのサービスを適切に利用することで、介護者の負担を軽減することができます。
3-2. 介護保険制度や自治体の助成制度を活用し費用負担を減らす方法
介護保険制度とは、介護が必要になった人が、介護サービスを利用するための制度です。40歳以上の人が加入し、介護が必要になった場合は、介護認定を受けることで、介護サービスを利用することができます。
- 介護保険制度: 介護認定を受けることで、介護サービスを利用する際の自己負担額を1割から3割に抑えることができます。
- 高額介護サービス費: 介護サービスの利用料が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます。
- 自治体の助成制度: おむつ代の助成、住宅改修費の助成、福祉用具購入費の助成など、自治体によって様々な助成制度があります。
これらの制度を積極的に活用することで、介護にかかる費用負担を軽減することができます。
4. 寝たきりでも入居可能な老人ホームの種類と選び方ガイド
自宅での介護が難しくなった場合は、老人ホームへの入所を検討することもできます。
4-1. 老人ホームや介護施設への入所にかかる費用の基本と節約ポイント
老人ホームには、様々な種類があり、費用も異なります。
- 特別養護老人ホーム:介護が必要な高齢者のための施設。費用は比較的安いですが、入所待ちの人が多いです。
- 介護老人保健施設:リハビリテーションが必要な高齢者のための施設。一定期間入所し、リハビリテーションを行います。
- 有料老人ホーム:自立した高齢者から介護が必要な高齢者まで、様々な人が入所できる施設。費用は比較的高いです。
- グループホーム:認知症の高齢者のための施設。少人数で共同生活を送ります。
老人ホームを選ぶ際には、
• 費用
• 設備
• サービス
• 雰囲気
• 立地
などを考慮し、自分に合った施設を選びましょう。
また、入所一時金や月額利用料など、費用に関する情報をしっかりと確認しておくことが大切です。
費用を節約するためには、以下の点を考慮しましょう。
- 複数の施設を見学し、費用を比較する。
- 介護保険制度を最大限に活用する。
- 自治体の助成制度を活用する。
- 不要なサービスをカットする。
4-2. 寝たきりから改善した実例に学ぶ施設でのリハビリと生活支援の内容
老人ホームでは、リハビリテーションや生活支援など、様々なサービスを提供しています。
- リハビリテーション:理学療法士や作業療法士などが、機能訓練や運動療法などを行い、身体機能の回復をサポートします。
- 生活支援:食事、入浴、排泄などの介助や、レクリエーションの企画・実施などを行い、日常生活をサポートします。
- 医療ケア:医師や看護師が、健康管理や医療的なケアを行います。 これらのサービスを受けることで、寝たきりの状態から改善し、自立した生活を送れるようになる人もいます。
5. 欧米に寝たきり老人が少ない理由とは?日本との違いを検証する
欧米諸国に比べて、日本には寝たきりの高齢者が多いと言われています。
その理由としては、
- 医療制度の違い:日本では、病院での治療が中心ですが、欧米では、リハビリテーションや在宅医療が充実し予防に対する意識が高い傾向にあります。
- リハビリテーション体制の違い: 欧米諸国では、早期からのリハビリテーションが重視され、専門家による質の高いリハビリテーションを受けることができます。
- 介護制度の違い:日本では、家族介護が中心ですが、欧米では、社会的な介護システムが整っています。
- 住環境の違い: 欧米諸国では、バリアフリー化が進んでおり、高齢者が安全に生活できる環境が整っています。
- 社会保障制度の違い: 欧米諸国では、高齢者に対する社会保障制度が充実しており、経済的な不安を感じることなく、安心して生活することができます。
- 国民の意識の違い:日本では、高齢者は家にいるべきという考え方が強いですが、欧米では、高齢者も積極的に社会参加する傾向があります。
これらの違いから、日本では、寝たきりになる高齢者が多いと考えられます。
6. 寝たきり高齢者を支える家族が知っておきたい相談窓口と活用方法
寝たきりの家族を介護していると、様々な悩みや不安が出てくることがあります。
そんな時は、一人で悩まず、相談窓口を活用しましょう。
- 地域包括支援センター: 高齢者やその家族の相談窓口となる機関です。介護保険制度の利用方法や、利用できるサービス、地域の情報などを提供してくれます。
- 介護相談支援事業所: ケアマネージャーが、介護に関する相談に応じ、ケアプランを作成してくれます。
- 市町村の福祉課: 高齢者福祉に関する様々な相談に応じ、助成制度やサービスを紹介してくれます。
- 医療機関: 医師や看護師が、病気や健康に関する相談に応じ、適切な医療を提供してくれます。
- 認知症カフェ:認知症の人やその家族が気軽に集まってお茶を飲んだり、情報交換をしたりできる場所です。
- 家族会:寝たきりの家族を持つ人たちが集まって情報交換をしたり、悩みを共有したりする会 。
これらの相談窓口を積極的に活用することで、介護の負担を軽減し、安心して介護を続けることができます。
7. 寝たきり高齢者の介護を安心して続けるための心構えと気を抜く工夫
寝たきりの家族の介護は、長期にわたることがあります。
介護者が心身ともに健康でなければ、良い介護はできません。
- 完璧を求めない: 介護は完璧にこなす必要はありません。できる範囲で、無理のない介護を心がけましょう。
- 自分の時間を持つ: 趣味や休息など、自分の時間を持つことは、心身のリフレッシュに繋がります。
- 周りの人に頼る: 家族や友人、介護サービスなど、周りの人に積極的に頼りましょう。
- 感謝の気持ちを伝える: 高齢者に感謝の気持ちを伝えることは、介護者のモチベーション維持に繋がります。
これらのことを心がけ、介護を安心して続けられるようにしましょう。
8. まとめ:寝たきり高齢者の介護をより良くするためのポイント再確認
- 予防:健康寿命を延ばすための生活習慣を心がける
- 介護:正しい知識と方法で、安全に介護を行う
- 支援:介護サービスや相談窓口を活用し、負担を軽減する
- 心構え:無理をせず、自分の時間を作り、周りの人に助けを求める
これらのポイントを再確認し、寝たきり高齢者の介護をより良くしていきましょう。
このブログ記事が、寝たきりの高齢者の方や、そのご家族の助けになれば幸いです。