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すずまき*本と、紅茶と、あの頃と。#4

2019.02.26 11:00


#4「ハリーポッターとアズガバンの囚人」×LAPSANG SOUCHONG


昔から魔法使いに憧れていました。

子供の頃から魔女っ子アニメをたくさん観て育ったわたし。

占いも大好きで、雑誌「MY BIRTHDAY」のおかげでいろんな占いやおまじないに夢中になりました。


でもさすがに魔法使いにはなれないとわかって幾年月経った20代半ばの頃、兄が「読んでみたら?」と勧めてくれたのがハリーポッターシリーズ。

ちょうど第1作目「ハリーポッターと秘密の部屋」が映画化される頃、第3巻であるこの「ハリーポッターとアズカバンの囚人(以下「アズカバン」)が発売された頃のことです。


小さい頃から魔法に目がなかった妹の趣味を、兄はよく理解してくれていたのですね。

読み始めるとたちまち夢中になりました。

もちろん本もDVDも全巻揃っています。


最初に読んだ頃はあまり気に留めてなかったのですが、本も何回か読んで、映画もDVDも何回か観たある日のこと。

ハリーポッターに出会ってから10年近く経ったころです。

突然「これだ!!!」と思ったのでした。


それはこの「アズカバン」に描かれている、わりと重要なポイントになるシーン。

ハリーたちが占い学の授業で行う「紅茶占い」。

写真のように、紅茶を茶漉しなしで淹れて(下のカップ参照)、カップに残った茶葉の形(上のカップ参照)から未来を占うというものです。


…これならわたしにもできるかもしれない!

ていうか紅茶好き、占い好きのわたしがやってみなくて誰がやるんだ!!!

30過ぎた今、憧れの魔法使いにほんの少し近づける…心の中で少女のわたしが小躍りしていました。


それから「紅茶占い」をやってみるべくいろいろ文献を探します。

でも当時のAmazonでヒットするのはわずかな手がかり…しかも英語の文献ばかり。

英語はちょっと苦手だなぁ…困ったなぁ…と思っていたちょうどその時、とある西洋占星術師の方のブログ記事を見つけます。


その占星術師さんのお宅で、別の西洋占星術師の方が紅茶占いの一日講座を開催されるという内容でした。

場所は吉祥寺。

当時神奈川県の端っこに住んでいたわたしは、急いで吉祥寺までの行き方を調べました。


…2時間くらいで行けそう!!!

このタイミングで見つけたってことは、これはもう、行くしかないよね?!


そういうわけで吉祥寺までひとりでいそいそと出掛けました。

吉祥寺…生まれて初めて行く、おしゃれエリアです。

行ってみたい紅茶屋さんがたくさんある、大好きな漫画家さんが住んでいるという噂の、住みたい街No.1の、あの吉祥寺です。


参加者はわたしの他に2人と、主催の占星術師さん2人の、計5人。

紅茶を飲みながら、サンドウィッチやケーキを食べながらの、アットホームな雰囲気の講座でした。

午前中はほぼ紅茶の基本的なお話、午後から本格的に紅茶占いを実践…という感じ。

ワクワクドキドキしながらいざ紅茶占いを体験します。


紅茶占いもいろいろ文献によってやり方があるので、いろんなパターンを試してみます。

最初は自分で自分の占いをしてみて、最終的に他の参加者さんのことを占いあってみたり…。

驚いたことに、何度自分で占っても、他の人に占ってもらっても、共通して出てくるキーワードがひとつありました。


それは「転居、旅行、家(資産)の移動」。


その時はピンとこなくて、あぁ、旅行好きだからきっと近々旅行でもするのかな〜、くらいにしか思っていませんでした。


…しかしその紅茶占い講座の約9ヶ月後。


まさか元夫と別居して、自分の実家に帰ることになるとは…。

そしてその後、離婚することになろうとは…(あ、そこまでは占えてなかった…)。


キーワードは「旅行」ではなく、「転居」のほうだったのですね。


その時は紅茶占いの結果を思い出せる余裕もなく、すっかりそんなことも忘れていたのですが。

今思えばしっかりと当たっていたわけです。

お遊び程度にやってみた紅茶占いでしたが…恐るべし紅茶占い!


講座を受けてから数年が経ち、紅茶占い熱もすっかり冷めてしまいましたが、久しぶりにやってみようかな。

そう思って淹れたのが、エキゾチックな独特の強い香りが魅力的な中国紅茶、ラプサンスーチョン。

イギリス人が唯一ミルクを入れずに飲む紅茶だとか、イギリスのホテルのラウンジの給仕さんがこれをオーダーされると襟を正すだとか言われている、イギリス人にも一目置かれている紅茶です。


その独特の香り、ハリーポッターの世界の何処かおどろおどろしい感じにも通じるものがあるような…。

紅茶占いが流行したと思われる19世紀、イギリスにとって中国は、ミステリアス以外のなにものでもなかったのではないでしょうか?

占いという神秘的な世界に、ラプサンスーチョンの香りはとても相応しい気がします。


さて、気になる紅茶占いの結果はいかに?


…こればっかりは、内緒です☆



「ハリーポッターとアズカバンの囚人」 J.K.ローリング 著/松岡祐子 訳
2001年 静山社






photo & text by すずまき

紅茶コーディネーター、紅茶学習指導員。
普段は某大学で図書館司書(パート)の仕事をしています。
学生の頃の夢は「良妻賢母な司書の小説家」…とりあえず 「妻」と「司書」にはなれました。
書くことが好きで、書き出すと止まらなくなります。