日本に有益な米大統領候補は誰か【海外】
どうも皆さん、さんそんです。
大変ご無沙汰しております。約2周間ぶりの更新……いやはやサボり過ぎですね(笑)
このブログ、予約投稿ができるということをつき先程知りましてw
これからは書き置きもしながら、“ちゃんと”定期的に更新していきますので、よろしくお願いします(笑)
さて、今回は注目の米大統領選について。
まぁ、米国の選挙なのでアメ公がアメの為の大統領を選ぶというのが当たり前ではありますが、
日本から見て「この人が大統領になったら国益が損なわれる」
あるいは「この人が大統領になれば国益が損なわれずに済む」
という大統領候補を私の独断と偏見で採点いたしましたので、それも合わせて御覧ください。
まず、米大統領選挙の流れですが
予備選挙
(2月~6月)
↓
党大会
(7月)
↓
大統領選挙
(11月)
という流れになります。
共和党、民主党ともに現在「予備選挙」を実施している段階で、共和党は2/1~6/7まで、民主党は2/1~6/14まで全米各州で行われます。
この「予備選挙」とは、「党から誰を大統領選挙に送り出すか」を決める「党大会」の目安となる選挙で、各州に所属する党の代議員による投票が行われます。
そして、7月に開催される「党大会」において、招集された代議員の過半数を獲得した候補者が「大統領候補」に指名され、11月の大統領選挙へと出馬するという次第です。
今年は主要候補が民主党から2名、共和党から5名出馬していますが、共和党は3名に候補を絞って解説していきます。
<民主党編>
ヒラリー・クリントン(前国務長官)
日本への国益度:★★☆☆☆
夫は元大統領のビル・クリントン、自身は元国務長官(日本で言う外務大臣)。
恐らく、今回の大統領候補の中で最も日本人の知名度の高い候補でしょう。
民主党内の対立候補がサンダース(後述)なので一応★は2つ付けましたが、正直、1つでもいいくらいです。
まず、とても親中です。
チャイナマネーが一番流れ込んでいるのはヒラリーでしょう。
中国やロシアへの宥和政策を掲げていいるので、西太平洋における中国の覇権主義を止めることができなくなるでしょう。米軍の引き止めのために苦労して通した安保法制も水の泡です。
また、リベラルである民主党の中でもタカ派に近い所謂「リベラルホーク」という政治的立ち位置の政治家ですが、保守派やキリスト教右派の支持を得るために中道~保守的な政策を提唱したりとどっちつかず。
このどっちつかずが、大統領となったときに政策が右往左往するということに繋がると私は考えています。
典型例はTPPです。2008年の大統領選の際、ヒラリー氏はNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しや、新しい貿易協定(今のTPP)に反対の姿勢を取っていました。
しかし、国務長官時代にオバマ大統領のTPP推進を支持する立場へ翻意。
そして今回の大統領選ではTPP反対を訴えています。
共和党を含め、今回の候補者の中では“マトモ”な部類ではありますが、彼女がプレジデントの椅子に座ることで日本が得る国益はほとんどないと私は考えています。
バーニー・サンダース(上院議員)
日本への国益度:☆☆☆☆☆
名前も見た目もあの“カーネル・サンダース”そっくりのこのお方。
今回の民主党内でヒラリー氏の唯一の対立候補となったサンダース氏です。
日本への国益度ですが…
まことに残念ながら☆0を付けさせて頂きました。
彼は自他ともに認める“社会主義者”です。言ってしまえば“極左”です。
彼が大統領になるということは、日本で共産党が与党になるようなものだとお考えください(笑)
政策としては「格差是正」を第一に掲げています。
公立大学の無償化や国民皆保険制度の導入、企業への課税や最富裕層への増税といったものを政策として掲げています。
この為か、若年層の支持を多く集めており、2月1日のアイオワでの党員集会の出口調査で、30歳未満の有権者からヒラリー氏から70ポイントもの大差がついた支持を受けています。
しかし、国民皆保険制度の導入だけでも10年間で約1700兆円必要との試算があり、その政策の実現性には疑問符が付いています。
また、TPPに断固反対という立場を明確にしており、「TPPを葬るためなら何でもする」という決意を表しており、彼が大統領となればアメリカ経済の更なる停滞は免れないでしょう。
そして、それは日本の対米輸出に大きな影響を与えるということは言うまでもないでしょう。
彼が大統領となっても日本への国益などなく、むしろ不利益の方が大きいでしょう。
<共和党編>
ドナルド・トランプ(トランプ・オーガナイゼーションCEO)
日本への国益度:★☆☆☆☆
今回の大統領選で最も注目を集めていると言っても過言ではない人物ですね。
アメリカの不動産王・トランプ氏ですが……
国益度は★1つとさせて頂きました。
他の候補者と違ってハッキリ物を言える!
強い口調!堂々とした振る舞い!まさに超大国アメリカのリーダー像にふさわしい!
「米国を再び偉大にする」というキャッチフレーズが素晴らしい!
さすがトランプ!俺たちにできないことを平然とやってのける!そこにシビれる!憧れるゥ!
そんな声が聞こえてきそうですが…w(実際某政治YouTuberが熱烈応援していますが…w)
ハッキリ言ってこの人が大統領になると、日米同盟はぶっ壊れます。
2月9日のニューハンプシャー州での予備選での勝利演説を超簡略和訳すると
我々は中国をブチのめす!
日本をブチのめす!
我々はメキシコを貿易(保護貿易)でブチのめす!
奴らは我々から雇用と多額の金を搾取している!
我々はそれを取り返す!
と述べています。
まとめサイトでは「新・悪の枢軸」と揶揄されていましたが、日本に良い印象をお持ちとは到底考えられません。
また、日米安保にも不快感を示しており、イスラム教に対する排他的な姿勢からもモンロー主義(孤立主義)に近い政策を打ち出すことが大いに予想されます。
しかし、アメリカでは大変な人気を得ているトランプ氏。
アメリカでのトランプ氏への米国民の熱狂は日本での小泉旋風に似たところがあると私は考えています。
実は現在、アメリカでは日本のように既存の政治家や政党への不信感が高まっており、そこに「私は政治家とは違う!」と言って颯爽と現れたのがトランプ氏という訳です。
小泉元首相の「自民党をぶっ壊す!」とか「聖域なき構造改革!」という発言にも似たそれまでの政治家には無いような快活なフレーズ、そして「アメリカが新しく生まれ変わる」とイメージさせられるような強い物言い、これらがトランプ人気の源流ではないかと考えています。
しかし、小泉元首相は“パフォーマーであり政治家”でしたが、トランプ氏は“只のパフォーマー”です。
発言のインパクトはあっても、中身は荒唐無稽・無知蒙昧そのもの。
一番驚いたのは「メキシコ国境に万里の長城のような壁を築く(費用はメキシコ持ち)」という不法移民対策ですね。
驚きのあまり笑いが止まりませんでした(笑)
ちなみに、トランプ氏の対日政策についてCSIS(米戦略国際問題研究所)のジョン・ハムレ所長は
「彼の主張は理屈抜きの感情で、政策ではない。米国の世論は日本に怒っていない。懸念もない。日本との関係において話していることは、まったく時代遅れだ。日米安全保障条約についても内容を知らないのではないか」
とのコメントを出しています。
トランプ氏を支持されている日本人の方は、今一度冷静になってトランプ氏の発言を振り返ってみると、違うトランプ氏が見えてくると思いますよ。
テッド・クルーズ(上院議員)
日本への国益度:★★★☆☆
共和党2番手のクルーズ氏。
一時ははNBCの世論調査でトランプ氏を抜いたこともありましたが、現在はトランプ氏の影に隠れてあまり目立っていないというのが現状です。
しかし、実はトランプ氏よりも“もっとヤバイ”人だということをご存知でしょうか。
前述のサンダース氏を“極左”と表現しましたが、それで言えばクルーズ氏は“極右”です。
所謂“保守タカ派”という部類の政治家で、支持母体はティーパーティー運動、キリスト教福音派、キリスト教右派。
極右団体と宗教右派の総合商社状態です。
どれだけ右に偏っているかというと、日本で安倍総理を「極右だ!」と罵ってる人が裸足で逃げ出すレベルで極右です。(笑)
国内政策ではすさまじいレベルで保守的な政策(婚前交渉反対/愛国者法復活/マタニティ・LGBTへの権利擁立反対/障害者権利条約の批准阻止etc…)が目立つため、米国内的にはちょっとどころじゃないレベルで問題がありそうな候補です。
では、対日政策はと言うと。
実はコレと言って大きく変えるような政策提言や発言はありません。
しいて言えば、支持母体であるティーパーティーがTPP反対なので、恐らくTPP反対の政策を出してくるでしょう。
しかし、日米安保など安全保障面やトランプ氏のような対日強硬政策というものを打ち出す様子は今のところないので★3つとさせて頂きました。
国内政策は知ったこっちゃありません(笑)
日本に害がなければお好きにどうぞ\(^o^)/
マルコ・ルビオ(上院議員)
日本への国益度:★★★★☆
2月26日段階でクルーズ氏と並んぶ代議員獲得数のルビオ氏。(実質3番手)
前述の2名に比べて日本での知名度は低いですが、★4つ付けさせて頂きました!何で知名度がこんなに低いの!?
ルビオ氏は所謂共和党の“保守本流”の政治家。
ティーパーティーから一定の支持もある一方で、ティーパーティーが敵視しているウォール街からの献金が候補者中最も多い若き大統領候補です。
国内政策から外交政策まで従来の共和党の姿勢を踏襲するような形ですが、対日政策では少しばかり踏み込んだ言動が目立ちました。
一昨年、安倍首相を表敬訪問し、自衛隊や安全保障体制の強化の取り組みに支持を表明しました。
同年、中国が尖閣諸島を含む空域に一方的に設定した防空識別圏に対して「国際協定を無視し、アジア太平洋地域を混乱させるもの」として非難し、他の議員と共に中国への非難決議案を共同提出しました。
米政府が領有権の帰属に対して中立の立場を取っている尖閣諸島に関しては、昨年の演説で「我々の同盟国、日本の領土だ」と明言するなど、安全保障面において、日本とより密接な関係を提示する言動が目立つ政治家です。
今回は“日本への国益度”という評価基準なので、5名の候補者の中で唯一日本への国益が明言されているルビオ氏を★4という評価にしました。
とは言うものの、ルビオ氏はネオコン(新保守主義)の操り人形であることは明白で、外交政策は自ずと新イスラエルの政策となるため、イランの核合意やシリア問題に関して積極的に関与していく可能性があります。
もし、大統領選に勝利した場合は、中東への外交政策に注意が必要な人物です。
以上が、さんそんのお送りする「日本に有益な米大統領候補は誰か」でした!
今年の米大統領選及び候補者に関してわかりやすく解説できたかわかりませんが、一人でも多くの方に情報を提供できればと思っています。
正直、ルビオさんが大統領になれるかと言うと、選挙の戦況的にかなりビミョー、いや、かなり厳し目なんですよね…(^_^;)
そうなると、「誰がなっても(日本にマイナスという意味では)大して変わらん」となってくる選挙だと私は考えています。
ネオコンの操り人形でも他よりはマシと思えるので、私個人としてはルビオ氏の当選を願っています。
平成28年2月26日
さんそん