「ふー、はー、ふー、はー」呼吸がいちばん肝心
「ふー、はー、ふー、はー」呼吸がいちばん肝心
心が不調な時ほど、まず見直すべきものは「呼吸」です。
背筋をしっかり伸ばして、顔を上向きに呼吸をしてみてください。自ずと呼吸が深くなるのがわかりますか?
呼吸はあまりに「当たり前な日常のこと」で、私たちはついその重要性を見落としがちになります。しかし、正しい呼吸は実は、心の元気をキープするための鍵でもあり、元気な時であっても集中力、モチベーション、創造性や社会性、また身体的な健康さえもより高める素晴らしい機能を持っていると知っていましたか? (私は以前は知りませんでした。)そう、高機能なのに、いつでも始められる画期的な心身の健康法が「呼吸法」なのです。
呼吸と心の安定の関係
呼吸が整うと自然と心が安定してくるものです。大切なプレゼンがある日は、そのことを考えると呼吸がだんだんと浅くなって心が乱れていきます。また人前で発表したり、試験の前などの緊張するような場面でも、簡易的な呼吸法を繰り返すことで心の安定が得られてきます。私も娘が受験する日の朝、受験校の門の前で呼吸法を教えました。「大丈夫、心が落ち着くおまじないだよ」と。
呼吸が安定すると、心も安定しぼやっとしていた靄がすっきりと消えていきます。今目の前のことに集中できるのです。これは、呼吸と自律神経が密接に関わっているからです。
自律して働く神経=自律神経
自律神経とは、体を自動的に管理・制御する神経機能です。私たちは意志の力ではなく、体が自然に働く機能を持っています。例えば、体が熱くなれば汗をかかせ冷やし、寒くなれば震えることで体を温めようとします。体の影響だけでなく、心にも影響を与えます。例えば緊張すると汗をかき冷静にさせ、怖くなって寒気を感じると、震えて暖かさを感じさせて安心しようとします。2つの自律神経の機能の「交感神経」と「副交感神経」がアクセルとブレーキになり相互に働きあって、私たちの体をバランスのよい必要な状態にしてくれる自律性を持っています。
でも、心身が疲労をきたすと、この機能が適切に働かなくなるのです。
私たちはイライラしたり、焦ったり、緊張したり、不安や落ち込みの中にいると緊張から筋肉がとても強張っていき(交感神経・アクセル)、やがて強い疲労感を感じます。これを抑えようと副交感神経が活発になると体を休ませようとするメカニズムが強く働き、やがて何をするにも億劫になり、行動を鈍くしていきます。体の動きが減少すると、今度は血液の流れが滞り、やがてそれはドロドロになっていきます。体に新鮮な酸素が行き渡らず、疲労感は増し、これが脳に伝わり、心や体に不調をきたしていくのです。交感神経が恒常的に頑張りすぎて気が付いた時に燃え尽きてしまっているのは、追いかけるように副交感神経が強く働き体を強制的に休ませようとしていたからです。次にこの副交感神経が強く働き続け、起きられなくなる、というサイクルが起こります。
正しい呼吸が助けてくれる
こんな時こそ正しい呼吸をしましょう。すると肺に十分な酸素が送られ、血液の流れもスムースになります。血液がスムースにサラサラと流れると、体も少しづつ温まり、筋肉に柔らかさが戻ってきます。
体が動くと、活動性が戻ってきます。心と体は心身一如。人に会ったり、笑ったり、社会に所属する感覚が人間らしさを取り戻すきっかけになります。小さな頃に授業や体育で何気に学んでいた呼吸とは、人間の社会活動に大きな影響を与えていたということですね。
正しい呼吸法
① まず、姿勢を正し、少し顎を上げ、楽に座りましょう。
② 口からゆっくりと息を吐きます。長くゆっくりと細い息で全部吐き出していきます。
③ 息を吐き出すと、自然と息を吸うようになります。鼻からゆっくりと新鮮な空気を吸ってください。
④ この流れを20回以上繰り返します
試しているうちに、次第に体がリラックスしてくることが感じられてきます。新鮮な酸素を含んだ血液が体を巡り、体のリラックスが起こると脳にそれが伝達されます。そして心が落ち着いてきます。
一日を丁寧に過ごす
朝から寝坊し、食事も取らずあわてて身支度し、出かけていませんか。結果、忘れ物をし、仕事や学業の効率も落ちるため、ミスが増え、疲れ切って帰宅をしていませんか。ストレスから逃げるため、帰宅後はスクリーンを長時間見て、身体的に披露して寝落ちしていませんか。このような状態は 呼吸が浅い状態です。
まずは朝の新鮮な空気を吸って深呼吸しましょう。そして、ゆっくりと一つ一つ丁寧に事を片付けていくことは、呼吸を深くし、したがって心の安定を促します。そのためにも、To Do Listに優劣をつけて 仕事も生活もすっきりとさせる必要があります。整理できることには タスクや物だけでなく、情報や人間関係もあります。
捨てられないものは本当に大切なものですか?見直してみる良い機会にもなるでしょう
グローバルウェルビーイング
淵上
www.globalwellbeing.nl