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ZIPANG-3 TOKIO 2020~日本一の子育て村構想~邑南町「~上流は下流を思い、下流は上流に感謝する~町民・地域・行政が一体となって『地域で子育て』を始めました」

2019.02.20 03:45

はじめに 記事をお届けするに当たり、先の北海道における地震災害、関西地方ならびに中国四国・九州地方における大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。



静かなる天空の里
周囲の緑と石州赤瓦の屋根が補色色相により、お互いの色相を引き立て合い、よく目立ち、いきいきと輝いて見えます。日本海の深い青と石州赤瓦のように・・・


邑南町は、島根県のほぼ中央部に位置し、総面積の8割を森林が占める四方を山に囲まれた「里山」の町です。

幻想的な世界が目の前に。霧の海「雲海」
邑南町では、運が良ければ早朝に霧の海「雲海」を見ることができます。 日の出より1時間早起きして町の高台へ行き、ひたすら待ちます。 すると、山と山の谷間から白い波がゆっくりと押し寄せて、いつの間にか町は白い海に包まれます。 これが噂の邑南町の「雲海」。雲海が見れるのは、昼と夜との気温差が大きい日だけです。 いつもより少し早起きして幻想的な光景をお楽しみ下さい。

余談ですが、大分の由布院でも同じ光景を見たことがあります。こんな話も聞きました。戦国時代のことです…肥後熊本から攻めてきた軍隊が、峠の上から由布院を見下ろし、朝霧にすっぽり包まれた村を見て「ああ、ここは湖か…」と言って戻って行ったそうです。
恐らく邑南町でも同じようなことがあったのでは・・・


町域の東端を中国地方最大の江の川が流れ、北端には国の名勝断魚渓、西端には国の名勝千丈渓などの景勝地があります。町内河川には自然環境の良好さを表すゲンジボタルや国の特別天然記念物のオオサンショウウオが多数生息しています。

秋の断魚渓
濁川が岩を侵食してできた渓谷。至る所に滝や淵があり、その渓谷を包む木々の紅葉が見事です。

邑南町には、オオサンショウウオなどの貴重な動植物が数多く棲んでいます。 これらは過去・未来から贈られた素晴らしい宝物です。 瑞穂ハンザケ自然館で見て・触れて・学びフィールドに飛び出してください。 素晴らしい宝物が発見できるはずです。

石州赤瓦の屋根と壁の色、そして地元産の木が落ち着いた和の雰囲気を醸し出している
「瑞穂ハンザケ自然館」


江の川の支流、濁川が流紋岩を侵食してできた渓谷で、延長4kmにわたって奇岩怪石が連なり、清流がいたる所に滝や深淵など24箇所もの景観美を形成しています。 嫁が淵、神楽淵、連理が滝、箕の腰などが代表的な景観です。 自然が彫刻した美しさは早くから知られ、昭和10年12月に国の名勝に指定されています。 また、断魚渓は大町桂月や巌谷小波、小笠原白也などによって広く紹介され有名となりました。 【見ごろ情報】桜の見ごろ 4月初旬 つつじの見ごろ 5月初旬 紅葉の見ごろ 11月初旬

「里山」が有する豊かな自然資源やそれらに育まれた恵み豊かな食文化、固有な伝統文化を大切にして、町全体が一体となるよう「和」のまちづくりを目指しています。


邑南町を代表する近年の特産品としては、日経トレンディー主催の「2017米ヒット甲子園」で大賞米に選ばれた『石見高原ハーブ米きぬむすめ』やオオサンショウウオが生息する清流で育て、無添加で低温殺菌しない『セレビアキャビア』、農林水産省主催の「フード・アクション・ニッポンアワード2017」の受賞10産品に選ばれた『日和高原ミルクジャム』、乳量不足により名称が消滅した牛乳を復活させた「日和高原牛乳」などがあります。


農林水産省 フード・アクション・ニッポンアワード2017受賞「日和高原ミルクジャム」


日和高原ミルクジャムとは
国産原材料のこだわり 江崎グリコ株式会社が販売する特選牛乳シリーズのうち「石見高原特選牛乳」のルーツである邑南町の日和地区・坂根牧場産の生乳を使用し、低脂肪乳と砂糖だけで作っています。

日和地区の生乳は「日和高原牛乳」として30年前グリコの厳しい基準を達成し商品化されたことがあり、地域の誇りとして愛されています。「日和高原ミルクジャム」には、もう一度日和高原の名前を全国に売り出したい思いが込められています。

開発背景や製法のこだわり
邑南町と協定を結んでいる酔心調理製菓専門学校から、授業で使うバターの確保が難しいとの相談があり、邑南町の生乳をバターにして提供することになりました。生乳を分離し95%は低脂肪乳として残るのでそれを利用し、ミルクジャムを作ることで地域に誇りを持ってもらい、酪農を未来に残すために開発。

酔心調理製菓専門学校から製造装置の提供を受けて、邑南町観光協会とシックスプロデュースが共同で製造しています。

生産者の特徴
邑南町観光協会は平成23年より「A級グルメ」によるまちづくりを掲げ、ここでしか味わえない食や体験をブランド化する地域活性化を進めています。その中で地域の誇りとなるような新たな商品の開発に取り組んでいます。 シックスプロデュースは、完全自然放牧による牛乳の生産と乳製品の加工を行っているため、ミルクジャムを作る際の衛生基準を満たしており、販路の拡大も担っています。


平成23年に食と農を切り口として、生産者が丹精込めて作ったものを美しい自然の中で味わう『A級グルメ構想』を始めました。総務省の「地域おこし協力隊」制度を活用して「耕すシェフ」や「アグリ女子・男子」など食と農のプロを目指す若者が邑南町に研修に訪れ、修了後に起業・定住へとつながっています。

邑南町の皆で「地区の未来を考える」

同年、子育て世代への支援に重点を置き、町民・地域・行政が一体となって「地域で子育て」することをキーワードとした『日本一の子育て村構想』を始めました。邑南町で子どもを安心して産み育てられる環境の整備や、子育ての経済的負担の軽減などを町ぐるみで行っています。 


邑南町は、平成16年10月に石見町、瑞穂町、羽須美村の2町1村が合併してできた町です。旧三町村は 、これまでそれぞれの理念に基づき、特色あるまちづくりを展開してきました。 そのひとつ旧瑞穂町では、町の豊かな自然を生かした町政を進めていました。その象徴が町全体を1つの博物館に見立てた「エコミュージアム構想」です。 「町の自然、歴史、生活などすべてが町民の財産。それを飾る博物館が町そのものということ。町民が町の生活に誇りを持てるように」との狙いがありました。 合併後の邑南町でも「エコミュージアム」の理念は残っています。里山の保全と価値の再発見に向けた事業に取り組み、林業や農業の振興だけでなく、循環型社会の実現につながるような山林の有効活用を目指しています。 


邑南町は、中国地方でも山間部の河川上流に位置しています。少子高齢化が進み限界集落となる地域が多くなっています。しかし、これら集落は、豊かな自然環境や伝統文化を継承する心を癒す安らぎの空間として重要な役割を持っています。その集落を存続することは、自然環境はいうに及ばず人間教育や福祉にとっても極めて重要です。


子供たちの四季

2018年2月、30年ぶり豆まきが復活しました。突然の鬼たちの出現で泣き出す子供も…

紙漉き。自分たちで「手づくりの卒業証書」優しい目で見守る大人たち。大丈夫かな~

町民による子供たちのための雛飾り

口羽地区児童クラブの子供たち。菜の花畑でひと暴れ!みんな笑顔・・・

高原幼稚園4・5歳児の皆さん。やはり子供たちは笑顔です。

小学生の田植え体験。稲と共に子供たちも成長・・・

小学校屋根吹替作業体験。普段は厳しい職人さんもこの日だけは目を細めています。

収穫祭には子供たちの手料理が。味は大した問題ではないですね?勿論、気持ちです…

ふるさとの味みんなで囲む大なべ会。昔も今も火熾しは大変です。
そういえば思い出しました昔々小生も、鈴鹿山脈「湯の山」で野宿をした時は、石を写真のように積み、枝、枯葉を探し(生臭いにおいがしたら蝮がいるからと言われ恐る恐る)、木と木をキリのように擦り紙に火をつけ、紙を筒状にして火を起こしたものです。
エッ、何時代かって?

2019年邑南町の成人式。これからは地域の子供たちを育ててあげる立場ですか・・・⁉


邑南町2018年を振り返る!


「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」との理念を持ち、水源の里の課題をすべての人の共通の課題として、その解決の責務を持つべきであると考え、特別天然記念物オオサンショウウオを飼育展示している「瑞穂ハンザケ自然館」での学習活動や、町内12地区で実践されている地域学校、町内小中学校で実践されている「ふるさと教育」など町ぐるみで自然愛護精神の醸成に努めています。



邑南町の祭り

次(じ)の日祭り


京都の「葵祭」の流れをくむ、約650年前から伝わる「次の日祭り」は、羽須美地域阿須那にある賀茂神社の例祭で、毎年5月21日と22日に開催されます。

21日の「傘鉾(かさほこ)の奉納」では、色とりどりの短冊を吊り下げた直径約3.5m、高さ5m、重さ40~50kgの大きな傘鉾を氏子たちが「わっしょい、わっしょい」と掛け声を掛けながら神社前の通りを駆け抜けます。道幅いっぱいの傘鉾が路地を行き来する様は迫力があります。

夜は神楽の奉納が行われ、翌日には田植えばやしなどの催しが行われます。

奉納神社である「賀茂神社」の境内には国の重要文化財である「板絵著色神馬図」の複写版が掲示されています。

アクセス 邑南町阿須那 賀茂神社周辺


鹿子原(かねこばら)の虫送り踊り


毎年7月20日に行われる石見地区矢上の鹿子原集落に残る五穀豊穣を願う民間信仰行事の一つで、昔は全国で行われていましたが、農薬の普及した現在で古形を残す数少ないものと言われ、昭和42年5月に県指定無形民族文化財に指定されています。

祭りの当日は、花笠に浴衣、紅たすき姿の若衆が腰に太鼓をつけ乗馬姿のワラ人形を中心に繰り出し、独特の「虫送り唄」に合わせて行進し、町内各地で害虫退散を願い踊りを披露します。最後に一行は諏訪神社の境内で踊りを奉納し、虫が付いた短冊と花笠の飾りを境内で焼き払うことで、害虫退散と五穀豊穣を祈り、行事を締めくくります。

祭りのシンボル的存在の乗馬姿のワラ人形は平家の武将斎籐別当実盛をかたどったもので、実盛が源氏の兵に追われた時、水田の稲株に足をとられ討ち死にしたことから稲に恨みを抱き、魂が害虫となって稲を食い荒らしていると思い、霊を慰め害虫を町から送り出そうとしたのがこの祭りの由来だといわれています。

アクセス 鹿子原集会所~三穂両神社~香木の森公園~矢上商店街~諏訪神社


まだまだ、ご紹介したい所は数々ありますが、特に最近注目されている「久喜銀山跡」や、4種類のガーデンがあり、ラベンダーなど240種ものハーブが四季を彩る「香木の森公園」のハーブガーデン,「村の祭り」や「食文化」等々、
残念ながら、写真容量の限界となりました。またの機会といたします・・・
編集作業をしながら、邑南町の子供たちの自然な笑顔に癒されました。



春を呼ぶ限界集落の棚田も合わせてリンク記事をご覧ください


ZIPANG-3 TOKIO 2020 春を呼ぶ限界集落の棚田「邑南町 上田・平佐 オーナー制度の棚田とは」

https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6826823/



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使



協力(順不同・敬称略)

邑南町役場 〒696-0103 島根県邑智郡邑南町矢上6000電話: 0855-95-1111

一般社団法人 邑南町観光協会 〒696-0103島根県邑智郡邑南町矢上7154-10
香木の森公園クラフト館内TEL:0855-95-2369

石見観光振興協議会事務局
〒697-0041 島根県浜田市片庭町254 島根県西部県民センター内 TEL.0855-29-5647

石州瓦工業組合 〒695-0016 島根県江津市嘉久志町イ405 TEL 0855-52-5605

農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1電話:03-3502-8111(代表)


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