【Premier12】キューバ強化試合 vsエルサルバドルリーグ選抜
侍ジャパンが”常設”の野球代表チームと認識されていると思いますが、その日本代表よりもガンガン代表選手による試合を行っている国があります。”赤い稲妻”ことキューバです。近年、亡命選手の増加により大きく戦力が落ちてきている同国ですが、日本プロ野球やメキシカンリーグなどの海外のリーグへ積極的に選手を派遣するなど、代表チームの戦力低下に歯止めをかけようとしています。一方で、2018年12月にはMLB/MLB選手会/キューバ野球連盟FCBの3者間で、亡命することなくメジャーに移籍できるような契約に合意した、という報道がありました。この制度は、日本のポスティングシステムに近い制度だそうですが、今後どのようにキューバ国内リーグCNSに影響するか見通すことは難しそうです。そんな中でも、キューバのトップ選手は、国際舞台で着々と経験を積み続けています。
準優勝のカリビアンシリーズ
2月4日~10日の間、中南米のウィンターリーグ王者同士で対戦するカリビアンシリーズが開催され、キューバからは国内リーグ王者のラス・トゥナスが参加しました。ただ、ウィンターリーグ王者といっても、チームには補強選手が追加されており、日本プロ野球NPB所属のアルフレッド・デスパイネ(LF/福岡ソフトバンク)やイバン・モイネロ(RP/福岡ソフトバンク)、ユリスベル・グラシアル(3B/福岡ソフトバンク)、ライデル・マルティネス(RP/中日)など、ほぼキューバフル代表のメンバー構成で挑んでいます。今年のカリビアンは、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコ、メキシコといった毎年参加している参加国に加えて、元々開催国だったベネズエラが政情不安により開催中止となったことで急遽ホスト国になったパナマの合計6カ国による大会となりました。つい最近までドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコ、メキシコの4か国のみで行われていましたが、キューバとパナマの参加で、元々レベルの高かったカリビアンシリーズに、参加国の増加がカリビアンシリーズのタイトルをより難しい大会にレベルアップさせています。
そんな中、今年のキューバ代表ラス・トゥナスは準優勝でフィニッシュしました。勝敗だけで言うと決勝戦を含め2勝3敗と負け越しですが、どの試合も接戦だったようで選手には良い経験になったのではないでしょうか。因みに優勝したのは地元のパナマ王者トロス・デ・エレーラ。決勝戦の最後はパナマ出身の元メジャーリーガーのマニュエル・コーパスがセーブで締め括りましたが、地元のグラウンドにたたずむ姿が印象的でした。
エルサルバドル野球リーグ選抜と2勝1敗
続いて2月15日~17日の間、デスパイネなど海外組を除いた国内リーグ代表メンバーで、エルサルバドル野球リーグLNBのリーグ選抜チームと対戦しました。エルサルバドルといってもピンと来ない人がほとんどだと思います。エルサルバドル自体はサッカーの国であって、野球では弱小国に当たる国ですが、結果は2勝1敗。このエルサルバドル選抜チームにはWBCニカラグア代表のCarlos Teller投手など海外出身の選手も多数含まれていて、キューバ国内フル代表が相手でもきちんと試合になる所か、最後は1勝を挙げました。国際試合の中でもかなりレアな相手なので、その相手に対し2勝1敗という結果はどう総括したらよいか非常に難しい所ですが、あくまで強化試合と見るのが妥当でしょうか。
恒例の米独立リーグCanAmリーグ参戦
6月にはアメリカ・カナダにある独立リーグ”カナディアン・アメリカン・リーグ(CanAmリーグ)”で同リーグの各球団と15試合対戦します。シーズン中ですので、こちらもNPBなど海外組は不参加となる見通しです。このCanAmリーグに続いて、7月にはペルーの首都リマでパンアメリカン競技大会を迎えます。そして最終的には、今年11月東京オリンピックの出場権のかかった最初の大会Premier12(日本,台湾,韓国,メキシコ共催)に挑むことになります。前回Premier12では準々決勝で韓国にあっさり敗れ、東京に来ることも出来ませんでしたが、多くの国際経験を積んだキューバ代表の戦力がどうなっているか要注目です。
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