蛹
友人の同級生に変わった人が居ました。仮にKとします。
Kは変わった奴で、ポケットに昆虫の蛹を大量に入れている様な奴で。
その噂に興味を抱いた友人がKと色々と話をしたそうです。
彼によればKは12歳の頃から蛹を集める癖があったそうです。
なぜ、そんな事をするのかと聞きました。
するとKは、「蛹にある事をすると凄いものが産まれるんだ」と言いました。
Kによると近所に黒魔術好きなおばあさんが居てその人から色々教えてもらったそうです。
Kが12歳の時、Kのおじいさんが死んだのですが、何とその時に「魂(おじいさんの)を地獄に引き渡す見返りにカワイイ妖精が1匹欲しい」と悪魔と取引をしたのだそうです!
Kはおばあさんに教えてもらった通りの儀式を誰も見ていない時を見計らって葬式の直前に行った(どんな方法だったのかは教えて貰えなかった)らしいのですが、その後にお坊さんが来た時「こんな、一体誰が・・・馬鹿な!外法やぞ!」と凄い剣幕で言って携帯でどこ
かに電話をしたかと思うと勝手に式場を出て行ってしまい1時間位戻って来ず、親族はたいそう混乱したそうで、戻ってきた時には頭ハゲの黒服の男達を50人位連れて来て何故か式場の外で待機させた上で、葬式を再開した。親族への説明も一切ナシ。Kは「これは本物かもしれない」と思ったそうです。
その儀式の翌日、真冬だったにも関わらず、たまたま家の窓にくっついていた蝶の蛹からとっても愛らしい妖精が産まれて来たのだとKは目を輝かせて言っていた。
窓の外で震えている妖精をKは急いで部屋に入れた。
髪は緑色で肌は青く羽は黄色、そして燃える様なまっ赤な瞳の妖精だったそう。
嬉しくなっておばあさんにお礼を言おうとしたのですが、おばあさんはどこかに引っ越した後だった。
近所の人に引越し先を聞いても何も言わずに急に引っ越してしまったらしく分からないと言われた。
Kはその妖精は今でもとある場所で飼育していると言った。飼育方法は比較的簡単で通常の昆虫の餌で大丈夫なのだと言った。何でも外見は人の目から見れば妖精だが実態はポケモンのバグ技みたいなものでこの世の生物に概念を擬態させて存在しているのでそのベースになった生物の食性を受け継いでいるのだと。
そして、妖精を得る契約の代償としてにKは死ぬまでの間生きた蛹を絶体に肌身離さず持っていなけれなならないのだとも言ったという。